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プロローグ:消えた図書館
放課後の図書館は、昼間の賑やかさが嘘のように静まり返っていた。
高校二年生の結は、借り忘れた本を急ぎ足で取りに来た。カツカツと靴音が床に響く。
「もう閉館時間、間に合うかな…」
本棚の間を抜け、いつもの自分の席へ向かう途中、違和感が走った。薄暗い奥の棚の先に、今まで見たこともない階段が現れていたのだ。
木製で古び、かすかな埃の匂いが漂う。
「こんな場所、前からあった…?」
好奇心が抑えきれず、結は階段を上る。
上がりきった先には、まるで時間が止まったかのような空間が広がっていた。壁には古びた本がぎっしりと並び、床には埃の粒が舞っている。
その中央に、一冊の古い日記が置かれていた。表紙には、金色の文字で「未来日記」とだけ書かれている。
手に取った瞬間、微かに冷たい風が頬を撫でた。ページをめくると、そこには見覚えのあるクラスメイトの名前と、これから起きる出来事が詳細に書かれていた。
「……これ、明日のこと?」
胸の奥がざわついた。だが次の瞬間、文字の隙間から薄暗い影がちらつき、結の心臓が跳ね上がる。




