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第二十話 記念IFストーリー

私には1つ歳上の幼馴染がいる。

隣に住んでいて、名前は橘徹。


私は小さい頃からよく一緒に遊んでいて徹お兄ちゃんと呼んでいる。でも大抵は徹を抜いて、お兄ちゃんって呼んでるけどね。


ほんとの兄妹では無いけれど、私とお兄ちゃんは昔からよく兄妹みたいだねぇと言われることが多々あった。


昔はとても嬉しかったけど、高校生になった今。ううん。中学生の頃からこの兄妹みたいと言われるのは嬉しく無くなってきた。


だって……私は……


お兄ちゃんと兄妹と言われるんじゃなくて、夫婦って呼ばれたいっ!!


確かに兄妹もいいけど、やっぱり夫婦でしょ!!


そしてゆくゆくは本当にお兄ちゃんのお嫁さんになって町内一ううん。次元一の夫婦って呼ばれるようになるんだからっ!!


もう婚姻届は私のサインを書いて準備してあるし、お母さんとお父さんの了承もちゃんと得たからあとはお兄ちゃんが十八になるのを待つだけ!!


あ〜妄想が膨らんじゃうな〜!!


あのお兄ちゃんにアナタって言っちゃうのか〜

そしてお兄ちゃんからはいつものイケメンフェイスの口から真理って言われちゃうんだろうな〜!!


※今も真理と呼んでます


あ〜もうっ幸せ〜!!ってまだ結婚してないんだった。でもちょっとよだれが

ぢゅる


おっとそろそろお兄ちゃんを起に行かないとね。


私は小学生の時からお母さんに結婚の予行演習と言うことで毎日、お兄ちゃんを起こしに行っている。お母さん曰く好きな男には朝一番に自分の姿を見せないor魅せないってことらしい。


確かに私も朝一番にお兄ちゃんが起きてから見るのは私がいいなって思ってるからこれはちゃんと毎日かかさずやっている。



「お兄ちゃん起きてっ!」


「おう真理おはよう」


「……」


「ん?どうした真理?」



お兄ちゃん目覚め良すぎだよ〜!!


いつも思うけどなんでお兄ちゃんはそんなに目覚めがいいの!?


普通ならぐずったりして中々起きないところでしょ!そこは!!


もう〜毎朝、毎朝どんなシチュエーションで起こそうか楽しみにしてるのに、まさかの一声で毎朝起きられたらショックだよっ!!


まったくこれだからお兄ちゃんの寝顔は一声かける前ver.しか取れないんだよね。全然コレクションが増えないよ〜!!


「ううん。何でもないよ。それよりほらっ朝ごはん食べて学校に行こっ!!」


私は毎朝お兄ちゃんを起こしたあと、必ずといっていいほどこの台詞を言っている。重要なのはこの台詞を言ったあとに首を少しこてんっとさせるところ!


これでお兄ちゃんな朝から私にメロメ……


「そうだな先に下で待っててくれ」


ロにはなかなかならないんだよね。ぐすっ



「おーい徹〜。昼飯食おうぜ!」


「わりーな。今日も真理と食べる事になってるんだ」


「ちくしょーまたかよー。いいよなーお前あんな可愛い子と昼飯食えてさ。やっぱ付き合ってるだろ!」


「いやただの幼馴染だって」


確かに真理は可愛いけどなっ!


「ほんとかよー」


「ほんとだって」


実際ちょっと、違うなかなり、いや絶世の可愛い幼馴染なだけだからな。


「でもさほんとに可愛いよなあの子。噂じゃ毎日告られてるらしーぜ」


「まあ実際可愛いからな。告白も何度かされたっては言ってたな」


「まじかよっ!じゃ噂はあながち間違いってわけじゃねーんだな」


「だな。でもあいつ告白されたっていう自慢はしてくるくせに未だに誰とも付き合ってないんだよなー。」


「おいおいそれって……」


「?」


「いやなんでもねー」


「そうか。じゃ俺は行くわ。真理の手作り弁当がまってるからなっ!」


「くそっ羨ましすぎるぞっ!……ふぅ。つーか真理ちゃんの好きなやつって……徹お前だろ」



えーと確か今回も屋上だったな。


あいつ屋上好きだよなー。


なにが「やっぱり男女でご飯を食べるなら屋上だよっ!」だよ


そんなもん彼氏でもとっとと作って毎日食えばいーのにさ。でも真理の彼氏かー。どーせイケメンとかと付き合うんだろうなー。

なんかこういうこと考えると嫌な気持ちになるな。なんでだ?






あいつが誰かと付き合ったらPCに保存してあるあいつの写真or動画を消さないとな。結構頑張って盗っ……撮ったりしたから消したくねーなー。


まっまだ当分大丈夫だろ




「ふんふ〜ん」


「……」


「おっこれ可愛いっ!」


「おい……」


「ん?何お兄ちゃん?いや徹さんかな……なんちゃって」


「なんでまた俺の部屋にいるんだ?」


「いいじゃーん幼馴染なんだしー。それより私邪魔?」


「うっ……そういうわけじゃねーけど」


「なら大丈夫じゃん」


これも幼馴染の特権だよねっ!!

思春期真っ最中の男の子の部屋に入れるというこの特権っ!!


友達はみんなそれのどこがいいの?って言うけど私にはひとつの空間に二人で入れるということが重要!!


これもゆくゆくは結婚してリビングとかで寄り添って2人だけの時間が増えるんだろうな〜!!あ〜早く結婚したい!!でもその前にちゃんとお付き合いからやりたいな〜!!


「なあ真理」


「ん?」


「今日も告白されたんだろ?」


「されたよー。それがねすっごいイケメンだったの!!」


まっお兄ちゃんの方が数兆倍イケメンだけどねっ!!


「じゃあOKしたのか?」


「うんん〜。」


「またしなかったのか」


だって私が付き合いたいのはお兄ちゃんただ1人だからっ!!


「なんでいつもOKしないんだ?もしかして好きな人でもいるのか?」


なんか今日のお兄ちゃんはいつもより違う……


目が真剣だ……


これはちゃんと言った方がいい……よね?


「……うん……いるよ」



あ〜言っちゃった〜!!

言っちゃったよ〜!!


バレたかな?バレたよねッ!!

私の好きな人はお兄ちゃんってこと!!


ちゃんと週4で練習してる上目遣いしてアピールもしたからこれもうバレたよねッ!?



「……そうか」


あれ?なんでお兄ちゃん背を向けるの?


え?なんで?


まっ気のせい……だよね?



あの日以来お兄ちゃんが何となく冷たくなった気がする。


一緒に帰る事も少なくなったし、朝一緒に登校するのも少なくなった。


それに私がお兄ちゃんの部屋に行くと、お兄ちゃんは必ず「ここにいつもいたら色々面倒だろ?」なんて言ってくるようになった。べつに面倒どころか一緒に入れるだけで幸せなのにな〜


最近お兄ちゃんが何となく冷たくなったせいで、撮る写真の数もだいぶ減っちゃった。これは非常にまずいよっお兄ちゃん成分が足りないよっ!


私はいよいよ命の危険を感じ、(※徹成分不十分の為)お母さんに色々とここ数日のことなどを話して相談してみた。


「ふーん。徹君が冷たいねぇ」


「そうなんだよ!どうしようお母さん!!」


「あんた浮気とかしたんじゃないでしょーね?」


「そんなことしないよ!!私の瞳はお兄ちゃんしか映ってないよっ!!ていうかお兄ちゃん専用で他の男性が映る隙間もないよっ!!」


「我が娘ながら凄いわね。でも私の若い頃もそんな感じだったし同じよね。ん〜。今のを聞く限り真理に原因な無さそうね。だとしたら……」


「だとしたら?」


「徹君に彼女が出来たとかっ!ってちょっと真理!嘘!冗談!冗談!」


「嘘でも酷いよ……お兄ちゃんに彼女とか……」


でも今まで考えたことなかったな。


私は小さい頃からお兄ちゃんと結婚するって決めてたから、というかそうなるものだと思ってたんだけど、お兄ちゃんはそういう風に思ってないかもしれないんだよね……

もしかしたら彼女が居るのかもしれないし……


「まっ徹君なら彼女ができたら言うだろうしね。」


「うん。お兄ちゃんなら言うと思う……」


あのお兄ちゃんなら真っ先に報告すると思うし


「でもほんと、原因が分からないのよねぇ。呼ばれ方が嫌なのかしら?」


「呼ばれ方?」


「ほら真理って今でもお兄ちゃんって呼んでるじゃない?もしかしたらそれが嫌なのかも」


「……そうなのかな?」


「男の子はそういうの気にする人もいるからね。」


そういうものなのかな?

でもお兄ちゃんだって男の子だし。もしかしたら周りの目とか気にしてるのかも……確かに実の妹でもない私にお兄ちゃんって呼ばれるのは嫌なのかも……


「じゃ私。もうお兄ちゃんって呼ばないようにする」


「そうね。何もしないよりはいいと思うわよ」


「うん」



俺は最近あまり真理に近づかないようにしている。

真理に好きな人がいると聞いたあの日から。


なんなんだよ


って言うのが正直な気持ちだ。いっつも傍にいて、俺のことを気にかけてくれていた真理に好きな人がいると聞いた時はもうどうしていいか分からなかった。


俺はうっすらと将来は真理と一緒に結婚とかするものだと思ってた。でもそれは俺が思っていただけで真理は思ってなかったんだよな。馬鹿みてぇだと自分でも思う。


それにここ数日は真理は昔から俺の事をお兄ちゃんって言ってくれていたのに、今は徹さんって呼んでいる。俺は、俺に懐いてくれてるみたいでお兄ちゃんって呼ばれることが嬉しかったのに、徹さんって呼ばれるのは真理から他人扱いされてるみたいで嫌だ。まっもともと他人なんだけどな……


今じゃ部屋にも来なくなった。

俺も最初は真理が好きな人がいると聞いて、男の部屋にいつまでもいるのは良くないと思って、声はかけてたけど、それでも居続ける真理にちょっと嬉しかったりもした。でも今はそれもない。呼び方を変えたのと同じくらいに部屋にはぱったりと来なくなった。


このまま疎遠になってくのかな……



あ〜もう無理!!


行きたい!行きたい!行きたい!行きたいっ!!


お兄ちゃんの部屋に行きたいっ!!


お母さんが部屋に行くのも辞めた方がいいって言ってたけど、もうっ無理っ!!我慢できないっ!!写真じゃもうこのどうしようもない衝動は抑えられないよっ!!お兄ちゃんの部屋でお兄ちゃんの匂いを!温もりを!お兄ちゃんを感じたいよっ!!


それに呼び方を変えて、学校とかで徹さんって呼んでるけど……


恥ずかしすぎるよっ!!


なにあれ羞恥プレイ!?なんでまだ結婚もしてないのに将来の呼び名を皆の前で言わなきゃならないの!?


あれももうっ無理っ!!普通にお兄ちゃんって呼んで抱きついたいっ!!ていうか今すぐにでも抱きつきたいっ!!お兄ちゃんに包まれたいっ!!


徹さんって呼んでから告白さらる回数も倍以上に増えたし、いいことないよ……


もう我慢できないっ!!お兄ちゃんの部屋に突入するっ!!


ちょうどお兄ちゃんの部屋に明かりはついてるし私は行くっ!!もうこのどうにもならない気持ちは止まら……お兄ちゃんしか止めれないのっ!!


小さい頃にお兄ちゃんの部屋にすぐ行きたいって言ったら、まだ築四年くらいだったお家をリフォームしてくれたおかげで(お父さんほんとにありがとっ!!)私の部屋はお兄ちゃんの部屋の隣!!徒歩?ジャンプ1秒くらいの近さ!


これでいつでも直ぐに会えるっ!!そして今会いにいくよお兄ちゃん!!待ってて!!


そして私は気持ちを伝えるよ

いつまでもこのままじゃ駄目だもんね



真理からメールが来た。

疎遠になると思ってたところでのメールだから少し嬉しい。


今から部屋に来るらしい。なんでも大事な話があるとか……正直、聞きたくない。でもちゃんと祝福はしてやらねーと。


小さい頃から一緒だった可愛い幼馴染なんだから。


その幼馴染の幸せの吉報なら。



「で話ってなんだ?」


私が部屋に着くなりお兄ちゃんが聞いてきた。


私は久しぶりのお兄ちゃんの部屋をまず満喫したかったけど、お兄ちゃんが真剣な目をしているので逃げちゃ駄目だと思った。


「うん……話って言うのはね……私……」


「待ってくれ。お前がその言葉をいう前に俺もお前に言いたいことがあるんだがいいか?」


「え?」


「すーはー。ふぅ。俺はお前が好きだ!真理が大好きだ!違うなお前が好きな人ができてる時点で大好きだった……かな。!?ど、どうした真理!?」


「うぇっく。お、お兄ちゃん……私の事好きってほんと?」


「お前今、お兄ちゃんって……あぁ大好きだ真理。でももう遅いよな。お前には好きな人が居るんだし……」


「え?」


「お前には俺じゃない、別の人が好きなんだろ?」


「へ?居るわけ無いじゃん!お兄ちゃん以外に好きな人なんて!!」


「え!?でもお前、好きな人いるって」


「それはお兄ちゃんのことだよっ!!あの時アピールしてたのに気づかなかったの!!」


「え、あ、あれ?」


この後私とお兄ちゃんは色々と話して誤解がかなり重なっただけだと知った。


お兄ちゃんが冷たくなった理由も分かったしスッキリ!!


まったく〜私がお兄ちゃん以外好きになるなんて事無いのにな〜。……お兄ちゃん嫉妬してたってことだよね。ちょっと嬉しいよ。お兄ちゃん。



「明日だな」


「そうだね!お兄ちゃんの誕生日!!」


「こらっお兄ちゃんじゃなくて徹だろ?」


「でも嫌だったんでしょ?」


「あの時はな。でも今は違う」


「ふふ。分かってるよ徹さん」


「明日ちゃんと予定開けとけよ?」


「分かってるよ〜誕生日パーティーでしょ?」


「それもそうだけど、昼もちゃんと開けとけよ。出しに行くんだから」


「うんっ!」


私達は付き合って、婚姻届を提出するまでに至りました。


今では写真のお兄ちゃんではなく本物のお兄ちゃんで成分を何も気にすることなく補強できるので、毎日が幸せです。


あっ徹さんでした。



IFストーリー


完。

ということで真理が幼馴染だったらでした。


またIFものを書きたいなと思います。


感想等々頂けると大変嬉しいです。


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