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第25章―8

 私の調査不足から誤った描写に成っていたら、本当にすみませんが。


 1941年春の時点で、ドイツ軍の主力戦車は史実では35トン前後も無かったと理解しています。

 そうしたことが、この後の描写につながっています。


 この辺り、ドイツ軍蔑視にも程がある。

 史実でもT34戦車等の脅威を独ソ戦勃発前に把握する等、ドイツ軍は有能だったのだ、と以前に叩かれましたが。

 私には、そうはどうにも考えられず、この後の描写をすることになりました。

 話が余りにも逸れすぎたので、ドイツ軍によるル・アーブル救援作戦に話を戻すが。


 ドイツ軍によるル・アーブル救援作戦は、主にセーヌ川の右岸沿いに発動されることになった。

 これは、ル・アーブルがセーヌ川の右岸にある河口部の都市であり、又、ル・アーブル近郊になるとセーヌ川の川幅が広いでは済まず、セーヌ湾と呼ばれる程であり、その為に右岸、北側から救援しない訳には行かない、地理的条件からも引き起こされることだった。


 そして、そのことは当然に、英仏日等の連合軍側も予測しており、それなり以上の対処を行なわざるを得なかった。


「それにしても、良く間に合ったな」

 米内洋六中佐は、自らが所属する第四海兵師団直属の工兵大隊に感謝せざるを得なかった。


「一式中戦車が、30トン台半ばになる予定とのことから、それに対応できる工兵機材が、英米等の協力もあって、急いで開発されたのが大きいですよ。

 尚、何れは50トンまでならば、対応できるようにしよう、とのことです。

 最も早くとも四式、恐らくは六式と呼ばれることになりそうですが」

 米内中佐と会話をした、工兵大隊の中隊長は、そう言った。


 渡河作戦を展開するとなると、当然のことながら、戦車等を対岸に運ぶ必要が出て来る。

 そうした場合、既に橋が架かっていれば、問題は少ないのだが、今回の場合、セーヌ川に掛かっている橋は、それこそル・アーブルからは20キロ以上も離れており、未だにドイツ軍の占領下にあった。


 そうしたことから、一式中戦車に対応できるように開発された一式重門橋等を活用することで、一式中戦車にセーヌ川を渡河させることになったのだ。

 更に言えば、ドイツ軍は、一式中戦車にそのようなことが出来るだけの工兵機材を、日本側は保有していない、とも考えているようだ。


(これは、ある意味では当然で、この1941年当時、(史実でも、この世界でも)30トン台半ばの重量がある戦車を、ドイツ軍は保有していない、と言っても過言ではなかった。

 そうしたことから、日本の新型戦車にしても、そこまでの重量があるとは考えもしなかったのだ。

 

 それに1937年に行われた(この世界の)日中戦争で、ソ連製軽戦車に惨敗した日本軍戦車のイメージが、強くドイツ軍内に印象付けられており、それもあって日本戦車は弱体というイメージがあった。


 そして、いわゆる独仏戦で、(日中戦争終結後、急激な改造等があったのだが)日本戦車は優秀なのが判明したのだが、そんなに急には新型戦車をドイツ軍も開発できず、更には後方の技術関係者の間では、日本の戦車がそんなに優秀な筈がない、という蔑視が未だに根強いという事情もあったのだ)


 ともかく、そうした背景が、急仕立てではあったが、セーヌ川右岸に戦車部隊を展開できる状況を、日本海兵隊に作り出せることになったのだ。


 更に言えば、日本海兵隊の総司令官の南雲中将は、部下の参謀達の提言を入れて、臨時に各師団の戦車大隊全てを自らの直轄として、ドイツ軍の攻勢に対処させることにした。


 何しろ2個装甲師団が主力となって、ドイツ軍のル・アーブルへの攻勢が発動される以上、ドイツ軍の装甲車両数にしても、少なくとも戦車300両以上を始めとする、数百両に達するのは間違いなかった。

 そして、数は力でもある。


 こうしたことから、各海兵師団単位で戦車を運用しては、日本の戦車が各個撃破されかねない、と南雲中将以下の面々に危惧されることになって、各海兵師団の戦車大隊全てが、臨時に総司令部直轄扱いということになって、集中して運用されることになったのだ。


 そして、このことはドイツの装甲師団を、日本海兵隊が迎え撃つのに効果を挙げることになった。

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