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【俺氏】聖女紋が発現して、王子の花嫁候補になった件【男なのに】  作者: 浦田 緋色 (ウラタ ヒイロ)
二章

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夢をみた、たぶん、他人の夢、記憶、そんな夢をみた

リンは夢を見ていた。

たまにあるのだ、夢を夢だと気づくことが。

なぜ、こんな夢を見るのかわからない。


どこかの村だ。

そこで仲睦まじく暮らす、二人の少年と少女。

少女は、【綺麗なお姉さん】を幼くした感じだ。

だいたい、12~13歳くらいだろうか。

少年もそれくらいだ。

ただ、こちらはつい最近知り合ったグウェンに似ていた。


そんな二人の、なんてことない、平々凡々なある意味退屈で平和な日々が過ぎていく。

ある日、少女がお腹に手を当て嬉しそうに少年へそのことを話す。

少年は驚いて、でも次には嬉しそうに少女を抱きしめる。


場面が変わる。

結婚式の場面だ。

村人たちに祝福され、神に愛を近い、口付けを交わす。

そんな幸せな場面だ。

2人とも照れながら、でも幸せそうに笑っていた。


でも、幸せはドス黒い紅に塗りつぶされた。

魔王軍が村に攻め入ってきたのだ。

よりにもよって、二人の結婚式の日に。

殺戮が行われた。

夫婦となった二人は逃げ惑った。

なんの力もない二人には、逃げることしかできなかった。

やがて、夫となった少年は妻となった少女と、彼女に宿る新しい命をまもるために散ってしまった。

少女はなにもかもを諦めようとしていた。

そんな時だ。

二人とそう歳の変わらない少年が現れて、魔王軍を討伐してしまったのだ。


彼が後の勇者として、歴史に残り語り継がれる少年であった。

まだ、勇者紋を神から授かる前である。


また場面が変わる。

今度は、どこかの診療所だ。

そのベッドの上で、少女は呆然としていた。


宿っていた命が流れてしまったのだ。

仕方ないだろう。

あれだけの事を経験して、体力的にも精神的にも負荷がかかり過ぎたのだ。

そこから、しばらく少女は泣いて暮らすこととなった。

生存者は彼女だけだった。


(……俺はなにを見せられてるんだろう)


まったく意味不明だ。

しかし、夢から覚める兆しはない。

もうしばらく、この夢を見続けなければならないのだろう。

なんとなく、そんな気がした。


【追記】

前話で迷探偵が調べた資料は、一部事実と異なる記載があります。

記載者のミスだったのか、あえて異なった記載にしたのかは不明です。

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― 新着の感想 ―
グっちゃんは良い幼馴染→→→なんでか初代聖女に固執する変態、いえ厄介な魔人?になっちゃったのでしょうか? 幼馴染の男の子=聖女のお相手にはそこまでこだわってないのが、またなんか怖い((((;゜Д゜))…
グウェンはグウェンダルの未練が悪霊化でもしたんか?
ん…? 夫で、子どもも宿ってて、庇って散った…?? あれ? これがグウェン、なのか?? その後に勇者になる少年と出会う…。この少年は流石に初代勇者だよな…。ってことは、多分この少女が初代聖女のはず……
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