3 不運
『早速ペア作りやがって』
『ふふふ、運がいいのさ』
『今度は私の番だね』
『はい、好きなカードどうぞ』
♠︎Jの次に、別の世界へと旅たったのは♦︎4という少女だ。
彼女もまた、自分の想い人を探して世界を渡るようだ。
「……次の世界には、いるのかな? 居て、ほしいな」
彼女は想い人のことを考え、自分の元いた世界を後にした。
そしてその想いは、届いたようだ。
見つけた……♪
新たな世界に降りたった彼女の目に映ったのは願いに願った想い人、❤︎4だった。
しかも❤︎4はこちらに気づいていない。
彼女はゆっくりと❤︎4に近づいて……そのまま、後ろから抱きついた。
お互いの身体が溶け始める。
「ふぇ……? え!? いや……」
「私は嫌じゃないよ。一緒に消えよう?」
「……ぃゃ……」
❤︎4の声は聞こえてないのか、それとも聞く気がないのか。
♦︎4はより身体を密接にして、溶ける速度を上げていく。
そして片方は幸せそうな顔で、もう片方は絶望した顔で意識が消えた。
その場には醜い泥のように見える元少女たちがあった。
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Aの世界( 6枚)
♣︎3 ❤︎5 ♦︎7 ♣︎Q ♣︎K joker
Bの世界( 4枚)
♦︎A ♠︎5 ❤︎6 ♠︎7
Cの世界( 6枚)
❤︎8 ♣︎J ♦︎10 ♦︎Q ♠︎Q ♦︎K
Dの世界( 7枚)
❤︎A ♦︎3 ♣︎6 ♠︎8 ♦︎J ❤︎Q ♠︎10
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物語のヒント
少女たちは同じ数字の者以外を好きになったことはない。
そしてそれは今後も同じだろう。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回も楽しみに!




