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転生したけど受精卵に負けてしまいました  作者: 鴉野 兄貴
チート勇者ですが村人の皆さんマジリスペクト中

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鍛冶屋さんはどんな村にも一人はいる

 鍛冶屋さんって凄いですよね。

こんにちは。ユーナです。今日はすきの修理に来ています。

お母さん、ついつい大きな石に鍬を通してしまったそうです。たまにありますよね。

良く耕した畑でもそういうことはあります。

私たちの村では鉄や青銅の品が壊れた時はカズヨちゃんのお父さん。カズヒトさんのお世話になります。

クズ鉄を集めてふいごで拭いて、新しい品を作ってくれることもありますが大抵は修理で片づけます。頼めば穴の開いた鍋くらいならカンカン叩いて直してくれます。

ふうふうと熱い熱い部屋でずーっと大きなトンカチを手にお仕事しているカズヒトさん。

カズヨちゃんはお父さんのお手伝いがしたいと言っているけどまだ無理。お姉ちゃんとこっちにいようね。


 カズヨちゃんと遊んでいる間にカズヒトさんが作業場から戻ってきて水を飲みます。

すっごい汗の臭い。でも好きです。にっこりと笑うカズヒトさん。結婚はまだかとか言っています。

「あれなら俺と再婚を」「カズヒトさん。だから奥さんに逃げられるんです」「ちぇ」

悪い人ではないのですが、少々女性に対しての態度がだらしないというかなんというか。

でも腕はいいんです。元は王都で鍛冶屋さんをやってたそうです。

殆どの村では鍛冶はそれが得意な人がちょっと修理をする程度ですが、カズヒトさんは武器や防具も作れるんだそうですよ。凄いですよね。

「最近はハサミとか包丁だけどな」「あら。素敵じゃないですか。お母さんが絶賛していましたよ。カズヒトさんのハサミはよく切れるって」「絶賛するのは容姿にしてほしいものだな」無理です。だって髭ですし。

「ひげ~♪ ひげ~♪ 」こら。お父さんでしょ。カズヨちゃん。

「おー。カズヨ~! どんどん美人になっていくな~」「きゃきゃ」

汗の臭いもそのままにカズヨちゃんに頬ずりするカズヒトさん。


「そうそう。守り刀の作成だったっけ? 」「ですです」


 あんまり自覚はないのですが来年に備えて用意しておかなくては。

十五歳で祭りに初参加してそのまま結ばれていた場合は別ですが由緒正しい結婚をする場合守り刀を用意します。

最近、ちょっとよそよそしいけど前よりアルダス君優しいしアリとは思わないけど作っておいたほうが良いよね。たぶん。

「やっぱアルダスか? あいつは昔から人気だからな~」うん?


「カズヒトさん」「なんだ? 」「詳しく」


 私、そんな怖い顔してましたっけ。

ちゃんと笑っていたと思いますけど。ええ。

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