呼び出しっていくつになっても嫌ですよね-4
「さすがはジェルマの所の受付嬢ですね」
クロードが苦笑する。
「おい、クロード。そんな一言で済ませられるもんじゃないだろ」
あきれた顔をするエディに、そうですか?とクロードは言う。
「シエラ嬢」
「シエラ、で結構です」
にっこりと微笑むクロードに、シエラもお仕事スマイルで返す。
「では、シエラ。君のテイムしている従魔2羽を、寮で飼うことを承認するよう、第4ギルドへ通達しておこう」
その言葉に、シエラの表情が、明るい笑顔に変わった。
「あ、ありがとうございます!」
(こ、これでこそこそ帰らずに済むー!しかもしかも、マイスの調達も、寮の食堂でお願いができる!!神様、ありがとー!)
今まで一度も祈ったこともない神に、シエラはお礼を言う。
「それでは、ご用件は以上ですよね?私はこの辺で…」
「いやいや、ちょっと待て。お前のテイムしているコッカトリスが、本当に害がないか、俺が直々に確かめてやろう!」
エディの言葉に、シエラは思わず嫌そうな顔をする。
「シエラ?」
驚くクロードに、シエラは慌てて、お仕事スマイルを顔に張り付けた。
「いや、その、仕事が溜まってますので、ちょっとこれ以上は業務に支障をきたすというか、なんというか…」
一度ギルドに戻って、コッカトリス達を連れてまた戻って、なんてことをしてたら、仕事がどれだけ溜まってしまうかわからない。すでに、今のこの時間のせいで、確実に残業時間が増えているのだ。何が何でも断る選択肢しか、シエラは持ち合わせていなかった。
「ん?あぁ、なんだ、そんなことか。俺もまだ、クロードに用があるし、少し、済ませておかないといけないことがあるからな。あとでそっちに行くから、お前はそれまでに仕事を片付けられるだろ?」
「は?」
エディの言葉に、シエラは思わず素で返す。
「何、夜にはそっちに行けるだろうからな。喋れる魔獣なんて、今まで遭遇したこともなかったし、会ってみたいんだ」
子供のようにキラキラとした眼差しを向けてくる彼に、シエラは思わず目が点になった。
「ほ、本気ですか…?」
「もちろんだ!」
(あ、あかん。これ、あかんやつや)
エディの反応に、シエラは、これは何を言っても聞かない顔だと悟る。
「…わかりました。では、ギルドでお待ちしておりますので……」
特大のため息を隠すことなく吐きながら答えるシエラに全く気付いていないエディは、ありがとう!と手を握り、ぶんぶん、と振った。




