2 消えるとは
やっとダークっぽくなります!
『最初はボクが君からカードを引くね』
『分かったよ、はい』
『うーん、じゃあこれで』
「ここにクローバーちゃんはいない……別の世界にいるのかも」
そう呟いたのは♠︎Jだ。
♠︎Jは自分がいる世界に想い人である♣︎Jがいないことを確認すると、♣︎Jを探して新しい世界へと旅たった。
しかし、世界はときに残酷だ。
♠︎Jが訪れた世界に同じ数字の者はいたが、それはクローバーではなかった。
「あ、スペードさん。わざわざ私の元に来てくれたんですか?」
「ハート……?」
♠︎Jを見つけた❤︎Jの顔は歓喜のものに変わり、♠︎Jの顔は青ざめていく。
♠︎Jは消えたいという本能を押さえつけて一目散に逃げ出したが、すぐに追いつかれてしまう。
「ねえ、スペードさん。私と一つになって……消えよう?」
「いやだ……私には……クローバー、ちゃんが……」
♠︎Jは泣きながら訴えるが、❤︎Jはそれを聞く耳を持たない。
無理やりお互いの身体を密着させていく。
それと同時にお互いの身体が溶け始め、だんだんと1つになってゆく。
もう原型も留めておらず、何も知らない第三者が見たら泥の塊とでもいうのだろうか。
これが少女たちが望んでいる【消える】という行為だ。
消え行く意識の中、♠︎Jは♣︎Jのことを思い……そのまま意識は消えた。
その一部始終を見ていた少女がいる。
彼女はぽつりと呟いた。
「私も、消えたい」
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Aの世界( 6枚)
♣︎3 ❤︎5 ♦︎7 ♣︎Q ♣︎K joker
Bの世界( 5枚)
♦︎A ❤︎4 ♠︎5 ❤︎6 ♠︎7
Cの世界( 7枚)
♦︎4 ❤︎8 ♣︎J ♦︎10 ♦︎Q ♠︎Q ♦︎K
Dの世界( 7枚)
❤︎A ♦︎3 ♣︎6 ♠︎8 ♦︎J ❤︎Q ♠︎10
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物語のヒント
消えていく少女たちは、幸せなのだろうか。
以前の彼女たちが望んだことなのだろうか。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回も楽しみに!




