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【俺氏】聖女紋が発現して、王子の花嫁候補になった件【男なのに】  作者: 浦田 緋色 (ウラタ ヒイロ)
二章

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45/62

フワッとしてた初代聖女の晩年と最期

※※※



214:考察厨

リン、いるかー??


215:考察厨

あ、本名だしちゃった

まぁ、いっか


216:リン

コテハン変えた

なに??


217:考察厨

ちょい聞きたいことあるんだけど

つーか、確認

お前さ、【声】は聞いてないんだよな?

【怪人】との接触もなかったんだよな??


218:リン

無かったよ

今朝のミーティングの時も言ったじゃん


219:考察厨

だよなぁ

なぁ、ちなみに、お前さ幽霊と生きてる人間の区別、つくか??


220:名無しの異種族

何だ何だ??


221:名無しの異種族

死者と生者の区別

あー、見える人って区別つかないことあるんだっけ


222:リン

一応、つくよ


223:考察厨

一応??


224:リン

その辺は母さんの方が見分けついてたけど


225:名無しの異種族

母親?


226:名無しの異種族

そういや、スレ主って限界集落出身なんだっけ?

なんかで見た


227:名無しの異種族

父親か母親、どっちかが初代聖女の血縁なんだろうけど

そういや、どっちなんだ??


228:リン

母親のほう、つーか村の人ほぼ全員初代聖女と血が繋がってるよ

だって、村の人みんな親戚だし

それに、村の女の人達はほぼほぼ何か見えてるよ

あ、綺麗なお姉さんは見えてなかったけど

低級霊くらいなら見えてた


229:名無しの異種族

田舎あるある

血縁関係同士で結婚


230:リン

うちが一応本家なんだけど

そういうの今はあんまり気にしてないかなぁ


231:考察厨

一応、ってことは

リンは見分けられないことがあるのか??


232:リン

うん

透けてなかったり、普通に会話したりできるから

最初気づけないってことはわりとある、かなぁ


233:名無しの異種族

興味本位で聞くんだけど

どういう時に気づくんだ??


234:リン

鏡に映ってなかったり

他の人に見えてなかったり

そういうので気づく

でも、人混みのなかだと気づきにくい

パッと見わからない


235:名無しの異種族

あ、人混みのなかに霊がいても気づけないってのはわかる気がする


236:リン

最初から気づく場合は、死の直前に怪我したりして

血まみれになってたりする場合

下半身や上半身、それこそ首がないのとかはすぐにわかる


237:名無しの異種族

>>236

それで仮装かな、とかすっとぼけた方向に思考がいくようなら

それはそれでおかしいと思う


238:名無しの異種族

しかし、考察厨よ

なんでそんなこと聞くんだ?


239:考察厨

いちいち説明するのダルいから

端的にいうと、リンは調査中にどっかで今回の件の犯人と接触してるかもしれないからだ


240:名無しの異種族

ふむふむ


241:名無しの異種族

でも、気づくんじゃない?


242:考察厨

俺もそう思った

でも、もしも、気づけないくらいにその存在が違和感のないモノだったら?


243:リン

あ、無理

俺は気づけない

でもさー、それならどっかで加害されるんじゃね?

声もきいてない、不審者との接触もない

そして加害もない、だから

たぶん俺はターゲットになってないだろ、これ


244:考察厨

わからんぞ


245:リン

なんで?


246:考察厨

それは、お前が初代聖女の直系だから

で、一部じゃ初代聖女の再来とまで言われてるほどには、能力を受け継いでるから


247:名無しの異種族

直系?


248:名無しの異種族

関係あるか?


249:考察厨

行方不明となった生徒な、悪いとは思ったんだが

別ルートでちと調べてみた

何度か王族と家系がまじわってる

非公式だがな、つまり、表向きは傍系、でも蓋を開けてみたら王族の血が定期的に入ってた


250:名無しの異種族

なるほど


251:考察厨

で、薔薇ジャムさんと聖女A

この子らも、王族に血が近い


252:名無しの異種族

そうなのか


253:考察厨

つまり、あえてこう書くが

怪異、あるいは怪人は、初代聖女に近い血の人間をさらってる可能性がある

なんでそれをしてるのかはイマイチわからんが


254:名無しの異種族

怪異に合理性や理屈、理由を求めちゃダメよ

だいたいは理由なんて無いんだから


255:考察厨

それでも、だ

リンが狙われない理由が無いんだよ

リンは、現代でおそらくもっとも能力的にも、血の繋がり的にも初代聖女に近い存在だからな


256:迷探偵

なんかさ、スレ主の話聞いて思ったんだけど

スレ主の故郷の、限界集落って

なんていうか、【隠れ里】っぽいんだよなぁ


257:迷探偵

代々、紋章持ちこそ現れなかったけど

でも、初代聖女の血はある程度の濃さを保ちながら受け継がれてきたわけだろ?

で、村人同士、つまりは親戚同士での婚姻もそこそこあったわけだ

まるで、初代聖女の血統を守ってきたように見える

まあ、ただの印象だけど


258:リン

狙ってくれた方が話が早くて助かるんだけどなぁ

そいつ殴って、拉致られた人達助けられるから


259:名無しの異種族

男の聖女ってもしや、脳筋か?


260:名無しの異種族

>>259

魔族の王都襲撃時、誰が退けたか知らんのか


261:迷探偵

そういや、初代聖女の晩年とか最期ってわかってないんだよな

端的に言うと記録がみつかってない


262:考察厨

>>261

あれ?

そうだったっけか?


263:迷探偵

いま知られてる晩年は、勇者と仲睦まじく暮らしましたって感じで

最期は、やっぱり勇者に看取られつつ天に召されたってやつだろ?

あれ、後世の創作だぞ

そっちが有名になってて、本当のところはどうだったのかわかってない


264:名無しの異種族

へー、そうなんだ


265:考察厨

今回の件に初代聖女もなんらかの関わりがあるんだろうが

どう関わってるのかはわからん

ただ、怪人は初代聖女の血が濃いヤツをさらってるのは事実だ


266:迷探偵

少し時間もらえるなら、調べてみようか?

マイナーな文献くらいならあたれるし


267:考察厨

>>266

頼む

それと、リン

妙なヤツや声と接触したら、すぐに報告しろよ


268:リン

了解(`・ω・)ゞ


※※※


同じ頃。

たった1人、ダンジョン内のよくわからない場所に飛ばされた青年がいた。

リンの守護騎士のタクトである。

彼は掲示板という存在こそ知ってはいたが、触れたことはなかった。

そのためスレにも繋がれず、ただただ闇雲にダンジョン内を彷徨いていた。

そうして、とある部屋へたどり着く。


罠がないかなど確認して、タクトはその部屋へ入った。


「これは、魔道人形??」


文字通り、魔力で動かすことが出来る人形だ。

しかし、彼の知っているそれは祭りやイベントなどで見る、小型犬くらいの大きさのものだ。

ダンスなどをして人々を楽しませるものである。

その部屋にある魔道人形は、人の等身サイズであった。

それらが乱雑に積まれ、山となっている。

人形の墓場かゴミ捨て場のようだ。


人形には頭がついていた。

女性をモデルにしているらしい。


(どこかで見たことがあるような……?)


すぐにモデルとなった女性がわかった。


「初代聖女のメリア様か??」


メリアの肖像画を思い出したのである。

人形の顔は、彼女にそっくりであった。

もしも、ここにリンがいたなら、綺麗なお姉さんの正体を知ったことだろう。


「なんなんだ、ここ?」


いわゆる普通のダンジョンではないことは確かだ。

こんな場所がダンジョン内にあるなど聞いたことがない。

タクトは部屋を出る。

それからまたあちこち探索し、上りの階段を見つけた。

下りは無かった。

とりあえず、移動するしかないだろうと考え彼は階段をのぼった。


ほどなくして次の階層へたどりつく。

またあちこち歩き回る。

そうしていると、とある扉とぶちあたった。

またなにかの部屋だろう、そう考え中に入る。

するとそこには、見覚えのあり過ぎる場所へ出た。

王立学園の敷地であった。

しかし、誰もいない。


人の気配がしない。

と、思いきや。


「チクショー!!

こちとら無能だぞ!!

弱いものイジメ反対!!」


という、考察厨の声が聞こえてきた。

その声の方へ走る。

すると向こうから、考察厨が走ってくるのが見えた。

なにかに追われているらしい。

考察厨がタクトへ気づく。

タクトは考察厨とすれ違いざまに剣を抜く。

そして、考察厨を追いかけてきていたものを視認すると、剣を一閃させた。


考察厨を追いかけてきていたものが、真っ二つにされる。

それは顔のない魔道人形だった。

しかし、魔法を使えるよう術式を仕込まれている。

兵器としてこのような使い方を大昔は研究していたらしいが、今では廃れている。


「たすかったー、ありがとな」


考察厨が礼を言う。


「いえ。

あの、リンさんは?」


「あー、別々に飛ばされたっぽいな。

でも無事だぞ」


「なんでわかるんですか?」


「一瞬だけ連絡取れたから」


掲示板のことは極力黙っている方針のため、考察厨はそう言うだけにしておいた。

それから、二人は情報を共有した。


「魔道人形?

聖女メリアにそっくりな??」


「えぇ。

そちらは、クリスタル漬けの生徒を見つけた、と」


「あぁ、生徒だけじゃなく、リリス嬢たちも見つけた。

見つけた途端に、さっきのアレに襲われたんだ。

こっちだ」


考察厨に案内された場所まで来る。

そこには一人一人、丁寧にクリスタルに入れられた、派遣された聖女紋持ちたちが並べられていた。


「聖女紋持ちのコレクションってところだな」


ブラックジョークだが、笑えない。


「なんなんでしょう、ここ?」


「聖女紋持ち専門コレクターの巣ってとこじゃないか?」


そうとしか見えなかった。


「では、リンさんは」


「あー、たぶん大丈夫。

アイツは強いからなぁ。

魔族を尊厳破壊させたくらいだ」


「………」


「まぁ、守護騎士としては心配だろうな。

とりあえず、上の階層へ向かおう。

連絡できた一瞬で、それだけは決めたんだ」


クリスタル漬けの者たちを全員連れ帰りたいが、今は無理だ。

それは合流してから話し合った方がいいだろう。

そもそも自分達だってここから出られる保証は、いまのところ皆無なのだから。

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― 新着の感想 ―
防犯装置かな? ザクロの人、この流れだと人間としては生きてないよねぇ……
ここでリンが『霊と生きてる人との違いがわかりづらい』っていう事実が、響いてくるのか〜。 グゥエン氏の差し入れを取り上げられないよう鞄にナイナイしたのが悪手でしたねぇ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ …
うわぁい、グウェンさん、初代聖女を「創ろう」としてるマッドサイエンティストじゃないっすかぁ、やだ~。 ん? この場合、魔道エンジニア? どのみちアウト~。 単なる能力の強さで突破できるならいいが…。…
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