第十六話椅子取りゲーム①
今日は鳳さんが生徒会の仕事で遅いというので、久しぶりにお兄ちゃんと二人きりっ!
鳳さんが入部してくれて女の子だけの話もできて楽しいけど、やっぱお兄ちゃんだよっ!!
久しぶりにお兄ちゃんと部室で二人きりなのはちょっと緊張しちゃうな〜。
「暇だね。お兄ちゃん〜」
まあ私は全然暇じゃないんだけどね。
お兄ちゃんをベストアングルで撮れるように頑張ってるんだけどねっ!最近ブレザーを改造して新たに導入したデジカメでっ!!一眼レフじゃバレちゃうからね。
それにしてもこのデジカメ方式は鳳さんから教えてもらったけど、鳳さんはなんでこんなことを知ってたのかな?ん〜〜。生徒会長だからかっ!
「そうだな。何かするか?」
「そだね。何かしよう!お兄ちゃんなにか考えて!」
「俺が?よし!ちょっと待ってろ今考える!」
やだっお兄ちゃん!
考えてるお兄ちゃんカッコ良すぎ!!
もう〜だめっ!!
悶え死ぬ〜。
はふっ
「よし真理、これはどうだ……だ、大丈夫か真理!?顔が赤いぞ!?風邪か!?風邪なのか!?これはいかん。早く救急車を……ええい!救急車なぞ待ってられるか!よし背中に乗れ真理!たかが100キロ俺にだって出せるっ!」
「ふぇ?ち、違うよお兄ちゃん!風邪じゃないから!」
「そ、そうか?でもまだ顔が赤いぞ?」
考えてるお兄ちゃんを見て顔が赤くなったって言えないよ〜。
「そ、それよりさ。な、何やるの?」
「ああ。椅子取りゲームをやろうかと……」
「二人で!?」
「むう。やっぱり無理か二人は」
「そうだよ。二人でなんて……」
ん?ちょっと待って?
二人でやると言うことは、椅子は一個しか使わないって事だよね?その一つの椅子を巡って二人でやるんだよね?となると……これは合法的に身体に触れることが……出来る!?ううん。待って。待つのよ真理。よく考えてみて、上手くやればもしかしたらお兄ちゃんの膝の上に座ることことが出来るかもしれないよ……!?た、確かに!!先にお兄ちゃんを座らせてそのあとに座れば合法的に膝の上に座れる!!
ならこれはやるしかないよねっ!!
「……出来るに決まってるじゃん!早速やろ!お兄ちゃん!!」
「お、おう?」
☆
へへ〜。
お兄ちゃんの膝の上、座りごごち良かったな〜。
なんかお兄ちゃんがいろいろやばいからやめようって言って、2回しか膝の上に座れなかったけど、凄く良かった〜。小さい頃はよく乗ってたな〜。なんていうんだろう……安心する。
それにしてもお兄ちゃん、さっきから顔が赤いな……もしかして……風邪!?
でもどこか朗らかな顔つき……
「遅くなってごめんね」
「あっ鳳さん!お疲れ様です!」
「ありがと真理さん。……どうしたの橘君!?顔が赤いわよ!」
「な、な何でもないです!」
「ほんとに?ならいいんだけど……。ところで何かしてたの?部屋が随分広く感じるけど……」
「椅子取りゲームしてたんですよっ」
「そうなの?それはおもしろ……」
ん?どうしたんだろ鳳さん?
考え込んで?
「……私も椅子取りゲームやりたい!」
真理視点で書くのが一番好きです笑




