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第22章―7

 ともかく、と言っては何だが。

 このドイツ軍が主導したユーゴスラヴィア王国への侵攻作戦の結果として、ドイツ政府が主導して、旧ユーゴスラヴィア王国は分割されて、統治体制が築かれることになった。

 

 基本的に北西から南東に向かって記述するならば。

 1,スロベニア - ケルンテン・クライン民政地域及び下シュタイアーマルク民政地域に分割された上で、それぞれが隣接する旧オーストリアに設置された帝国大管区に併合され、大ドイツの一部として扱われた。

 2,クロアチア、南部スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、西部ヴォイヴォディナにおいて、 クロアチア独立国が設置されることになった。

 3,セルビア - ドイツの傀儡政権であるセルビア救国政府が設置された。

 4,東部ヴォイヴォディナ、バチュカ - ハンガリー王国によって占領、統治下におかれた。

 5,モンテネグロ - 歴史的経緯もあり、ドイツの傀儡政権であるモンテネグロ政府が設置された。

 6,コソボの大部分、マケドニア西部、プレシェヴァ - イタリア支配下のアルバニアに併合された。

 7,ヴァルダル・マケドニア - ブルガリア王国の占領、統治下におかれた。


(尚、イタリア支配下のアルバニア領の拡大だが。

 これは、スロベニア、クロアチアにある炭田や鉄道網が、事実上はドイツの管理下に置かれることにつき、「その地域は、未回収のイタリアだ」として、イタリア政府からドイツ政府に対して抗議が行われた果てに、イタリア政府が英仏日側に立って参戦するとの最後通牒まで突きつけた末に起きたことだった。

 とはいえ、この代償では、イタリア政府は全く満足せず、ユーゴスラヴィア王国復興を目指すチュトニク等に対する密かな支援を行なう事態が生じたのだ)


 だが、この結末は、誰も満足しなかったとしか、後から振り返れば言いようが無い結末だった。

 例えば、ヴァンダル・マケドニア地域は、ブルガリア人と同じ言語を話しているマケドニア人が、圧倒的多数を占める地域だったが。

 ブルガリア王国政府は、ヴァンダル・マケドニア地域の住民を二級国民として見下し、大袈裟に言えばになるが、ヴァンダル・マケドニア地域の住民は、ブルガリア王国政府に黙って従え、という態度を執る有様だった。


(これは、ブルガリア王国政府に言わせれば、ヴァンダル・マケドニア地域の住民は、ブルガリア民族の誇りを持たず、ユーゴスラヴィア王国政府の統治に服していたではないか。

 そんなブルガリア民族としての誇りが無い民は、ブルガリア王国政府に黙って従うのが当然だ、という思考から起きた事態だった。

 

 尚、こういった思考は完全に偏見としか、言いようが無いが、現実世界でも、時としてみられることとしか言いようが無い。

 例えば、ドイツのオーストリア併合直後に、ヒトラー総統率いるドイツ政府は、オーストリアの住民を露骨に蔑視する態度を執っているとか。

 そうした事情もあったことから、第二次世界大戦後にオーストリアは独立国家として存続することになったのだ)


 こうしたことから、旧ユーゴスラヴィア王国内では、それこそ新たな統治体制が確立したとは言い難い極早期の頃から、ドイツ軍を主敵とした武装抵抗運動が、総動員が間に合わなかった旧ユーゴスラヴィア王国軍人を中核として起きることになった。


 そういった武装抵抗運動の主な核となったのは、二つの組織だった。

 一つ目が、ユーゴスラヴィア王国陸軍大佐のミハイロビッチを中核とするチュトニクである。

 二つ目が、ユーゴスラヴィア共産党書記長を務めていたチトーを中核とするパルチザンである。

 

 この二つの組織は、ユーゴスラヴィアの解放を目指したが、最終目標は異なっていて、相撃つ事態が起きた。

 ユーゴスラヴィア王国の分割ですが、かなり史実の第二次世界大戦で行われたのを参考にしています。

(この辺り、かなり悩んで、独自分割にしようとも考えたのですが、私も読者も混乱しそうで、史実に准じることにしました。

 最も、モンテネグロは、ドイツの傀儡政権が樹立される等、少し変えてはいます)


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― 新着の感想 ―
分割されても誰も喜べない不満のある事でしょうね。 チュトニクとチトーは相容れない関係ですからどう扱うか。
 全方向に不満しか残らないユーゴスラビア切り取り(・Д・)「未回収のイタリア」って言う第一次世界大戦の戦勝サイドに居ても認められなかったトコを今回なんなく掠め取ったラッキーとしか思えないイタリアすら『…
まあ王党派とチトーでは相容れませんね。しかし際限なく続く内戦になりそうだなあこれ。
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