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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
68/99

New changes ―新しい変化―

「私が引っ張ってあげる!」

「チェッカーまではご遠慮申し上げるわ」

 ヴァイオレットガールとレインボー・アイリーンも軽い牽制と冗談を交える。ふたりはチームは別なので、なおさら遠慮をする必要はない。

 カール・カイサもスタッフをあれこれ話をして、いつでも来いと予選を待つのみ。

 場内放送が流れる。まもなく予選が始まるので、プレイヤーの皆様はスタンバイしてください、と。

 雑話の声が小さく響き合っていたアリーナ内が、にわかに静かになる。全員シムリグに身を預け、ヘッドセットをし、ハンドルを握り、ディスプレイを見据える。

 スタッフはスタッフ用の専用スペースに退避する。

 チームごとに長机と椅子が用意され、スタッフは長机にノートPCを置き、そのディスプレイでライブ配信を観ながら、シムリグのプレイヤーと無線で交信する。

 試合中、急な体調不良および生理現象など正当な理由なくスペースから出ると、ペナルティーを受ける。

 ライブ配信も開始される。この配信では、リプレイのコースサイド視点、リアルレースのテレビ観戦と同じ視点で放送される。

 ディオゲネスの市街地コースはゲームの中だけの架空のものだが、CGがリアルに描写され、ぱっと見実写と見紛うばかりだ。

 青空が広がる。雲が様々な姿かたちを取って悠々と空を泳ぐ。観客席では観客がひしめき合い、もろ手を挙げてもう盛り上がっている。

 メインストレートと議事堂の間にピットスペースが設けられテントが張られ、各チームそこにてスタンバイしている。

「あ、ライブ配信始まったよ!」

 コスプレコンビはディスプレイを見据える様をライブ配信する。チャットも盛り上がってくる。

 まず放送席で、距離を置いて座る司会者と解説者が、映し出されて。Forza E World GPの開幕を告げる。

 それから画面が切り替わり、25台のシムリグが並ぶアリーナが映し出される。シムリグには小型カメラも備え付けられ、リアルのレースのようにコックピットのドライバーを映し出す映像を配信できる。

 カール・カイサが映し出される。慣れた、得意げな表情で小型カメラに手を振る。

 それからまた切り替わり、メインストレートやピットのテント、議事堂が映し出されている。

 同時に司会と解説の声も配信に乗る。

「さあForza E World GPの予選が開始されます! 予選は午前と午後の2回行われ、その間に出たベストタイムが採用されます。誰がポールポジションを獲得するのでしょうか」

「現在のパンデミックで開催も危ぶまれていましたが、無事に開催されてよかったですね」

 といったことを英語で話す。

 アイスランド時間の午前11時になった。


New changes ―新しい変化― 終わり

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