#80 ダンジョン攻略！　その22

一瞬の暗転ののちに目に入ってきたのは見覚えのある景色だった。最初の……広間だよね？まだ怠さが残る体を起こして辺りを見渡すと、インとスズが横たわってるのが見えた。地べたに寝かしとくのも可哀想だから従魔石に入っていてもらう

「いてて…よいしょ。まだ実感がわかないけどクリアしたんだよね」

「ああ、流石我がご主人だ。まさか特殊条件でクリアするとは思わなかったぞ」

思えばこのダンジョン、道中も大変だったよね。触手君も強敵だったし、アバさ…んはインにボコられてたけど…。勿論ボスの長さんはめちゃくちゃ強敵だったよ…。失念してたけど、好々爺キャラは実はつよつよお爺さんって古来から決まってるよね

「そういえば、特殊条件クリアって何なの？」

「そうだな…ちょっと長くなるぞ？本来であればダンジョンのクリアとはボスを倒す事を指すんだが、何かしらの条件を満たすとクリアとなる事があるのだ。その事を一定条件クリアという。こちらは救済措置だな、ボスを倒すより難易度は簡単になっておるがクリアするより報酬も少なくなっておる。そして特殊条件クリアだが、ボスを倒すより難しい条件を満たす必要が出てくるのだ。その分報酬も増えるのだがな」

えーと整理すると……

【クリア】ボスを倒す　報酬は普通

【一定条件クリア】

　何かしらの条件を満たす(ボス倒すより簡単！)

　報酬は少なめ

【特殊条件クリア】

　何かしらの条件を満たす(ボス倒すより難しい！)

　報酬は多め

今回は特殊条件クリアだから報酬は多めなんだね。

やったぜ！ぐへへ…おっと失敬

「…ん！？っていう事はあの長さん倒すより難しい条件を満たしてたって事！？…全然身に覚えが無いんだけど」

「そうなのだ、我輩もそこが引っかかっておってな」

うーーーん、ダンジョン攻略中の事を思い返すけど全然分からない。何が特殊条件だったんだろう…

◆◆◆

side？？？

静寂に支配された広間で白い髭を蓄えた老人の呟きが響き渡る

「あの少年、今後が楽しみじゃ」

流石、我が主に加護を貰うだけあるのぉ。避け一辺倒かと思いきや、珍妙なスタイルで攻めてきよる。ジャグリングしながら細剣を使うなんて聞いたこともないわい

「グハハハ！まさかアンタも介入するとは思わなかったぞ！隠居したんじゃ無かったのか？」

老人しか居なかった広間に突如、赤髪の大男が現れて老人に話しかける

「マイケル以来の逸材がおると聞かされて、隠居しておれるかい」

「グハハ、そうだよな！それにしても大分手を加えたな。ここ本来ならゴブリンしかでねぇだろ」

「そりゃそうじゃ。あの少年達の戦力を考えるとここら一帯のダンジョンじゃ、物足りんじゃろ。お前さんだってそう考えたからエリアボスとして介入したんじゃろ」

まぁワシが介入したせいで、なんか変なとこに繋がったみたいじゃが気にしたら負けじゃな