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第3章―1 日中戦争勃発までに起きたこと

 第3章の始まりになります。


 尚、冒頭の描写がおかしい。

 史実を見る限り、1937年7月7日に盧溝橋事件が起きており、日中戦争に突入しています。

 という大量の指摘が起きそうですが。


 作者の私としては、数話後で描きますが、そういう主張に疑問があり、こういった描写になりました。

 1937年7月末、日中間の緊張は完全に高まっており、戦争状態に突入していると言っても過言では無い状況にあった。


 米内洋六は、先日、少佐に昇進したばかりだが、上海の情勢が完全に緊迫していること、更に上海に赴任して2年が経ち、現地の様々な状況に通暁していることから、日中間の緊張が高まったことから、増強された上海海軍特別陸戦隊の新設された大隊長に任命されて、その指揮を執ることになっていた。


 厄介だ、それが米内少佐の本音だった。

 本来、自分は海軍軍人なのに、そして、大隊長は中佐が務めるべきものの筈なのに、昇進したばかりの少佐が大隊長を務める等、縁起でもないことを考えるな、と自分で自分を叱るが、それこそ敗北寸前の末期戦を日本が戦っているようではないか。


 更に思えば、と米内少佐は、自分がここ上海に赴任してから、今までに主に日本本国であったことを振り返らずにはいられなかった。


 1936年2月に起きた2・26事件をきっかけに、岡田啓介内閣は総辞職し、廣田弘毅外相が新内閣を組閣した。

 だが、廣田内閣は、2・26事件で自滅したといえる皇道派の代わりに陸軍を握った統制派の強い圧力に苦しんだ、と言うよりも、積極的に迎合する有様だった。


 例えば、吉田茂を外相に据えられない等、廣田内閣の閣僚人事は統制派の要求通りになった、と言っても過言では無かった。

 他にも皇道派を粛軍する見返りとして、軍部大臣現役武官制を復活させるように、という統制派の要求を受け入れるようなことも、廣田内閣はしている。


 更には、2・26事件で命を奪われた高橋是清元蔵相が、懸命に立て直した日本の国家財政を、いわゆる馬場財政で、軍拡の為に大幅増税を行って積極財政を展開しようとしたことから、円が暴落して、市場は混乱し、日本経済全体にまで影響が及ぶ事態となってしまった。


 そうした背景から、廣田内閣に対する批判の声が、徐々に起きていたところに発生したのが、寺内寿一陸相と浜田国松衆議院議員が、議場で交わしたいわゆる「割腹問答」である。

 これに激怒した寺内陸相が、衆議院の解散を求め、解散をしないならば、陸相を辞任して、後任の陸相を陸軍は送らないとまで言い出したことから、廣田内閣は総辞職し、1937年2月に林銑十郎予備役陸軍大将が組閣する事態となった。 


 この辺りの経緯について、自分が海軍少佐という立場にあるのもあって、批判的に廣田内閣を見てしまっているのかもしれないが、それにしても、と自分は考えてしまう。


 確かに日中間の緊張は高まっており、軍拡が必要だ、という陸軍の主張は分からないでもない。

 だが、だからといって、大幅増税を行って、日本経済が混乱するような軍拡をしては、元も子もないだろうに、そういったことが陸軍と言うか、統制派には分からないのだろうか。


 そして、成立した林内閣だが、正直に言って、予算成立の為だけに組閣されたようなモノだった。

 当初は宇垣一成元陸相が、廣田首相の後継として最有力視されたのだが、「宇垣軍縮」の恨み等から陸軍が、宇垣内閣が成立した場合に陸相を出さないと強硬に主張、こうしたことから宇垣首相は誕生せず、林内閣が成立したのだ。


 だが、林内閣は、政務次官や参与官の任用を取りやめたことから、衆議院の二大勢力である政友会からも民政党からも、そっぽを向かれてしまったのだ。

 そして、妥協に妥協を重ねて、予算を成立させた直後に、林首相は自らの支持基盤を拡大させようとして、衆議院を解散したが。

 結果的にだが、衆議院選挙の結果、政友会と民政党の議席が増えると言う事態が起きてしまった。

 このために、5月末に林内閣は総辞職という結末を迎えることになった。

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― 新着の感想 ―
>「宇垣軍縮」の恨み等から陸軍が、宇垣内閣が成立した場合に陸相を出さないと強硬に主張、 ほぼ私怨で天皇陛下の大権(帝国憲法第10条)を犯している訳ですが、定年前に予備役編入された軍人は、丘に登った河…
 226以降の日本の混迷はもうギャグと思って笑うしか無い状況、確かにやった事はアカン事ですが東北の貧しい人々を救うって赤心はあった皇道派をカウンタークーデターで潰したら統制派による大増税&軍拡で実体経…
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