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デートの前夜

 夜中の満月がちょうど一番上に来た頃、鬼雨は目を覚ました。


「随分と寝たな……今、何時だ?」


 時間を確認しようと起き上がろうとすると、右腕にムニュっと柔らかな感触がある。まさかと思い布団をめめくると案の定、そこにリリィがいた。豊富に実った胸の隙間に腕が挟まっており、何かに掴まるようにしがみついてる。


「まったくもう……少し嬉しいがこんなことをしていると体に障るな……」


 少し残念にも思ったがリリィが起きないように静かに腕を振りほどき、布団をかぶせてやる。喉が渇いたのか水を飲んだ。そこで異変を感じた。


「なんで喉に水が通った感じがしねぇんだ?」


 いくら飲んでも喉が渇く。仕方がないからベットに戻ろうとした時、寝ているリリィの首筋が再び気になり、それは本能が望んでいることだとすぐに分かった。


 ーードックン、ドックンーー


 高鳴る鼓動は鬼雨の理性を徐々に奪っていく。寝ているリリィのそばまで近づくと、女の子のやんわりとした匂いが鼻をくすぐる。その瞬間、理性がはじけ飛んだ。

 気が付いたのは、1分後のことだった。周りには数滴の血が飛んでいた。


「はぁ、はぁ、俺は……また……」


 喉は潤った……だが、代わりに涙が出てきた。ドンドンとあふれ出てくる涙はいつの間にか床に小さな水溜まりが出来ていた。泣いている鬼雨の頭にそっと頭をなでる手がある。


「起きていたのか……リリィ」


「うん、さっきね……」


 首筋を手で抑えながらリリィは頭を未だに頭を撫で続ける。


「鬼雨、まだ喉が渇く?」


「渇くけど……もう、お前を傷つけさせたくねぇ……」


「ふふっ、そんなことで悩んでたんだ……鬼雨って面白いね」


「お、俺はお前のことを思って――」


 いいきなりリリィに抱きつかれ、顔を胸で抑えつけられた。言いたかったことが遮られ、リリィは耳元で囁く。


「私の血ならいつでも吸っいいよ。その代わり……あたしを守ってね」


「あぁ、約束する」


 鬼雨は再びリリィの首筋に噛みつき血を吸う。


「あぁ// …き、鬼雨~!! もうすし優しくして! ね?」


「うぅ…すまない。あと、あまり変な声は出すな」


「へへっ、そっちの方が盛り上がるかなって~! あ、そうだ鬼雨!明日デートしよ!!」


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