90話「勇者は姫を守り、老婆が現れる」
「《孤独な闇》」
「いかんっ! 」
魔術師が詠唱していた魔法がわかった瞬間、老人はその場から全力で飛び退った。
新たに懐から取り出した槍を構えた老人は、時折足元を見つつ魔術師の一挙手一投足を警戒する。
魔術師の杖の先は、怪しげな光を灯していた。
「ユリさん! 大丈夫ですかユリさん! 」
魔術師を警戒していた老人は、アルの叫び声にはっとなって後ろを振り返った。
「狙いは、娘の方じゃったか! 」
老人が向けた視線の先には、岩場にうつ伏せで倒れているユリの姿があった。
慌ててユリの元に向かおうとした老人に、魔術師が新たな魔法を発動させた。
「私に背を向けてどこに行く気だ? 《歪視界》」
老人を中心としたドーム状の紫色の結界が展開された。
駆けだそうとした老人は、視界に映る景色がぐにゃりと歪む奇妙な感覚に襲われて、足元をふらつかせた。
「くっ、目をやられたか。嫌らしいことをしてくれる」
平衡感覚が狂って倒れそうになる体を槍で支えて、片目を抑える老人は、苦々しそうに魔術師を睨んだ。
「《召喚:黒蝙蝠》」
「「「ギキキキキ! 」」」
魔術師の周囲にいくつもの魔方陣が現れ、その中から黒蝙蝠の群れが現れた。黒蝙蝠は、隠し通路でユリとアルが見つけたあの巨大な蝙蝠のことだった。
黒蝙蝠の群れは、片膝をついている老人に覆い被さるように殺到した。
「馬鹿らしい。そんな小物で儂が死ぬと思うたか! 」
「「「ギキィ!? 」」」
老人に殺到していた黒蝙蝠の全てが、ガラスが砕ける音共に黒い粒子となった。
老人の周りにいくつもの魔方陣が重なるように現れ、その黒い粒子を吸い取っていく。全ての魔方陣が消えた頃には、その場には赤い槍を振り切った姿で静止する老人しか残っていなかった。
「……ふん、それで死のうが死ぬまいがどうでもいいことだ。お前はそこで見ているがいい。まずは一番目障りな青髪の小娘、あいつから殺してやる。お前はその次だ」
立ち上がれないでいる老人を一瞥した魔術師は、狂気が宿る赤目をユリに向けた。
「忌々しい青髪の小娘よ! 苦しめ、恐怖しろ、そして、絶望の中で死に絶えよ! 《召喚:影狼》」
再び魔術師の周囲に無数の魔法陣が出現し、そこから飛び出してきた影狼たちがユリの元へと駆け出した。
「我を恐れヨ! 我を崇めヨ! フハハ……フハハハハハ!! 」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「暗い……真っ暗だ……何も……見えない……」
「ユリさん、ユリさん聞こえますか、しっかりしてください!! 」
「体の感覚がない……何も聞こえない……何だ、一体……何が……暗い……暗い……」
ユリの灰色の瞳は、虚空を見つめていた。突然、岩場に倒れ伏してうわ言を繰り返すユリをアルは、抱き起して必死に呼びかけていた。
「……どうやら、目と耳、それに体の感覚もやれてますね。手持ちの薬……じゃ、治せないですね」
ユリのHPとMPを示すバーは、どちらも灰色に染まっていた。これは、ユリの五感の一部が機能しなくなる状態異常にかかっていることを示していた。それを治す薬は存在していたが、アルはそれを持ち合わせていなかった。
「自然治癒を待たないとダメみたいですね……」
アルは、ユリをそっと優しく地面に下ろした。
「ユリさんは、安心してそこで休んでいてください」
アルは置いていた盾を拾い、腰から剣を抜いた。
「それまで僕があなたを守りますから」
魔術師が呼び出した影狼たちが湖の水面を走って、ユリに向かってきていた。
「ユリさんには、指一本触れさせません」
姫を守る勇者のように、アルはユリを守る盾として影狼たちの前に立ち塞がった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
一方その頃、黒水女と膠着状態に陥っていたランたちの元に新たな人物が現れていた。
「おやまぁ、あのアクネリアがこんな醜い姿になっちまって……情けないねぇ。どうやら、あの爺の予想は当たってたようだね。いくら期待の新人でも、操られてるとはいえアクネリアの相手は、まだ荷が重かったね」
隠し通路から現れてそんなことを言ったのは、森狼に乗った老婆だった。
始まりの町周辺のエリアに現れる全てのモンスターが異常種となっている中、異常種になっていない森狼とどう見ても戦闘に向かなそうな老婆という組み合わせは、この場にはあまりにも場違いだった。
「……誰? またお兄、お姉ちゃんの知り合い? 」
自分たちが来た隠し通路から現れた老婆と森狼にランは、黒水女と戦闘中にも関わらず、よそ見をして不思議そうに首を傾げた。
その老婆にラン自身は見覚えはなかったが、ユリの危機に颯爽と現れた老人のことを考えると、この人もお兄ちゃんの知り合いかなぁとランは考えた。
この膠着状態を打破してくれる助っ人だったりして、とランは淡い希望を抱いた。
とは言え、新たに現れた老婆のことを考える暇は、今のランにはほとんどなかった。
戦闘の最中によそ見をしたランへと黒水女の触手が出鱈目な軌道を描いて伸びてきた。
「わっ、あぶなっ! 」
ランは慌てて伸びてきた触手を左手の大剣で弾いた。そして、右手の大剣で触手に攻撃を試みたが、水で出来ているのにも関わらず、触手は硬質な音を立てて大剣を弾いた。
いくら剣に黒水に効果抜群の薬を塗っていても、斬れなければ効果は薄い。
大剣を弾いた触手は、刃が当たった部分が薄らと筋となって細い白煙を上げて、触手の表面を伝って先からポタポタと透明な水を何滴か落としていただけだった。
「むぅ、この触手叩っ斬れないかなー」
ランは、弾いてもすぐに別の向きから攻撃してくる触手に心底鬱陶しそうに思いながら、頭上から迫ってきていた触手の振り下ろしを左手の大剣で弾いた。
触手を切断することは、ランとシオンの2人で何度も試してみていたが、全て失敗に終わっていた。
黒水女の右腕が変形してできている触手は、水で出来ているのにも関わらず、アーツを使用したランの大剣の一撃を弾く程の硬度を持っていた。
「時間はあんまりかけたくないのに」
ランは、出鱈目な軌道を描いて伸びてくる触手の攻撃に絶えず晒されていたが、本人は至って自然体だった。こんな状況にも関わらず、暢気に愚痴を呟く余裕すらあった。
鞭のようにしなり、蛇のように蠢く触手は、伸びる最中に普通では考えられない出鱈目な軌道を描く。
そのため、慣れていなければ防ぐのは難しいが、逆に言えば、慣れてくるとランにしてみれば、防ぐのはそれほど難しいことではなかった。
ランを見る際に大剣2本を双剣として扱っていることで、その火力にばかり目が向きがちだが、本当に注目すべき所は、その攻防一体の双剣捌きである。
間合いに入った敵は斬り裂き、敵の攻撃は弾き、防ぎ、自らには触れさせない。
双剣を扱う者ならば、その攻防を両手に持つ2本の剣で熟す。
中には、一方で守り、もう一方で攻め、と左右で攻守を分けて熟す者もいるが、ランはどちらの剣でも守り、そして攻める。
ランの一対の大剣から繰り出される止まらない怒涛の連撃は、堅い敵でもあっという間に削りきるし、一度作りだしたランの双剣の守りは、その守りを掻い潜って攻撃を加えることは困難を極める。
それほどランの双剣捌きは高いレベルにまで到達していた。
……とは言っても、現実では素人だらけのプレイヤー達からすればの話である。
今の技量では、連撃の隙を突かれてカウンターをもらうこともあるし、双剣の守りもタイラントゴブリンの一撃のような強力な攻撃を喰らえば、ゴリ押しで無理やり突破されてしまう。
黒水女が、タイラントゴブリン並みの強力な攻撃手段を持っていなかったのは、ランにとって幸いだった。
一気に距離を詰めるようなことはせずにランは、黒水女の繰り出す攻撃を防ぎながら、じりじりと距離を詰めていた。
「ちょっと横を通るよ」
そんな最中に後ろから声がかけられた。
思っていたよりもすぐ後ろから聞こえた声にランは、えっと驚きの声を上げて注意を後ろに向けると、老婆を乗せた森狼が自分のすぐ後ろにまで接近していた。
「えっ!? いつの間に!? って、そんなに近づくと危ないよお婆ちゃん!? 」
気付かない内にここまで接近されていたことに驚きながらも、ランは慌てて老婆に向かって警告した。
今のランは、刀身が1メートル以上もある大剣を2本も振り回している。ランに当てる気が無くとも、不用意に近づけば当たってしまう危険があった。
「問題ないよ。ノルン、避けれるじゃろ? 」
「うおんっ! 」
老婆の呼びかけにノルンと呼ばれた森狼は当然! といった風に吠えてランの横を楽々と通り過ぎた。
「うっそ!? 」
気がつけば、横を抜かれていた。
大剣の間合いに入っていたにも関わらず、気付かない内に通り抜けられたという事実にランは、驚いた。
あの森狼、普通じゃない。
ランの双剣の守りは、簡単に素通りできるほど生易しいものではない。迂闊に間合いに入れば、反射的に迎撃されて、ずたずたにされる。そうでなくとも、出鱈目な軌道を描いて隙を突こうとする触手に合わせて大剣を振り回していた最中にその中を一撃も当たらずにすり抜けるのは、生半可なことではない。
見た目は、【豊かな森】に出現する森狼そのものだが、強さはこの辺の主よりも強いだろうとランは老婆の従魔なのだろうノルンの力量を推測した。
最前線にいたランの横を通り過ぎて、前に出た老婆とノルンは当然、黒水女に狙われた。
ランを狙っていた触手が標的を変えて、老婆たちを狙った。
「こんな有様でも、アクネリアだからね。当たれば、かなり痛いよ。しっかり避けな。避けても油断すんじゃないよ」
「おんっ! 」
ノルンの脇腹を軽く叩いて言う老婆の言葉にノルンは、鳴いて応える。
頭上から振り下ろされてきた触手をノルンは、横っ飛びで躱した。そして、地面に足が着くなり、今度は後ろに跳んだ。
触手の横払いが空を切った。
横払いを回避したノルンは、すぐに黒水女に向かって走り出した。
それに対して、黒水女は30メートル近くまで伸ばしていた触手を一瞬で元の長さにまで縮めると、ジグザグに走りながら接近してくるノルンを貫くように触手を一直線に、目にもともらぬ速さで伸ばした。
それは、最初にユリを吹き飛ばしたあの高速の突きだった。
「がうっ! 」
「わっ、噛み切っちゃったよ」
ランでも完璧に反応できるか怪しいその高速の突きをノルンは、少し体を横にずらすだけで避けた。更には、触手を噛みちぎった。
ランの大剣でも切断できなかった触手を、である。
「ノルン! すぐ、ぺっしなっ、ぺっ! そんな気色悪いもん飲み込んじまったら体壊すよ! 」
老婆に言われて、ノルンはすぐに黒水を吐きだした。
触手は、ノルンが噛みちぎった部分から先はバシャッと弾けて地面に水たまりを作った。
触手を噛み千切られたことで、HPが少し減少した黒水女は、ノルンの警戒を強め、シオンに向けていた左腕をノルンに向けて、黒水弾を射出した。
ノルンからすれば、迫ってくる黒水弾を受ける理由もなければ、必要もない。
ジグザグに移動して、ノルンは全ての黒水弾を躱し切った。
いくつか流れ弾が後方のランに迫ったが、全て大剣で叩き切られ、残りは地面や壁に当たって水溜りを作った。
黒水弾と触手の攻撃を掻い潜って黒水女に接近したノルンは、水面を蹴って湖の上を走った。
ノルンの足は、何故か湖に沈まずに当たり前のように湖の水面を地面と変わらず踏みしめていた。
しかし、湖は黒水女の領域である。
そこに踏み込んだ老婆とノルンに、黒水女の周辺の湖を黒く染めている黒水が牙を剥いた。
水柱が無数に立ち上がり、ノルンを囲うように水壁が水面から競りあがった。
水壁によって閉じ込められたノルン達に無数の水柱が迫った。
「フー姉、リン姉! あのお婆ちゃんを守って!! 」
「無理です! 私のはまだ冷却時間がっ! 」「こっちも無理だ! 間に合わない! 」
魔法というのはアーツと違い、そう簡単に出せるものではない。
冷却時間のせいで《風障壁》は、詠唱すら出来ず、冷却時間は過ぎていても《土の壁》を今から詠唱して発動するのでは、到底間に合わなかった。
「っ……なら私がっ《ダッシュ》!! 」
ランは、アーツで移動速度を上げて、老婆とノルンの救援に向かった。
黒水女に勝つ上で、あの老婆とノルンを失うのはかなりの損失だと瞬時に判断しての行動だった。シオンもランとほぼ同じタイミングで老婆たちの救援に動いていた。
「うぉぉおおおおおん! 」
しかし、ラン達の心配は杞憂だった。
ノルンの鳴き声がラン達の耳に届いたと同時に四方を囲んでいた水壁のうちの一面が弾け飛んだ。
そして、そこから老婆を乗せてノルンが飛び出してきた。
老婆とノルンのHPは、多少減っていたがどちらもピンピンとしていた。
「まったく最悪だねえ!! 気色悪い水で全身びしょ濡れだよ! 」
「おんっ! 」
苛立たしげな老婆の言葉に同意とばかりにノルンが鳴いた。
「お婆ちゃん大丈夫!? 」
「ああん!? 見て分からないのかい最悪だよ! 」
「そ、そう……元気そうだね」
明らかに機嫌が悪い老婆の様子にランは気圧された。
「うっわー……ピンピンしてんぞ、あの婆さん」
「あの狼もそうだけど、あのお婆さんもとんでもないね、お姉ちゃん……」
そのやり取りを離れた所で見ていたフーとリンの2人は、老婆の方は打たれ弱いと思っていただけに驚いていた。
少なくとも出るまでの数秒間は、押し寄せてきた黒水の水柱を受けていた筈である。その頑丈さに2人はドン引きだった。
今の時期、戦うNPCは、攻略組のプレイヤーと同等もしくは、それ以上の強さを持っているというのは、知っていたが、改めてその強さを実感した。
βテスター時代なら、あの老婆やノルンに2人とも勝っていたかもしれないが、今の実力では、2人ともノルンどころか老婆にすら負けてるだろうと、その減ったHPの少なさから判断できた。
あんな森狼を従わせる老婆が、ただ堅いだけなわけがなかった。
「ったく、これもそれもあの魚爺のせいだよ! 私にこんな面倒押し付けてきたんだ。あとでたっぷり扱き使ってやるよっ! まったく、店を空けてまで来るんじゃなかったよ! 」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
一方で、アルは影狼の群れを相手に一人で奮闘していた。
その背後には、岩場に寝かされているユリがいた。
初めはうわ言のようにぶつぶつと言葉を零していたが、今はもう何も喋っていなかった。事情を知らない者が見れば、ただ眠っているように写ったかもしれない。
アルが複数のモンスターと交戦しているのは、ラン達も気付いていた。
しかし、ユリが状態異常にかかって戦闘不能となってアルが、それを庇って一人奮闘していることまでは気づいていなかった。故に、黒水女との戦いに集中しているラン達が加勢に来てくれる可能性は低かった。
アルがフレンド通信で救援を求めるという方法もあるにはあったが、今のアルにそんな余裕はなかった。
「っ、行かせませんよ! 」
アルの脇を潜り抜けようとした影狼を青薔薇の直剣で斬り捨てる。
影狼のHPは低い。その攻撃で影狼は、HPを0にして消滅した。
「むん! 」
更にアルは、自分の体をすっぽりと隠せる程の大盾を横に振って、アルを迂回してユリに近づこうとしていた影狼の1体を吹き飛ばした。ダメージは、ほとんど入らなかったが、元々ダメージを与えることではなくユリから遠ざけることが目的だったので、アルの狙い通りだった。
アルが盾を振り切った時を好機と見た影狼の別の1体が、アルに飛びかかった。
だが、それを読んでいたアルの膝蹴りを顎に喰らってたたらを踏み、その隙に頭に盾を振り下ろされて押しつぶされた。影狼のHPが0になって、消滅した。
目まぐるしい戦いにも関わらず、アルの動きには淀みがなかった。全ての動きが次の行動に繋がるようになっていた。
動きが止まった瞬間、隙を見せた瞬間。
一瞬の隙を敵に浸け込まれれば、紙装甲でHPも初期値のアルは、容易く死んでしまう。
そんな戦いが日常茶飯事なアルが、相手の攻撃を受け流す研鑽と共に次の動きを意識した行動が取れるように何度も反復して体に刷り込ませて身に着けたプレイヤースキルだった。
青薔薇の直剣が振るわれ、正面から迫ってきていた影狼を2体斬り捨てる。1体は、その攻撃で消滅したが、もう1体はHPが残ってそのまま迫ってきた。飛びかかってきた影狼に合わせるようにアルは、盾で殴った。
盾自体に攻撃力はほとんどないが、敵の攻撃に合わせて、カウンターを入れれば、影狼相手ならば、そこそこ削れる。殴られた影狼は、岩場をゴロゴロと転がって消滅した。
「これでやっと10体目ですか。残りは、その倍近くはいますねー」
もう少しペースを上げれればいいのだが、ユリを庇ってだと今のペースが限界だった。
影狼も馬鹿ではないのでアルを迂回して、ユリを攻撃しようとするので油断が出来なかった。
「はぁ……早く起きてくだいよーユリさん」
湖中に潜むことでアルを迂回して、ユリに襲おうとした影狼を斬り捨てながら、アルはユリの早い復帰を願った。
《孤独な闇》
【幻影魔法】で覚える魔法
対象者の視覚、聴覚、触覚が一時的に機能しなくなる魔法。
対象者は、突然暗闇に1人閉じ込められたように錯覚する。
仲間が、声をかけても体を揺すっても対象者には全く分からない。
効果は最大で5分間。
効果が切れれば失った五感は、自然治癒する。
その間、【警戒】【直感】と言った第六感みたいなスキルや嗅覚味覚と言った関連のスキルは問題なく発動するが、視覚、聴覚、触覚に該当するスキルは使用不可能になる。
効果時間は、対象者によって変動する。
強力な魔法故に、消費MPは勿論、冷却時間も10数分近くありかなり長い。
《歪視界》
【幻影魔法】で覚える魔法
半径10メートルほどのドーム状の結界を張り、その中にいる者を敵味方関係なくすべての視界を狂わせる魔法。
視界がぐにゃりと歪んで写り、そのせいで平衡感覚も狂って歩くどころか立つことも難しくなる。
敵味方なく自らにも効果を出すので、間違えれば自らを危険に晒してしまう。
《召喚:黒蝙蝠》
黒蝙蝠を召喚する。
黒蝙蝠は、ユリとアルが隠し通路で遭遇したあのコウモリのことである。
14/09/22 18/06/26
改稿しました。




