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123話 「エリアボス後半戦」


「うわああああああ!? 」


 伸びきっていた紐が元に戻ろうとする力で高々と宙を舞うことになったユリは、大黒鳥に砲弾のように迫っていった。大黒鳥が接近するユリに気づいて首を動かしたことでユリは首の下を通り過ぎるように通過した。


 しかし、銛は手前の首元に刺さっていたので紐に引っ張られてユリは大黒鳥の首を中心に円を描くように縦回転した。


「うおおおおっ!? 」


「オアァッ!? 」


 わけもわからない内に振り回されるユリの困惑した声と大黒鳥のパニックを起こした声が広場に響く。その様子をランとタクが攻撃をするのも忘れてポカーンと口を半開きに固まっていた。クリスもユリの危機?にどうしたらいいのか分からなくなっているのか攻撃の手を止めてオロオロと二足立ちして様子を伺っていた。


 二回、三回と勢いがなくなるまでユリは回り続ける。大黒鳥の首には銛の紐が何重にも巻き付いていく。


「ぶふっ!? 」


 ユリは、最終的に大黒鳥の首の側面にぶつかった。顔から大黒鳥の黒く硬い羽毛で被われた首に突っ込んだ。幸い、勢いは首元の大回転で大幅に減じられていてHPが少し減るに留まった。首の側面にぶつかったユリは当然重力に従ってずり落ちそうになるが、ユリは反射的に落ちてたまるかと大黒鳥の首に腕と足を回して落ちるのを防いだ。


 そうすると、ユリは大黒鳥の首元に跨るように座るような体勢になっていた。


「し、死ぬかと思った」


 偶然とは言え、かなりいいポジジョンを取ることに成功したユリだったが、当人は無事であったことをただただ安堵していた。


 しかし、安心するのはまだ早かった。


「オーアッ! オーアッ! 」


 ユリが首元に乗ったことで大黒鳥は振り落とそうとバタバタと翼をはためかせて振り落とそうと暴れ始めた。


「うわぁ!? うおおおっ! 」


 ユリは振り落とされまいと足に力を入れて踏ん張り、大黒鳥の首に何重にも巻き付いている紐を掴んで握りしめる。


 そうして耐えていると、大黒鳥が首を捻って嘴でユリをつついてきた。振り落とされないようにするので精一杯のユリにその突っつきを避けれるはずもなく、ユリは頭や肩を鋭い嘴の先でつつかれてHPが1割ほど減少する。


「あだっ!? いたっ! こんの……! 大人しくしろ! 」


 ユリは、大黒鳥を黙らせる為に大黒鳥の首に肘鉄を入れる。しかし、何の強化もかかっていない肘鉄では、大黒鳥のHPを僅かに減らすことしかできなかった。それどころか大黒鳥を怒らせて、より一層ユリを振り落とそうと大黒鳥は暴れ出し、しまいには石柱から飛んで空を羽ばたき始めた。


「おわぁぁああああああ!! 」


 ユリの絶叫が空に響き渡る。





「おーいユリ! 大丈夫かー! 」


「これが、大丈夫そうに、見えるかっ! 」


 地上から我に返ったタクから呼びかけるが、ユリは言い返すので精一杯だった。





「こりゃ、本当にまずいな」


 空の上で急上昇したり急降下したり、急旋回や宙返りをする大黒鳥の首に必死にしがみついているユリを地上から見上げるタクは、そう呟く。


「どうにかして降りてきてもらわないと手の出しようがないぞ」


 この中で魔法を覚えている者はおらず、【投擲】を持っているのもユリだけだった。


「参ったな」


 面倒なことになったとタクは頭に手をあてた。と、その隣でランが「あっ! 」と声を上げてあらぬ方向を指差した。


「タク兄! あれ! クオッチの群れがまた来てるよ! 」


「なにっ!? 」


 ランに言われてタクがその指差した方向を見ると、確かにクオッチの群れがいた。いつの間に現れたのかと思うくらいにクオッチ達はすぐそこまで来ていた。


「あちゃー。あいつ、仲間を呼びやがったか」


「タク兄、どうする? 」


「迎え撃つしかないだろ。ユリを見捨てることはできないしな。つーか、そんなことしたら俺が姉ちゃんに殺される」


「あはっ、そうでなくっちゃ! 」


 幸いなことと言えばクオッチの群れの規模は、前の半分くらいの群れということだろう。それでも数が多いことには変わりないが。

  


「ユリ! しばらくボスの相手はお前に任せる! 俺たちがクオッチの群れを排除するまで振り落とされんなよ! 」


「無茶言うなー! 」


「なんだ。まだ元気そうじゃないか」


 ユリの悲鳴を聞いてそんな感想を抱いたタクは、向かってくるクオッチの群れに対して剣を構えるのだった。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




 タクに大黒鳥を任された(見捨てられた)ユリは、大黒鳥の首の上でジェットコースターに乗っているかのような体験をさせられていた。いや、ストッパーや座席などという優しさが無く、予測が出来ない分、こちらの方が遥かに恐ろしかった。


 以前に湖で血鮫を相手に似たような体験をしていなければ、ユリは早々に振り落とされて地上に落ちていたことだろう。


 しかし、だからといって余裕があるわけではなかった。


(どうする……! タク達は当てには出来ないし、このままだといつかこいつに振り落とされる)


 何か打開策は無いかとユリは、停止しそうな思考を回転させて考える。


(こいつを大人しくさせる方法はなにかないか……? せめて、こいつを地上に降ろさせる方法は……! )


 ユリは大黒鳥にしがみつきながら空いた指でメインメニューを開いてアイテムボックスの一覧に目を通す。


 【発見】で反応のあったアイテムを手あたり次第に採取しているユリのアイテムボックスは、大量のアイテムが眠っているが未鑑定品が多く、整理がされていないこともあって混沌としていた。


「あーもうっ、少しは整理くらいしとけよ俺! 」


 アイテムの採取ばかりに夢中になってその整理を怠っていた自分にユリは悪態をつく。混沌としたアイテムボックスから現状打破するものをユリは見つけることが出来なかった。

 

「オアアッ! 」


「くぅっ!? お前は、少しくらい、大人しく、しとけよっ」


 ユリがそうしている間も大黒鳥は急降下からの身を捻っての錐もみ回転で、ユリを振り落とそうとしてくる。


 それに耐えながら次にユリが開いたのはスキル欄だった。アイテムでなければ、アーツに何かないかとユリは目を通す。スキルレベルの上昇に伴っていくつかのスキルに新たなアーツが追加されていた。



 しかし、ユリのスキル構成の大半は手技、足技であり、大黒鳥にしがみついていて手足が封じられている今、大半のアーツは使えなかった。


「だああくそっ! やっぱり魔法の一つでも覚えておくんだった! 」


 ユリはそう叫んで、はたと気づく。


「そうかっ! 魔法を取得すればいいじゃん! 」


 ユリはすぐにスキル取得欄を開く。そして、魔法スキルの一覧が乗った項目を開いて問題に気づく。


「あ、SPが足りない」


 ついさっき【剛拳】を取得した為にユリの残りSPは、6ポイントしか残っていなかった。そして、どの魔法も一律10ポイントだった。どの魔法スキルも取得ができないことを示す灰色に染まっていた。


 見えたと思った希望の光が潰えたようにユリは感じた。



(……いや、まだある。おすすめにならSPが足りるスキルがあるかもしれない)


 そんな思いで、ユリはおすすめスキルの項目を開いた。


 その考えは正しかったようで、おすすめスキルに表示されているスキルの半分ほどは取得可能な白色で表示されていた。


その中にあった一つのスキルにユリは目をつけた。


「これだ! 」


 そう声をあげたユリは迷わずそのスキルを取得した。そして、スキル欄で取得したスキルをセットした。その瞬間、そのスキルは有効化され、その効果はすぐに発揮された。



「おっ、少し楽になった? 」


 必死で大黒鳥の首にしがみついていたユリの顔に少し余裕が生まれた。



 そう。ユリが取得したのは【騎乗】だった。




 大黒鳥の首に跨っている状態を騎乗しているとシステムが判断して、ユリは【騎乗】の恩恵(アシスト)を受けれるようになった。

 ただ必死に力を入れていただけだった足から適度に力が抜ける。それでいて内股には力を入れて大黒鳥の首をしっかり挟んで跨る。ガチガチに固まっていた体は適度に解れて、大黒鳥の首にぴったりと吸い付くようにしがみつく。


 そうなったことでただ力のみで耐えるのではない騎乗が出来るようになり、ユリの思考に余裕が生まれた。


 体が勝手に最適に近い動きを取ることに違和感を覚えつつもユリはその感覚を覚えて、大黒鳥の急上昇や急旋回に合わせて振り降ろされそうになる力にただ耐えるのではなくその力を受け流すように体を動かせるようになった。


(いける……! これならいけるぞ! )


 希望が見えてきたユリの顔には、笑みが浮かんでいた。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「ひゃっほー! 」


 タクとランの2人が群がってくる無数のクオッチの群れを相手していると、上空からユリの声が聞こえてきた。さっきまで上がっていた悲鳴とは違って何だか楽しそうな声だった。


「はっ、あいつついに壊れちまったか……! 」


「もうっ! そんな不吉なこと言わないでよタク兄っ! 」


 タクの軽口にランが不謹慎だとばかりに頬を膨らませて、大剣を一閃してクオッチをまとめて何体も斬り捨てる。


「何だってあいつはあんな馬鹿なことをするかねっ! 《盾打(シールドバッシュ)》!」


「お姉ちゃんなんだから仕方ないじゃん! 《チャージング》! はあっ! 」


「そりゃそうか。なら、さっさとこの群れ蹴散らして助けてやんねぇとな! 《乱れ斬り》! 」


「そうだね! 《剣舞『旋風(ツムジカゼ)』》! 」



 2人は喋り合いながらクオッチ達に盾を振るい、剣で切り裂いていく。クオッチ達は順調に数を減らしていった。



 そうして、さらに10分程かかってタクとランはクオッチの群れを撃退した。


「クオーアッ! 」「クオーアッ! 」


 最初と比べれば十分の一以下になったクオッチの群れが盛んに鳴きながら広場から逃げ去って行った。


「おっ、逃げるのか。思考ルーチンがフィールドのクオッチとは違うのか? 」


「タク兄、そんなことよりあの大っきい鳥さんを早く倒そう」


「ああ、そうだな。――おーい! ユリ、こっちは済んだけど、そっちはどうだー! 」



 ランに促されてタクは、上空を未だに飛んでいる大黒鳥の首に跨ったユリへと呼びかける。


「どうにもならーん! 」


 すると、しばらくしてユリから返答があった。その声はさっき聞いた時よりも余裕のあるようだった。



「あいつよくあれで振り落とされないな」


 宙返りの後に錐もみ回転する大黒鳥を見てタクは呆れた顔をする。


「お姉ちゃん、前に熊に飛び乗って首を絞めてたりしてたから案外慣れてるのかもね」


「どこを目指してるんだあいつは……。で、どうするランちゃん。何かいいアイディアはある? 」


「うん、あるよ! 私に任せて! 」


「おっ、本当か? どうするんだ? 」


「うん、大剣を投げて叩き落すの! 」


「そんなんで落ちるか? 」


「落ちるまで投げる! 投げる剣なら結構持ってるよ! 」


「うーん、他に手はないしなぁ。よし、それでいこう」


 大黒鳥が落ちるということはユリも落ちることになるのだが、ユリならうまいこと着地するだろうという楽観的な考えでタクはランのアイディアを採用した。


「《コール『鋼鉄の大剣』》! 《パワーアップ》! 」


 ランはタクのゴーサインが出ると持っていた大剣を地面に突き刺して、アイテムボックスから別の大剣を呼び出して両手で握り、それを大上段に振りかぶる。


「えいやぁ! 」


 そんな可愛らしいかけ声で投げられた大剣は、まるで円盤に見えるくらいに高速で縦回転しながら空を切り裂きながら飛翔し、大黒鳥の近くを通り過ぎた。


 これに驚いたのか大黒鳥の羽ばたきが乱れてガクンとその高度を落とした。


「あー、惜しい! 《コール『鋼鉄の大剣』》! えいやぁ! 」







 このランの攻撃に一番肝を冷やしたのは、大黒鳥ではなくユリだった。


「おわぁ!? あの馬鹿、何考えてるんだ! こっちには俺もいるんだぞ! 」


 次々と恐ろしい風切り音をあげて飛んでくる大剣にユリは悲鳴を上げる。大黒鳥が飛んでくる大剣に驚いて先程から動きが乱れていてユリは、その度に大黒鳥の首にしがみつく羽目になった。しかし、先程までと違って大黒鳥は、ランが投げる大剣を避けるのに必死でユリに構っていられないので気を付けていれば振り落とされる心配はなかった。


 最初の一投目こそ驚いた大黒鳥だったが、大剣の届かない高さまで高度を上げれば安全だと気付いたのか、高度を上げ始める。



「よし、そのまま大剣が届かない場所まで逃げるんだっ」


 何故か敵である大黒鳥に声援を出すユリ。よっぽど、大剣が恐ろしかったのだろうか。


 しかし、大黒鳥からしたらユリも煩わしい敵である。


 大剣の届かない高さまで上昇した大黒鳥は、首を捻って顔をユリの方に向けてきた。そして、ユリの顔を目掛けて鋭い嘴を突き出した。


「おわっ、またそれかっ! 」


 【騎乗】を取得したことで前よりも余裕のあったユリは体を仰け反ってそれを躱す。


「ォアッ! ォアッ! 」


 いい加減落ちてしまえとばかりに大黒鳥はここにきて何度もユリに鋭い嘴を突きつける。それをユリは何度も首や体を捻って躱す。



「ああ、もうしつけぇ! 鬱陶しいんだよお前! 《鉄の爪(アイアンクロウ)》! 」


 苛立ったユリは、首に巻き付いた紐から離した左手にオレンジ色の光を纏わせて大黒鳥の顔面を掴んだ。


「クオッ!? 」


 驚いてユリの左手を振り払おうとした大黒鳥の嘴をユリの右手が下から掴み、ユリは両手で大黒鳥の顔を動かせないように挟みこんだ。



 当然そんなことをすれば大黒鳥は飛んでいるどころではない。あっという間に動きが乱れて真っ逆さまに落ち始めた。



「お姉ちゃん! 」


「あの馬鹿、一緒に死ぬ気か! 」



 地上の2人から声があがった。





 広場に真っ逆さまに落ちていった大黒鳥とユリは、そのまま頭から広場の石畳に叩きつけられた。その衝撃でユリは大黒鳥から弾かれたように石畳の上の投げされた。


 タクとランの視界に映っていた大黒鳥のHPとユリのHPがこれまでにないくらいに勢いよく減少した。


「お兄ちゃん! 」


「大丈夫か!? 」


 2人は血相を変えて落下した場所へと向かった。




「は、はは……死ぬかと思った」


 石畳の上をごろごろと転がったユリのHPはレッドライン(残りHP一割未満)に入っていたが辛うじて生きていた。


「よかったぁ……生きてた! 」


「心配させやがって全く」


 タクは首の皮一枚繋がったと安堵のため息を吐きながら、ユリに中級ポーションを投げてHPを回復させた。




「オアァァ……」


「ん? ああ、あっちも生きてたのか」


 大黒鳥のか細い鳴き声を聞いてタクは、そちらへと目を向ける。落下ダメージはユリよりも大きかったのか大黒鳥の半分残っていたHPは、今や風前の灯だった。さらに頭から落ちたからなのか、状態異常のスタンにかかっていた。



「ユリ、折角だからお前が止めを刺すか? 」


「俺が? いいのか? 」


 プルプルと頭を振りながら立ち上がったユリが、タクの申し出にきょとんとした顔をする。


「私は別にいいよ」


「俺も誰が止めを刺すなんかどっちでもいいからな。やるなら早くしろよ。スタンが解けちまう」


「あ、ああ。ありがとう。じゃあ、俺がする」



 ユリはタク達に礼を言って、広場に倒れ伏した大黒鳥の前に立った。大黒鳥の青い目と目が合う。



「オアァ……! 」


 ユリを目の前にして身動きの取れない大黒鳥が精一杯の鳴き声を上げる。


「お前との飛行、なかなか楽しかったぞ。ナイスフライト」 


 ユリは、大黒鳥にそう声をかけて大黒鳥に対して握りしめた右手を振り降ろした――



『モンスター「ジャイアントクオッチ」の条件が満たされました。テイムしますか?Y/N 』


――ところで、ユリの目の前に突然仮想ウィンドウが開かれた。


「なにっ!? 」


 予想もしなかった仮想ウィンドウの内容にユリは、大黒鳥の眼前で拳を止めて固まった。



 それを不審に思ったのはタク達だった。ユリの目の前に開かれた仮想ウィンドウが見えていないタク達は、攻撃するのを止めたユリに疑問を覚える


「どうしたユリ、何かあったか? 」


「止めが刺せないなら私がやろっか? 」



「いや、なんていうか……こいつ、テイムできるようになったらしい」


「「は? 」」




 ユリが言ったことに2人が理解するにしばしの時間が必要だった。逆にユリは、2人が呆けた顔を見て冷静になる。


「お前、仲間になりたいのか? 」


「オァァ」


 ユリの問いかけに大黒鳥は、そうだとばかりに一声鳴いた。


「じゃあ、また乗せてくれよ」


 その声で決心のついたユリは、画面のYESを押した。



『「ジャイアントクオッチ」のテイムに成功しました!名前を付けてください』


 テイムが成功したと同時に大黒鳥の身から黒い光の粒子が立ち昇り始める。それと共にその巨体が萎み始め5メートルはあった体が3メートルほどにまで縮み、HPバーもそれに伴ってその長さを短くしながらレッドラインにまで到達していたHPはイエローライン(3割前後)にまで僅かばかり回復する。



 その変化にユリは驚きつつも、新たに仲間になった大黒鳥の名前を考える。


「そうだな……お前は黒くて大きいから、レイヴンなんてどうだ」


「オーアッ! 」


 いいね! とばかりに大黒鳥が元気よく鳴いた。


「よし、じゃあ決まりだ! お前の名は今日からレイヴンだ! 」


 ユリは、『Raven』と文字を打って決定した。


「よろしくなレイヴン! 」


「オーアッ! 」



 こうしてユリは、二体目となるテイムモンスターを新たに仲間にした。




「待て待て待てっ! エリアボスをテイムできるなんて聞いたことないぞ! なにやらかしたお前! 」


「そうだよお兄ちゃん! すごいよ! 」


 やっと再起動した2人は非常識な光景を目の前で繰り広げたユリに事情を聴くべく詰め寄るのだった。




クリった。



【騎乗】

 モンスターに騎乗するスキル。一般的には馬などに乗る際にあると便利な補助スキル。スキルのアシストによって適切な体勢を取ってくれる。なお、スキルレベルが低いとその恩恵は低い。


 ユリは強引にでも騎乗している状態から取得したので、多少の恩恵でも十分な効果が出た。また、エリアボスに騎乗、飛行、振り落としにくるアクロバット飛行という相乗効果によって騎乗スキルは、短時間でレベルアップを重ねて、アシスト効果が高まり、ユリに余裕が出るという循環が起きてました。


 今回の20分少々のフライトでユリの【騎乗】スキルは、レベル12まで上がりました。


鉄の爪(アイアンクロウ)

【剛拳】で覚えるアーツ。 

 相手の体を掴んで締め上げる掴み技。力に比例して強く食い込み離さない。

 僅かながらダメージが発生するがそれ以上の痛みを対象に与える。その為、対象の自身に対するヘイトを上げる。

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