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114.勇者グスカス




 ティミス救出へと向かうグスカス。

 通路を歩いて行くと、曲がり角に目当ての彼女がいた。



「いやぁあああああああ! たすけ……たすけてぇええええええええええええええええ!」

「……子鬼王ゴブリンキング!」



 子鬼王とは、Aランクのモンスター。 ゴブリンたちの王であり、身長は2メートルほど。



 ティミスは子鬼王に服を剥かれて、今まさに襲われそうになっていた。



(僥倖っちゃ僥倖だ。他のモンスターなら命を奪われてた)



 グスカスはジュードから授かった知識から、ゴブリンについてのことを思い出す。

 やつらは人間を繁殖相手とおもってる。


 通常モンスターたちは人間を食い物にするが、ゴブリンは孕ませることを優先させるため、遭遇しても直ぐには命は取られないのだ。



「…………」



 子鬼王の周りは誰もいない。

 取り巻きのゴブリンたちがいるはずだが、王が女を犯す間は、どこかに散ってるのだろう。



 チャンス、といえた。

 多対一でない+相手の意識が完全に女に向いてる(こちらに気づいていない)なら、勝算はある。



「…………」



 とはいえ、だ。

 職業ジョブのない自分が、モンスターと戦うこと自体、自殺行為であることには変わらない。



 モンスターへの対抗手段として、女神は人に職業ジョブを授けたという。

 職業ジョブがないということはつまり、極寒の地に寒さから身を守る服を着ずにいるということに等しい。



 ……被弾すれば、死。

 だが、彼はやる。やるのだ。やらねばならぬのだ。



「……おれは、もう逃げねえ」



 グスカスはいままでの行いは間違いだったと、ハッキリ認めたのだ。

 もう遅いかも知れない。



 でも……彼は、やる。

 弱き者のために戦った、ジュードのように……。

【★新連載はじめました!★】


タイトルは――


『「学園トップの美少女【雪姫】と付き合ってるなんてウソだよね!?」と王子さま系元カノが泣きながら僕に謝ってくるけどもう遅いです~浮気され傷心中の陰キャ高校生をめぐる壮絶な溺愛合戦~』


ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!

リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://book1.adouzi.eu.org/n3854ii/


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