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第4章―1 第二次上海事変の勃発から日中全面戦争への突入

 新章の始まりです。

 実際問題として、1937年7月末の時点では、どうのこうの言っても、いわゆる北支地域、北京(北平)周辺のみで日本軍と中国国民党政府軍が、小競り合いを頻発させていた、と言うのが現実だった。

 勿論、それに対応する必要がある、と日本政府も中国国民党政府も主張して、それなりの増援を北京(北平)周辺に送り込もうとしていたが。

 少なくとも中支、上海や南京周辺では緊張状態が高まっていたものの、日本軍と中国国民党政府軍が、現実に銃火を交わしたり、砲声を轟かせたり、と言うことは無かったのだ。


 だが、その一方で、中国国民党政府、及び軍による上海への圧力が高まりつつある現状から、上海の現地において、その圧力を少しでも軽減しよう、又、中国国民党政府、及び軍の対応を確認しようと。

 上海特別陸戦隊司令部は、日本から派遣されている上海領事を介し、(第一次)上海事変における停戦協定で双方が認めていた筈の非武装地帯に、昨年末から徐々に中国国民党軍が建築した上海への攻撃施設を撤去するか、そういった攻撃施設を残置したまま、非武装地帯から中国国民党軍の兵士が退去するか。

 その何れかの行動を執るように、1937年8月11日に求めることになった。


 この上海特別陸戦隊司令部の要求だが。

 米内洋六少佐個人としては、司令部に対して反対意見を具申していた。

 何故かと言えば、少しでも日本に対する攻撃の口実を探している中国国民党政府、及び軍にしてみれば、こういった要求を日本側が行うことは。


 そもそも停戦協定締結自体が、日本軍の武力による不当極まりない圧力に因って締結されたモノだったのだ。

 それなのに、そういった停戦協定に従った行動を、中国国民党政府、及び軍に対して行えと言うのは、日本の中国への侵略意図を明らかにした不当極まりないモノだ。

 だから、我が中国国民党政府、及び軍としては、こういった不当要求に屈せずに、断固戦う。

 という主張をさせて、日中全面戦争と言う事態を引き起こしかねない。


 そう米内少佐は主張したのだが。

 所詮、一大隊長の意見に過ぎず、上海特別陸戦隊司令部の大半は、米内少佐の意見を退けて、中国国民党政府、及び軍に対して要求を行ったのだ。


 そして、米内少佐の予測通りの対応を、中国国民党政府、及び軍は採って。

 上海市街に対する全面攻撃を行なう事態が起きた。

 更にこういう事態に突入したのが明らかになっては。

 日本政府としても、陸軍師団の上海方面への派遣を検討せざるを得ない事態になってしまった。


「厄介だ」

 そう(内心で)呟きながら、米内少佐は自らの指揮下にある第7大隊を率いて戦っていた。


 中国国民党軍は、

「中国が既に侵略を受けている以上、上海にいる日本軍を攻撃するのは、完全に自衛権の発動に過ぎない行動だ。更に強制に因って締結された停戦協定を順守する義務は、国際法上存在しない。それを守れ、という日本側の主張は、中国を侵略する意図を完全に露わにしたものだ」

との論理で、日本側の要求を即座に拒絶して、

「侵略者に対する自衛行動」

として、国際租界を含む上海市街に対する無差別爆撃までも断行した上で、日本軍への攻撃を開始した。


 流石に、この事態については、米英仏各国政府も中国国民党政府に対して、流石に国際租界に対する攻撃については許されない、として共同して抗議の声を挙げており、又、中国国民党政府側も遺憾の意を示して、今後は国際租界を攻撃しない、と声明を出しているが。


 現場の中国国民党軍は、政府の意向を完全無視しているようで、誤爆しただけだ、誤って着弾した等の言い訳をしながら、国際租界への砲爆撃を止めない事態が起きており、米英仏人にまで死傷者が出ている。

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― 新着の感想 ―
 事実上の日中開戦となる上海租界の攻防が遂に勃発!(´⊙ω⊙`)大戦末期には日常茶飯事となるがこの時期いまだに悪名高い都市爆撃が上海を襲う、統制の取れない国民党軍だからこそ無差別な形で日本も欧米も関係…
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