剣の振りが軽くなり、訓練事故が激減
その日のストレッチが終わると、
騎士団は半信半疑のまま剣の訓練に入った。
騎士B
「……う、動きが……軽い!?
お、俺、剣が振れるぞ!!?」
騎士C
「ま、待て……地面が……見える……!
視界が広い! 世界が明るい!!」
アリア
「視界が広いのは、ただ首が回るようになっただけよ!!
今までどんだけ固まってたのよあなたたち!!」
騎士たちは驚愕しながら剣を振り続ける。
騎士A
「肩が痛くない! 腕が上がる! 魔力の流れも安定してる!」
騎士D
「なんだこれ……身体が……ちゃんと動く……!」
その変化は訓練場全体にもすぐ現れた。
――魔力が暴発しない。
――剣がすっぽ抜けて飛んでいかない。
――足がもつれて転ばない。
これまで日常茶飯事だった事故が、
三割まで激減したのだ。
副団長(真剣そのもの)
「お嬢様……これは……
騎士団を救う改革です……!」
アリア
「やめてよ……ストレッチで救われる国って何よ……
この世界、ほんとに大丈夫……?」
しかし訓練場に響く騎士たちの声は明るかった。
騎士達
「魔動ストレッチばんざい!!」
アリアは天を仰ぎながら、
(次は睡眠改革ね……もう放っておけないわ……)
と、また新たな健康への闘志を燃やすのだった。




