6 存在意義
『一周回った?』
『回ったね』
『そろそろジョーカー動かないかな?』
『さすがに早くない?』
今回世界を渡るのは♠︎7。
彼女は少女たちの中では珍しい、元から消えたいと思っている少女だった。
彼女は自分自身のことが嫌いだったのだ。
しかし、消えたいと思っている彼女でも、他人の迷惑というものは重々理解している。
彼女が世界を渡る目的は想い人を探すことじゃない。
自分の存在意義。あるいは死に場所を探していたのだ。
世界を渡った先で待っていたのは♦︎7だった。
♦︎7の想い人は♠︎7。彼女は本能に従い、すぐさまに♠︎7を襲った。
身体を無理やり押し付けられて、身体が想像以上にハイペースで溶けていく。
襲われて、共に溶けていく中で♠︎7は初めて、自分の存在している意味を見つけたようだった。
彼女を幸せにするために、ボクは生まれたんだ……。
♠︎7はそう思い、満足そうに目を閉じた。
事実、想い人と消えていく♦︎7は幸せそうな顔をしている。
でも、それは本来の♦︎7の幸せなのだろうか?
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Aの世界( 4枚)
❤︎5 ♣︎Q ♣︎K joker
Bの世界( 3枚)
♦︎A ♠︎5 ❤︎6
Cの世界( 7枚)
❤︎8 ♣︎J ♦︎10 ♦︎Q ♠︎Q ♦︎K ❤︎A
Dの世界( 5枚)
♣︎6 ♠︎8 ♦︎J ❤︎Q ♠︎10
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物語のヒント
両想いの少女たち。
彼女たちが出会える日は2度と訪れないだろう。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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