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第31話 「おかしな事考えないでくださいね?」

「うう〜む…」


「どうしたんですか。珍しく真剣な顔して」


 私、アイシスは悩んでいた。

目の前に突き付けられた難問に。


 昨日、獲得してしまった称号。

コレがバレてしまったら…特にジュンとノルンにバレてしまったら…どうなる事か。


 ジュンにはいずれバレる事なのはわかってる。

それでも一応は非表示にしてあるけど。


 だが隣に居るこの娘…ノルンにバレるのは拙い。

ジュンの身体だから殺される事は無いと思うけど…どうなるか。


 今の私は知力が9999なのに答えが出せない。

いや、秘密にするしかないとわかってるんだけど。


「よっ!ジュン!元気してるか?」


「ああ…おはよ」


「何だ、元気が無いな」


「どうかしたの?何か心配事?」


「親父さんの事じゃないのか?」


「帝国との戦争もいよいよ大詰めだって話だしな」


 部屋に入って来たのは元帝国騎士のミゲル達。

ガイン様の許可も出て、この五人は正式にグラウバーン家の騎士になった。


 王国の法では騎士爵までなら領主権限で与える事が出来る。それも帝国で言う一等騎士。

ミゲル達は代々子から子へ爵位が受け継がれていく貴族の端くれになったわけだ。


「って、今なんて?」


「うん?何がだ?」


「帝国との戦争が何だって?」


「ああ…いよいよ大詰めだって話」


「知らなかったのか?」


「近々、二箇所同時に帝国の重要拠点を攻めるんだそうだ」


「そこを落とされたら帝国は国土の三割近くを奪われる事になる」


「そうなれば帝国の敗北は確定的。戦争集結に向けた和平交渉に動くだろうからな。どっちも、な」


 それは…そうか。

何も帝都に攻め込まなくても帝国が負けを認めて引き下がるなら王国としてもそれ以上戦争を続ける必要は無いって事か。


「あなた達…仮にもジュン様の部下ならもっとちゃんとした言葉遣いをですね…」


「堅いなーノルンちゃんは」


「そりゃ普通はそうだと思うし、まだ挨拶もしてないけど辺境伯様にはちゃんとした言葉遣いにするさ」


「だけど俺達とジュンは主従関係であると同時に友人だ。他の貴族の前や公の場じゃちゃんとするから」


「ジュン君もそれで良いって言ってくれたしねー」


「…はぁ」


 余計な問題増やしやがって、と言いたそうな眼でノルンがこっち見てる。

仕方無いじゃん…見捨てるのも後味悪いし。

元に戻った時、ジュンが困るとは思うけどさ。

今、私が抱えてる問題に比べたら大した事無いし。


「それで、何か用事?」


「あ、おう。今夜どうだ?飲みに行かないか?」


「アホですか、あなた達。ジュン様はまだ未成年ですよ」


「堅いなーノルンちゃんは」


「ジュンって、もうすぐ十四だろ?俺達はそのくらいにはとっくに酒なんて飲み慣れてたぞ?」


「それはあなた達がおかしいだけよ。ノルンちゃんの感覚が普通なのよ」


「まあ安心してくれ。もう何度か誘ってるがジュンに酒は飲ませてない。外で一緒に飯を食おうってだけさ」


 ただし…と注釈がつく。

確かに、最初はアトライアが居るから普通に食べて飲むだけだ。


 だがアトライアが帰った後、こいつらはこっそり夜の街へ繰り出す。女のコとイチャイチャ出来るお店へと。


 それに何度か付き合った結果…今、私が抱えてる問題に繋がるのだが。


「いいよ。行こう」


「お!じゃあ仕事終わりに迎えに来るからな!」


「また後でね」


 …アトライアは控え目に言って美人だと思うんだけど。

あの四人は誰もアトライアを狙ってないのかな。


 だったらそのうちーー


「おかしな事考えないでくださいね?これ以上犠牲者を増やさないように」


「…はい」


 そのうちいただいてしまおうかという考えはアッサリ封じられてしまった。

ノルンはメイドを抱く事を妨害してくる。

それまでは毎晩だったのに急激に回数を減らされてしまった。


 それも問題を抱える事になった原因の一つなんだが。


 私が抱えてる問題の称号…それは…


【夜の帝王︰女遊び、若しくは男遊びの達人に贈られる称号。魅力上昇。称号︰性豪を得ている為、追加効果発動。スキル「ゴッドハンド」を使用可能】


 これだ。「性豪」に続いてとんでもない称号を得てしまった。そして見てわかるように「夜の帝王」と「性豪」はペアとなる称号で…「夜の帝王」を得た時「性豪」に変化があった。


【性豪:毎日のように異性と複数回肉体交渉を行った者に贈られる称号。体力上昇。体力上昇プラス補正。称号︰夜の帝王を得ている為、追加効果発動。スキル「肉体操作」を使用可能。一定期間、異性を抱かないと状態が暴走に変化。暴走状態になると理性を失い目の前の異性を誰でも襲ってしまう】


 これは拙い。凄ーく拙い!

称号を得ただけならまだ良かった。

何だかんだでプラス要素もあるし。


 しかし暴走状態!

これは拙い!一定期間女を抱かないと誰でも襲ってしまうとか…とんでもないマイナス要素。

もしも王女様が目の前に居る時に暴走状態になったら…考えたくもない。


 称号を得た原因は先に言った通り、ノルンの妨害とミゲル達との夜遊びにある。


 ノルンの妨害により性欲が発散出来ず、ムラムラしてた時にミゲル達からの誘い。 

これが重なったのが拙かった。


 ミゲル達と出掛けた先はイヤらしい店では無い。

単に綺麗なお姉さんが一緒に飲んでくれるだけの店だ。

ちょっとくらいなら御触りOKの。


 だがそういう店の近くにはあるのだ。

イヤらしいお店が。つまり女のコとナニしちゃうお店が、娼館が。


 その店の存在を知ったらもう…止まらない。

夜は監視が厳しく街から出る事は出来なかったが、昼に街をうろつく分には監視も無かった。

だから昼に通ってたのに…「夜の帝王」とはこれ如何に。



 因みにスキル「ゴッドハンド」とは


 ゴッドハンド︰どんなに不感症な人物でも絶頂に導く事が出来る。マッサージでも効果有り。


 次に「肉体操作」は


 肉体操作︰肉体を自由に操作出来る。他者に使う場合マッサージに効果有り。


 と、なっている。

肉体操作のスキルは補足説明すると…自分に使う場合は自分の骨を自由に外したりはめたり出来るし、五本の指の第一関節のみを同時に曲げたりとか、

地味な事も出来るし…自由にアレを勃たせたり通常状態に戻したり出来る。


 まぁ…要するに二つとも女を抱く時に有用なスキルという事だ。

ジュンは知らない内に、夜の営みに関して無敵の存在になったわけだ。


 自分がしでかした事だけど…酷いなぁ、これ。

どうしたものか…称号の抹消とか出来ないかな?


「また何かくだらない事考えてます?」


「またってどういう事だ」


「アイシスさんはあまり頭がよろしく無い事はこの一年でよくわかってますから」


「失敬だなー君」


 今の私はジュンと同じ知力なんだぞ?

その私の頭がよろしくないならジュンもよろしくないって事になる。


「ジュン様とアイシスさんの知力が今は同じ。それは理解しています。ですが…必ずしも知力の高さが頭の良さに繋がるわけじゃないと、あなたが証明してくださったので」


「それはつまりアレかな?私はどれだけ知力が上がってもバカだって言いたいのかな?」


「この程度の嫌味は理解出来るようで。何よりです」


 こ、こいつ…いつか絶対泣かす…!

だがしかし…今は目の前の問題だ。


 一体どれだけの期間、女を抱かければ暴走してしまうのか。

それを見極めなければ。それとノルンの妨害もなんとかしないと。


 流石に毎日のように娼館に通う訳にはいかない。

となれば、やはりメイド達…どうするか。



 それから何も解決策が浮かばないまま三日が過ぎた日の夜。

最後に女を抱いたのが一週間前…解る。限界が来た、と。

恐らく明日には限界を超えて一番最初に見た女を襲ってしまう。

それがよーくわかる……こうなれば!


「…そこに居るのは誰かな?出ておいで」


「あら?バレちゃってましたか。メリーアンです、よ!?」


 よし!毎晩メイドを抱いてた時には監視が無かったけど、最近は再び監視されてるのはわかってた。


 これで既婚者だったり未成年だったらどうしようかと思ったけど!

今夜はメリーアンを………いただきます!






       チュンチュン…チチチチチチ……


「もう朝じゃないですか…ジュン様ったら…休ませてくれないんだから…」


「もう、ダメ…動けない…」


「zzz…」


「あふぅ…」


「ハァ…ハァ…」


 結局。監視についてた五人全員抱いてしまった。

メリーアンが途中で気絶してしまい、不完全燃焼だったので、つい。


 そして朝、私を起こしに来たノルンが絶句して膝をついたのは言うまでも無いと思う。

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