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友情と愛情と。友人と恋人と。  作者: 篠宮 楓


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21/21

翔平と祥子の話は、過去にさかのぼります。-1

翔平・祥子の番外編はじめます^^

どうしようかとあれこれ考えたのですが、翔平視点で進めたいと思います。

のんびり不定期更新になると思いますが、なるべく頑張りたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたしますm--m

とにかく、祥子は面白い女の子だった。




祥子に初めて会ったのは、俺が高校生の時だ。

地方に住んでいた俺が都内の大学に入学するにあたって、アパートを探しに来た時。

母親の妹……俺的におばさんである近江家に数日泊めてもらって、部屋を探す予定で冬休みに上京してきた。

俺達家族は母親の実家の近くに住んでいたから、近江のおばさん一家がうちの方に来ることが多くて、この時が初めての訪問だった。

だから。


「初めまして。近江さんのご親戚の方ですか? 私、隣に住んでいる榎本といいます。もうすぐ佳乃さんが帰ってきますので、少しお待ちいただけますか?」

お世話になりますーっておばさんちに入っていったら、見知らぬ女の子がいるとかナニコレ。

しかも隣の子ときた。

隣の子が、何故他人の家でご飯を作っているのだろう。誰か教えて。

ぽかんと口を開けてリビングの入り口に突っ立っていたら、包丁で何かを切っていた彼女は少し首を傾げてから手をタオルで拭いて近寄ってきた。

目の前に立った彼女は両手を差し出すと、どうぞ、と俺を見上げる。

「へ?」

何がどうぞなのかわからずに今度は俺が首を傾げると、彼女は俺の手からスポーツバッグを受け取って階段へと歩き出した。

「え、え?」

意味が分からずに後ろを追いかけると、彼女はちらりと俺を見て再び歩き出す。

「部屋に案内しますね」

あ、そういうこと。

「ちょ、荷物は自分で持つから、大丈夫!」

慌ててスポーツバッグの持ち手に手を掛ければ、少し逡巡した後、彼女は手を離した。

「すみません、余計な事を」

「あ、いやいや、そういうわけじゃなくてですね」

つられるように敬語でそれを否定すると、階段の前で困ったように首を傾げる。

……表情は、まったくと言って困っていないんだけど。


俺はスポーツバッグを反対の手に持ち直すと、少し屈んで彼女と目線を合わせる。

ぱちぱちと瞬きをした彼女は、それでも俺が何かを言い出すのを待っていた。

「俺は木之本 翔平。おばさんの姉の子供で、悠斗と佳乃の従兄。もうすぐ高校卒業ね。今回は、大学の近くにアパートを探すために一週間ほど世話になる予定。どうぞよろしく」

そう言って右手を差し出せば、彼女は不思議そうに俺の手と自分の手を交互に見ながら小さく首を傾げている。

うん、この子ってば顔に出ないだけで結構感情豊かと見た。

何、迷ってんだか。

笑いそうになるのを何とか抑えながら、彼女の出方を待つ。

彼女は少しだけ迷った後、握手をしないまま俺を見た。


「榎本 祥子です。隣に住んでて……、今日はおばさんが急な残業が入って戻れなくなってしまったらしくて、うちの母に電話がきたんです。丁度、今自宅に行ってますが、うちの母もすぐに来ると思います。えと……」

そこまで言って、やっと俺の手に自分の右手を重ねる。

「どうぞよろしくお願いします」

きゅっ、俺の手を握りしめながら頭を下げるその仕草が、なんだかすごくツボに入った。

でも笑うと彼女が委縮しそうな気がして、懸命にこらえて手を握り返す。

「やっぱ最初は自己紹介っしょ。で、祥子ちゃんはいくつなの? 佳乃と同じ高校に行ってるのかな」

そう言いながら手を離せば、祥子ちゃんは戻ってきた自分の手をまじまじと見ながらちらりと俺を見上げた。


「……中学二年生です。佳乃さんの三つ下なので……」

「マジか!」


佳乃より年上に見えるんですけど、マジですか!?

まんまるに見開いた感満載の俺の顔を見ながら、もう一度よろしくと頭を下げた祥子ちゃんになんだか俺までもう一度頭を下げてしまいました。




……ていうかさ。

お隣の中学生に上京してくる親戚任せるとか、おばちゃん何考えてんの。

こんな感じで、のんびり進んでいきます。

今回も、よろしくお付き合いいただければ嬉しいです((ノ(_ _ ノ)ヘコヘコ

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