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【俺氏】聖女紋が発現して、王子の花嫁候補になった件【男なのに】  作者: 浦田 緋色 (ウラタ ヒイロ)
二章

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考察厨

その未来に、別の意味でリコは絶句してしまった。

未来は変わっていた。


悪い方向に変わっていた。


もしかしたら、もっと悪い方向に変わってしまったのかもしれない。


なにがどうしてそうなるのかはわからない。


「なんで、どうして……?」


未来のリコの口から、そんな言葉が漏れる。

視線の先には、燃える街並み。

王都だ。

そして、逃げ惑う人々がいた。

その中でただ一人、逃げ惑うこともなく佇む人物がいる。

考察厨だ。

未来のリコの記憶が、今のリコへ流れ込んでくる。

リコはこうなってしまった経緯を理解した。

理解して、しまった。


考察厨が、魔族側についたのだ。

リン達を裏切ったのだ。

そして、この光景を作り上げた。


風がリコの横をすり抜けた。

しかし、それは風ではなかった。


剣を手にした、エストだった。


何が起こるのか、わかった。

リコは止めようと動く。

でも、間に合わない。

なにもかもが、間に合わない。


剣が閃く。

そして、考察厨の首は刎ねられた。


本当に驚いた時、人間は声が出ないのだと。

この時、リコは改めて思い知った。


そして、リコは現代へ戻ってきた。


『お、どうだった?

未来、変わってたかー?』


目の前には、映像で繋がったままの考察厨がいる。

リコの視界が歪む。

ボロボロと大粒の涙が流れる。


『え、おいおい、どした??

またリンが死んだんか??』


「ちが、そうじゃ、なくて」


『とりあえず深呼吸しろ』


言われた通りにする。


『落ち着いたか??』


こくり、とリコは頷いた。

それを確認して、考察厨は続ける。


『それで、どんな未来が見えたんだ??』


リコは言葉につまる。

上手く説明できない。

要領を得ないので、考察厨は聞き方を変えた。


『じゃあ、俺の質問にハイなら頷く。

イイエなら首を横に振ってくれ。

それならできるか?』


リコは頷いた。


『それじゃ、最初の質問だ。

誰か死んだのか??』


こくり。


『それはリンか?』


ブンブンと首がよこに振られる。


『お前の知ってるやつか??』


こくり。


そんな調子で質問を繰り返し、やがて考察厨はそれが自分だと知った。

そして、エストに殺されたことも知った。

その反応が、


『マジかー、受ける』


と、ケラケラ笑った。


『スレ立てしてみるか??

面白がるぞー、スレ民は』


「おもしろくない!!」


そこでリコは声を荒らげた。


『いや、面白いだろ』


「自分が死ぬのがそんなにおもしろいの?!」


『不意打ちの事故よりマシだろ。

なにしろ、一回死んでるしなー、俺』


ケラケラと笑う。


『でもなー、なんで俺が族長さんに殺されるんだ??

セクハラでもしたんか??』


「それ、は」


『なるほど、リコの反応的に全くの別件で事件でも起こしたとかかね??』


「なんでわかるんですか!!」


『あ、まじ??

当てずっぽうだったのに大当たりーってか。

で、俺どんな悪いことしたん??

今度は俺がリンを殺したとかか??』


「言っていい冗談もわからないんですか?」


『なるほど、リンを殺したわけじゃないのか』


「だから、なんでわかるんですか!」


『あはは、リコは頭良くてもやっぱり子供だなぁ。

んー、経験の差かなぁ。

これでもいろいろ見てきたし?


リコの反応はわかりやすいしさ』


そんなやり取りをしたからか、リコは話しやすくなっていた。

だから、なにを見たのかそのまま説明する。


『マジかー。

テロリストじゃん、俺。

えー、まじ、なんで裏切ったんだろ??

無能、は今更だしなぁ』


未来のリコも、考察厨が何故裏切ったのかまではわからなかった。

未来のリコの記憶では、気づいた時には考察厨は魔族側についていて。

なにもかもが手遅れとなっていたのだ。


『つーか、リン達はどうしてたんだ??

リン達はその場にいなかったんか??』


言われてみれば、居なかったようにおもう。

それを伝える。


『そうか。

現状、なにもわからんなぁ。

つーか、無能の俺がテロリストなんてできるわけないんだよなぁ。

そんな街ひとつ燃やすなんて芸当できるわけないんだよ。

そういうのはもっと頭がよくて仕事熱心な奴がやる仕事なんだよ。

ま、とりあえず王子様には報告しとけ。

なんなら、俺を軟禁しておくように言うのもアリだな』


「は?」


この人はなにを言ってるのだろう。


『軟禁されれば監視がつく。

そうなれば裏切ろうとしたらすぐわかるだろ』


というか、なんでこんなにこの人は……。


「楽しそうですね」


『そうか??』


声が弾んでいる。

たぶん、無自覚なのだろう。

もしかしたら、今まで気づかなかっただけで、考察厨は頭のネジが外れまくっているのかもしれない。

そしてそのことに、本人はきっと無自覚なのだ。



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― 新着の感想 ―
能力的に絶対考察厨単独ではできない事成し遂げたなら、黒幕か少なくとも共犯者がいるってことだからな。 いっそ「考察厨だと思われてるのが偽物」だと仮定すると、その前の予知夢も姉弟で殺しあってたんじゃなくて…
まあ、本当に魔法無しスキル無しの無能な男にとって、こうして世界を動かす少年少女と関われるとか面白くない訳が無いんよなぁ。望外の娯楽だろう。 考察中毒(あれ?この場合の「厨」って意味合ってる?)と呼ば…
考えるのが好きなんだから自分が寝返ったらどう動くのかも考えるのは楽しいだろうね
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