ついに“城内水筒同盟”が誕生?
数日後。
アリアが歩くたび、城のあちこちで――ごくり、と水を飲む音が響く。
廊下では、メイドたちが色とりどりの布を広げて談笑していた。
メイドA
「見てください、お嬢様! これ、水筒専用のカバーを作ったんです。
刺繍を入れたら“貴族風”になると思って!」
メイドB
「こちらは、ドレスに合わせて色を変えられるように……!」
アリアは満足げに頷く。
アリア
「素晴らしいわ! ついに“水筒を持つのは恥ずかしい”なんて言わせないデザインが完成したわね!」
訓練場では、騎士たちが腰に水筒を提げて模擬戦をしていた。
走るたび、カランと金具が鳴る。
騎士A
「おい、これ本当に便利だぞ。
戦場で喉が乾くたびにポーション飲んでたのがバカらしくなるほどだ」
騎士B
「しかも体が軽い。集中力が段違いだ……!
どれだけ脱水してたんだ、俺たち」
アリア
「だから言ったでしょう、腎臓が悲鳴を上げてたのよ!!」
魔術塔では、魔術師たちが研究室で騒いでいた。
魔術師長
「“魔力安定瓶”として記録に残すべきだ。
水分を摂取すると魔力循環が整うなど……前代未聞だ!」
魔術師
「水、すごい……水偉大……!」
城の全員が、水を飲んでいる。
ルチアはその様子を見て、ぱぁっと顔を輝かせた。
ルチア
「お嬢様、今日はみんな水を飲んでいます!
倒れた人、一人もいません!」
アリアは腰に手を当て、胸を張る。
アリア
「ふふん。当然よ。
次は“睡眠改革”に乗り出すわ!」
ルチア
「また大騒ぎになりますね……!」
アリア
「いいのよ! 健康は権力より大事なんだから!」
こうして、アリアの“健康革命”は静かに、しかし確実に城を変えていく。
そしてこの日、誰が言いだしたか――こんな言葉が生まれた。
「城内水筒同盟、結成!」
アリアは頷き、心の中で高らかに宣言した。
(次は……睡眠不足撲滅よ!)
――アリアの奮闘は、まだまだ続く。




