表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/285

コミュニケーションって大事ですよね-1

「シエラ!仕事は終わったか!?」


最後の報告依頼を受け終えて、書類のチェックをしながら報告書をまとめていると、キラキラわんこの瞳の青年が、カウンターにやってきた。


「…ボルトン卿、思ってたより遅かったですね…」


時刻は21時を回ったところだった。

後で来る、と言っていたが、いつまでたっても来ない(むしろ来なくていいと思っていた)ので、忘れたか、興味がなくなったのだろうと思い、このまま帰ろうと思っていたシエラは、心の中で大きく項垂れた。


「む?もう少し早く来たほうが良かったか?仕事が終わるのを待ったほうがいいとハルに言われて、暫く様子を見ていたんだが」


そう言って、エディは後ろに控えていた、銀髪ロングヘアの護衛と思しきお兄さんを見た。


「え?あ、いえ。てっきり来な…いや、その、ちょうど仕事が終わったところでしたので、その点については、お気遣い感謝いたします」


正直に言えば、こないでくれるのが一番ありがたかったんだけどね!なんてことは、決して口にはしない。


「コーカス様とトーカス様に会いに来られたんですよね?」


「会い…な!?か、か、勘違いするな!俺は、コッカトリスが危なくないかを見極めるために来たんだ。決して、喋る魔獣が珍しいからとか、そういったことでは断じてない!」


顔を少し赤くしつつ否定するエディ。


「えぇ…?だって、ご自分で仰ってたじゃないですか。喋れる魔獣に会ってみたいって」


「確かに言ってましたよ?エディ様」


ニタニタと笑いながら、ハルが言う。


「ハル!?」


「いやいや、エディ。お前もう素直になれって。いっつも言ってたじゃねーか。動物とお話がしてみたいーって」


もう一人の短髪茶髪の、若干見た目が軽そうな護衛の男性が笑いながら言う。

シエラも、お話とかかわいいな!と思わず笑いそうになるのをぐっと堪えた。


「おい、ニューク!てめぇ!」


エディの顔が、まるで茹蛸のように真っ赤になる。


「…と、とりあえず、書類を片付けて着替えてきたいので、それまで、コーカス様とトーカス様と、お話、で、も、してくださいませ」


お話、と口にした瞬間、思わず笑いそうになるシエラ。声に出して笑わないよう、何とか踏みとどまれはしたが、変な喋り方になったせいで、ハルとニュークには、シエラが笑いかけていることに気づかれ、二人はケラケラと笑った。


「んん!コーカス様、トーカス様。もうそろそろ、片付けしますので、起きてください」


いたたまれなくなったシエラは、何とか空気を換えようと、足元に置いてある箱の中で、スピスピと気持ちよさそうに眠っていた二人を起こす。


「なんだ、やっと仕事が終わったのか?相変わらず遅いな」


「ふぁぁ…よく寝たぜ。…腹が減ったな。今日はどこで野菜盛りを食べるんだ?」


「…こいつら」


若干の苛立ちを覚え、シエラは二人をグイっとつかみ上げると、カウンターの上に移動させた。


「コーカス様、トーカス様。こちら、エディ・ボルトン卿です。お二人とお喋りしたいそうですので、私が着替えて戸締りしてくるまでの間、お話相手をしていてください」


「なに!?なぜ我がそのようなことを」


「そうだそうだ!俺らは別に話する義理は」


「…働かざる者食うべからず。野菜盛りが今日も食べたいなら、つべこべ言わずにお話してて!いい!?」


「「…はい」」


シエラの勢いに負け、二人は諦めながら、エディ達の方を見る。

エディ達も思わずシエラの勢いに飲まれ、静かになぜか、はい、と呟いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ