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第9章―1 第二次世界大戦勃発と日本の参戦、及びその様々な余波

 第9章の始まりになります。


 本来ならば、第二次世界大戦勃発に際してのポーランド侵攻について、数話を掛けて詳細を描くべきなのでしょうが。

 主人公と言える米内洋六少佐どころか、日本政府は全く関与せずにポーランド侵攻は終えざるを得ないことから、敢えて1話でまとめました。

 1939年9月1日、ヒトラー総統率いるドイツ政府は、「ダンツィヒか戦争か」と叫んで、様々な謀略を自作自演で行った末に、ポーランドに侵攻した。

 これに対して、ポーランドを支援することを決めていた英仏両国は9月3日にドイツに宣戦を布告。

 ここに第二次世界大戦は勃発することになった。


 そして、ポーランドは英仏軍の西部戦線における大攻勢に因ってドイツを挟み撃ちにすることで、この大戦に勝利できると、事前には考えていたのだが。

 英仏軍の西部戦線における動きは極めて鈍い一方、ドイツ軍のポーランド軍の攻勢は極めて強いモノで、機械化が進んでおらず、又、圧倒的なドイツ空軍の猛威の前に制空権を失ったポーランド軍の敗勢は濃くなる一方になった。


 こうしたことから9月10日には、ポーランド軍総司令部は、残存兵力をルーマニア国境近辺のカルパチア山脈周辺に全軍撤退を指示しざるを得ない状況に陥った。

 そして、この山脈という地形を生かして、少しでも長くポーランド軍は抗戦しようと試みたが。


 9月17日にソ連が、「国家崩壊が差し迫ったポーランドにおけるウクライナ系住民とベラルーシ系住民の保護」を大義名分として、ポーランドに対して敢えて宣戦布告せずに侵攻を開始したことが、ポーランド軍の抗戦を最終的に断念させることになった。


 尚、このソ連の侵攻作戦は言うまでも無いことだが、事前に独ソ不可侵条約の際に、ドイツとの間で交わされていた秘密議定書に基づく行動であり、ドイツの暗黙の了解あってのことだった。


 そうしたことから、ポーランド軍のポーランド国内における抗戦は、10月6日に最終的に終了することになり、ポーランド政府はフランスに亡命政府を樹立することになった。

 更には脱出したポーランド軍兵士や、ポーランド国外に住んでいたポーランド人は、この亡命政府を支持するポーランド軍を編制することになった。


 こうした激動の世界情勢の中、秘密裏に締結されていた英国との協定に基づいて、日本も1939年9月4日にドイツに宣戦を布告する事態が起きた。

 更には、ドイツへの宣戦布告に伴って、同盟国である英国への信義を守るために、欧州へは新しく常設化された海兵隊を派遣すると共に、場合によっては、更なる航空隊を含む陸海軍の派遣を検討する、とも米内光政首相率いる日本政府は、公式発表を行う事態が起きた。


 これは日本国内の世論が、欧州への日本陸海軍への本格派遣には流石に否定的である、という現状に鑑みてのことだった。

 

 この辺り、米内首相率いる日本政府は満州事変が徐々に拡大していったのを、再演していると言っても過言では無かった。

 

 海兵隊は常設化されたばかりであり、多くの日本の国民からすれば、それこそ海軍特別陸戦隊が改編されて常設化したものだ、という代物に過ぎなかった。

 そして、海軍特別陸戦隊ということは、これまでの歴史的な経緯から言って、多くとも数千人規模というようなイメージを、この当時の日本の国民は抱いていたのだ。


 だから、却って多くの新聞等が、米内首相率いる日本政府を批判することになった。

 本気で英国をはじめとする諸国を支援して、ドイツと戦うのならば、もっと本格的な欧州派兵を行うべきではないか、と言う批判である。


(これは、皮肉にも日中戦争に敗北したことから、タカ派、対外積極派の面々の多くが、鬱屈した想いを当時は抱いていた、という裏事情もある。

 同盟国を援けるべきだ、中国国民党政府の後ろにいたドイツを叩くべきだ、とタカ派、対外積極派は大義名分を掲げて、大きく声を挙げたのだ)


 そして、米内首相率いる日本政府は、こういった声を逆用することで派兵拡大を図ることになるのだ。

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― 新着の感想 ―
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