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信仰ピエロは今日も楽しむ  作者: 晩冬の小石
第一章 冒険の始まり
85/417

#85 思い出! 下

いつも読んでくださり感謝です!

いいね、評価、ブクマありがとうございます!

目の前には何処からともなく持って来た甲冑が鎮座している。おじいちゃんは甲冑と向かい合うように立って、腰には一振りの刀がさしてある。後で知ったんだけど凄い高価で歴史的価値がある甲冑だったんだよね……。


「今から儂は稽古に入るが一刀で終わるから目を離すなよ」

「うん、わかった!」


ああ、そうだよ。ここで教えて貰ったんだった。段々と思い出して来たぞ。


「……ふむ、ここから先は儂の独り言じゃ」

「……?」


独り言って事にしてこっそり教えてくれたんだよね。

…恐らく教えちゃダメなやつなんだと思うだけど


「心を明鏡止水のように研ぎ澄ませ。水面に生じる波紋を消すように。深く息を吸い己の力を循環させよ。身体を巡る血液のように。最後に斬る事のみ考えよ。己の一刀に斬れぬ物無しと暗示をかけるように」


居合の構えをつつ凄い集中してるのが、子供ながら分かったっけ。気迫というか何というか


「要するに心を落ち着かせ、呼吸を整え、斬れると思い込めって事だな。これが我が西園寺家に伝わる奥義の一つだ。見ておれよ。【剣気一断(けんきひとたち)】」


瞬きせずにずっと見てたはずなんだけど、いつの間にか抜刀して振り抜いたおじいちゃんの姿があったんだ。暫くポカーンとしてた気がする


「ルイよ。ちょっとこっちへ来い」

「……へ?う、うん」


納刀したおじいちゃんはこちらを振り向いて、ニカっと笑いながら手招きして僕を呼んで


「ルイ。この甲冑さっきと何も変わって無いように見えるだろ?だがな……こうやって押すと」

「えっ!?すごい、すごい!!」


おじいちゃんが甲冑の胸元辺りを手のひらで押すと、何の変哲も無かった甲冑が綺麗に一文字に真っ二つになったんだよ。あの時は凄いテンション上がったね


「どうやったの!!ぼくにもできる!?」

「ガハハ!出来ん!だが…もしかするといずれ出来るかもしれんなぁ」


思わず詰め寄って聞いたんだけど、もしかするとって事だったんだけどね。僕がやったのも、おじいちゃんのに比べたら全然だしね。そもそも斬れなかったし…


「そうだ、ここでの出来事は他の人には内緒だぞ?」

「…?わかった!」


この後は道を教えて貰って1人で戻ったっけ。それで夜ご飯の時にまた会ったんだけど、顔を合わせるなり人差し指を口に当ててシーってされたから同じ様に返して2人で笑い合った記憶がある。

それにしても意外と思い出せたね…?


◆◆◆

ルイが出て行った後の道場


「うーむ、ここには人払いと認識阻害の術がかけてあったのだが…術が解けてたのか?…ま、後でばあさんにかけ直して貰うか。それにしても小さい頃のばあさんにそっくりだったなぁ。倅どもには引き継がれなかったが……まさかな」



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