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第24章―5

 そして、近々始まるフランス本土解放作戦の為に、それこそ実戦を想定した訓練、演習を行なうのだが。


 本来は陸軍所属で、戦車部隊を指揮していた西住小次郎大尉でさえ、

「日本にいた頃は、とても想像できませんでした」

という代物になっている。


 無線、有線通信を駆使して、後方の重砲部隊、又、航空隊が、適宜に支援を行なうと言う前提で、訓練、演習が積み重ねられている。

 勿論、前線において、戦車や歩兵が協働で戦うのは、当然という意識で訓練、演習が行われている。


 日本にいる頃、陸海軍を問わず、通信のレベルは極めて酷いというか、貧弱極まりなかった。

 その為に、戦車部隊の指揮を執るとなると、手旗信号で行え、というのが当然に近かった。


 だが、戦場での弾雨や様々な煙、爆発によって土煙が上がったり、文字通りに火災による煙が生じたり、等々で視界が遮られたりするのは当然のことで、手旗信号で戦車隊の指揮を執る等、最前線に近づく程に困難というより、不可能な話になるのは当然のことと言っても過言では無かった。


(だが、そういった訓練や演習等の現実があっても、手旗信号で何とかなる、更に言えば、砲塔内にいるのは1人、砲手兼車長で充分だ。

 実際の戦場を考慮すれば、3人用砲塔が戦車では必要不可欠という主張等はぜい沢極まりない主張で、一人用砲塔で実戦では充分なのだ、というのが、(度々の描写になるが)史実の仏陸軍等、世界各国の陸軍においては多数派を占める主張といっても、決して過言では無かったのだ。


 そうしたことからすれば、(この世界の)日本陸軍が、日中戦争で惨敗する以前の戦車に対する考え、手旗信号で充分で、無線、有線通信を重視しなくとも問題ない、という主張、考えは真っ当極まりない主張、考えとしか、言いようのが現実としか、言いようが無かったのだ)


 だが、史実を絡めた、この世界なりの現実の話をするならば。

 日本海兵隊、陸軍においては、様々な通信機能を駆使した上で、後方の重砲兵部隊や航空隊と連携した上で、敵陣の突破を図るのが、当然と言う話、意識が、日本海兵隊、陸軍上層部では当然になりつつあったのが、1941年現在の現実だった。


(更に言えば、日本陸海軍以外の諸部隊においても、常識と言われつつあるのが現実だった。

 それだけ、(この世界なりの)1940年の独仏戦の結果等を受けて、世界の主要国においては、無線、有線通信の重要性が痛感される事態が起きていたのだ)


 とはいえ、無線、有線通信を駆使するとなると、それなり以上に様々な現状からの改善が必要不可欠になるのは、どうにも否めない事態だった。


(史実を絡めたメタい話をすれば)軍用機、特に単座戦闘機においては、無線通信機等、役立たずの重りに過ぎない、と言って、(本来的には勝手な改造だとして重罰なのだが、皆でやれば怖くないの現実から)無線通信機を、愛機から外して戦場に赴く搭乗員が、日本軍が第二次世界大戦に参加して欧州に赴く以前は当たり前のようにいるのが、現実だったのだ。


 だが、米英等からの技術的協力を様々に受けて、更にそれによる教育を受けた面々(その中には、それこそ米内中佐の妻の久子等までいるのが、この世界の現実だった)が、アース配線等について様々な努力をして、従前の機器の改善等に奮闘したことが相まったことから。

 更に、それが日本陸海軍内で大きく広まったことから。


 1941年5月に英仏日等の連合軍による大攻勢を発動する直前までに、海兵隊を始めとする日本陸海軍の通信問題は大きく改善されており、英軍に然程は引けを取らないレベルで戦場における通信を問題無く行えるレベルにまで、改善される事態が起きていたのだ。

 幾ら何でも通信問題の改善が進み過ぎ、と言われそうですが。

 それこそアース配線を見直しただけで、史実でも日本陸海軍機の通信問題が大幅に改善した等の逸話が転がる話ですので、英米等の協力が得られるこの世界では、日本陸海軍の通信問題が大幅に改善してもおかしくない、と私は考えた次第です。

(とはいえ、英米等には一歩遅れているのが否定できない状況ということでお願いします)


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― 新着の感想 ―
通信システムの向上により、各兵科単体ででなく諸兵科連合による連携を考えると通信システムの底上げにより戦闘のテンポが早くなってると言えるでしょうね。 現代だともっとデータリンクで各部隊繋ぐため更に顕著で…
 「史実事情を思えば無頓着に扱われていた無線などの機材への軍や兵士のぞんざいさが改善されすぎ」と言う声があるとしたら「史実の無頓着さは通信機器の及ぼすメリットより空戦を有利にする為に重り(無線機)を下…
戦史見ると一品物の職人芸以外で大量生産する工業力無かったらしいですからねえ。連合側に入れて水準が底上げされそうです。
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