【100回記念】失敗詩編
『しいなここみの液状化現象』
ブルーンブルーン
ブルブルブルームーン
なんか変だった
気がかりな夢から目を覚ますと
お腹のあたりがピチャピチャいってた
くるくるかき回してみると
あっこれ クリームだ
こんなところにホイップクリームがあるよ
おいしく食べたかったのに
どうしても食べることができなくて
起き上がることもできなくて
泣いた
『私の下手くそなキャベツの千切り』
下手くそなキャベツの千切り
そう書いてみたら
キャベツさんが千切りが下手くそなように読めてしまって
書き直す
キャベツの下手くそな千切り
これではキャベツが主語になってしまう
キャベツの千切りが下手くそなのは私なのに
千切りの下手くそなキャベツ
もっとキャベツさんを下手くそにしてしまった
キャベツの千切りが下手くそ
誰がだよ?
私だ
私がキャベツの千切りが下手くそなのだ
しかしそれでは私が主語になってしまう
あくまで主語は
私の下手くそなキャベツの千切りなのだ
あ
これでいいのか
私の下手くそなキャベツの千切り
『魔人』
愛してるよ そう言いながら私を抱く 彼はエロに溢れていた どうしてそんなにエロいの 私が聞くと 俺はエロいからだ そう言って怖い顔をした いや 怖い やめて ドカ バキ 簿記 やりすぎた まあ いいよね エロ魔人は こうされるべきだよね 日本の平和のために 私いいことをした
エロを全開にさせて 彼女を抱こうとした 怯えるような彼女の目は エゴに溢れていた
『霧ヶ峰ホップ』
ありがとう脳
『心情表現の王』
自然の変化を
心の変化の表現として
大げさに使う
自然がそんなに人間の心に反応するわけがない
気のせいだよ
ショックを受けたら
雷が落ちるだなんて
びっくりして
日が翳るのなんて
疑いが晴れた喜びに
雲間から日が差すだなんて
悲しみの雨が降るのも
怒りで火山が噴火するのも
ぜんぶあなたの気のせいなんだ
『冷たい体温計』
放置された体温計は何°cを示している
『自慢』
毛村拓哉が お父さん
『う素』
この部屋には酸素ならぬ
う素が充満している
吸い込んだら最後
何が本当なのかわからなくなる
『なめくじのきもち』
突き刺すのはやだ
突き刺されるのも嫌だ
ただ熱くて柔らかい
なめくじさんに抱かれていたいの
私も抱き返すから
ぎゅって
とろとろ
って
『ジョニー・チョップスティックにさようなら』
ジョニー・チャップスティックにさようなら
青い 細い体で 私を食べた
ジョニー・ショップスティックにさようなら
私はもう ケチャップの色が 似合わなくなってしまったの
『霧ヶ峰ホップED』
ありがとう脳、脳、脳、脳……
ありがとう脳! 脳! 脳! 脳! 脳! 脳! 脳! 脳! ……




