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手紙

  ホテルの高さは100mほどあるだろうか、見る限りは一面に全て、ガラスの窓が付いている。


  玄関に入ると、ピカピカの床、上にはいかにも高そうなシャンデリアが受付まで、縦に続いている。周りにはフカフカのソファーがあり、すぐ横に行くと大人の遊び場であるバーがある。


「す、すっげえ〜……ボス、マジか。場違いもいいとこだぞ、これ。なぁ、リリィ? ……おい、リリィ?」


  辺りを探してみるが見つからない。そんな時、バーの方から゛おかわりぃ〜゛とかいうアホみたいな声が聞こえてきた。


  ピカピカのタイルに傷を付けてしまうよなスタートダッシュをかまして、バーに向かう。


「マスター!おかわりぃ〜」


  やはり、そこにリリィはいた。片手にはさくらんぼが入っており、ソーダーで割ったカクテルをも持っている。


「あはぁ〜。すごぉ〜い! 鬼雨が3人いる〜」


  横にあるグラスを数えると既に3本は飲んでいた。よく、こんな短期間でこんなにものだと感心しつつも、どうにかしなければならない。


  リリィをソファーに移動させ、急いでフロントに向かう。


「あー。こういう場合、なんて言えばいいんだ? ……ええっと……」


  戸惑っていると受付のお姉さんがニッコリと笑ってこちらを見据えてくる。さらに戸惑うのでゆっくりと深呼吸をして、記憶の中を探る。


「あー…ステンノー?」


  ボスの言葉を思い出し、伝える。すると、さっきまでニッコリとしていた顔がいきなり豹変して、奥の方に入っていった。待つこと数分、再び戻ってくると─


「組織の方ですね? お名前をお願いします」


 いきなり流暢な日本語に変わり、驚きつつも自分の名前を書く。そして、お姉さんは再び奥の方に入っていった。今度はすぐには戻ってきた。


「最上階の1508号室を用意しております、そちらのエレベーターをお使い下さい」


  左にある3本あるエレベーターにのうち1番右端をリリィをお姫様抱っこしながら乗る。そこから見た景色はすごく赤が印象的な感じだった。


  特に目立った建物は無かったが、街の人達はみんな生き生きしているのがわかった。街に見とれていると─


「うへぇー飲みすぎたぁ〜気持ち悪い〜」


「もうちょっとだ。我慢しろ!」


  エレベーターが止まると待っていたのは広い廊下。そして、部屋のドアはオートロックで最新式のやつだった。

 早速開けて入ると、1通の手紙が机の上に置いてあった。

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