第十五話下校②
「……なのよ……」
「……そうなんですか!……」
う〜ん。いい景色だ!
なんだろうねこの感じ。
もう〜なんとも言えないね!
だって見てみろよ……
俺の目の前に美少女が二人も居るんだぜ!?
おっと間違えた。
美少女一人と神美少女が一人だった。
もちろん神は真理なっ。
つーかこの世に真理以上のやついんの?
いないでしょ?
そうでしょ!
いや〜それにしても眼福、眼福。
目の保養ってほんとにあるんだな〜。
さっきからシャッター切るために指が止まらないぜ!
いや〜こうして会長と真理が仲良く並んで歩いてるのを見ると嬉しいね〜。
真理、油断しまくりで盗…撮り放題!
「ほら橘君も話しましょ?」
「そうだよお兄ちゃん!一緒に話そうよっ!」
とか言いつつお二人さん……
何故二人はかも当然かのように、そして、逆にこれ以外に方法があるの?っていう顔で……
真ん中を空けてらっしゃるの?
まっ行くけどねっ!
いや当然でしょ!
だって美少女と神美少女に挟まれんだぜ!?
行かないっていう選択肢を選ぶ方がおかしいでしょ!!
「会長いいんですか?俺が入っても……」
とか言ってももう真ん中に居るんだけどねっ!てへっ
「良いのよ。むしろもっと近寄っ……」
「なんか言いました?」
「ううん。ナンデモナイワ。それより橘君!」
「何ですか?」
「会長は辞めてって真理さんにも言ったでしょ?だから橘君も鳳って呼びなさい!……橘君には特にそう呼ばれたいのよ……」
「??わ、分かりました!鳳さん……」
やべー
今の会ちょ……鳳さん超怖かった。
そんなにも会長って呼ばれんのが嫌なのか?
「それより真理」
「なに〜?お兄ちゃん?」
「これほんとに下校してるだけだな」
「まあ、そうだね。でもいいでしょっ!」
まっ確かにただこうして帰るだけってのもいいな。
ただ……
ただだぞ?
ただそれだと買い食いしてる真理とか、ジュースをチビチビ飲みながら歩く真理とか欲しい服があって、けど財布にお金が無くて落ち込む真理とか……が撮れないだろ!!
いやそういうのはいつでも撮れるだろ嘲笑
とか思った人。甘いな〜
確かにそう言う機会は沢山あるだろう……
しかし……
しかしだな
季節が変わるように、町が変わるように、真理だって刻一刻と変化してるんだぞ!!
俺はなその刻一刻と変わっていく真理を記録として残したいんだ!!出来る範囲でだぞ?
俺はどこぞの変態じゃないからなっ!
あっいい笑顔……スマホ、スマホ……くそっ!近すぎてスマホを操作出来ねぇ!!
つーか腕が思った通りに……
ん?腕?
何故?why?
「あの〜鳳さん、真理」
「どうかしたの?橘君?」
「ん〜?どうしたの〜?お兄ちゃん?」
おかしい……
何故この二人は本当にどうしたの?っていう目で俺を見れるんだ?
俺がおかしいのか?
考えてみよう。
真理は俺の妹で完璧で神美少女だ。おかしい所なんて一つもない。
鳳さんも完璧の美少女で尚且つ生徒会長もやっている。これまたおかしい所なんて一つもない。
な〜んだおかしいのは俺か。
「いや、なんで二人共腕を組んでるのかな〜と思ったけど、よくよく考えれば普通だった。」
そうだよ普通のことだよ。
真理の未発達な胸が当たってるのも、鳳さんの見た目より感触で大きいと分かる胸が当たってるのも普通、普通。
うん。これ普通じゃないね。
結局この日は最後まで腕を組んで帰った。
俺は鼻血を出さないようにするだけで精一杯だった。
それと知ってるか?
最近の女子高生って胸のポケットにデジカメ入れてるんだぜ。




