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5 放心状態の少女

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5 放心状態の少女


『あー、揃わなかったかぁ』

『大丈夫、それが普通だ』

『そんじゃ、俺引くね』

『ほい、好きなのどうぞ?』


 ♣︎3。次は彼女が世界を渡るようだ。

 しかし、彼女は新しい世界に希望など抱いていなかった。

 想い人は、目の前で消えてしまった。

 世界が変わって間もない頃、世界を渡る者が出る前に……別の少女と共に消えてしまった。

 ただ、想い人だった何かがある世界に居たくない、辛いだけだ。

 その一心で彼女は世界を渡った。


 次の世界で待ち受けていたのは、同じ数字の者、♦︎3だった。

 ♦︎3は彼女を見ると、満面の笑みで♣︎3に抱きつこうとする。

 明らかさまな消えるための行為だ。

 しかし、♣︎3にそれを拒む理由はない。

 生きている、理由がない。

 ♦︎3は自分が思うがままに唇を奪ったり、抱きしめる力を強めたりと欲求を解消していく。

 しかし、それを♣︎3は受け止め続けた……いや、それを気に留めてないだけだ。

 彼女にとっては、もう全てがどうでも良かったのだ。


「好きだよ……」

「……」


 そして放心状態のまま、♣︎3の意識は消えて、その後すぐに♦︎3の意識も消えた。

 


ーーーーーー


Aの世界( 5枚)

❤︎5 ♦︎7 ♣︎Q ♣︎K joker


Bの世界( 4枚)

♦︎A ♠︎5 ❤︎6 ♠︎7


Cの世界( 7枚)

❤︎8 ♣︎J ♦︎10 ♦︎Q ♠︎Q ♦︎K ❤︎A


Dの世界( 5枚)

♣︎6 ♠︎8 ♦︎J ❤︎Q ♠︎10


ーーーーーー

 物語のヒント

少女たちの片想いは、必ずしも輪をなすとは限らない。


ここまでご覧いただきありがとうございます。

次回もお楽しみに!

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