第19章―8
そういった背景があることから、日本海兵隊の4個師団の編制は、色々な意味で皮肉極まりなかったのだが、それなりに順調に進む事態が起きていたのだ。
それこそ日本海兵隊の母体と言える日本海軍本体にしても、日本海兵隊の順調な拡大については、本来的に言えばであるが、否定していると言っても過言でないのが現実だった。
とはいえ、様々な現実から、日本海兵隊の順調な拡大を、日本海軍本体は支持するしかなかった。
更に言えば、日本陸軍本体等も、それに加担せざるを得ないのが現実だったのだ。
そういったことが絡み合って、日本海兵隊4個師団の編制、拡大を、結果的にだが、順調に引き起こす事態が起きていた。
だが、混乱が全く無い訳では無く、何とも言いようが無い事態も引き起こされていた。
「1940年11月16日付けで、日本海軍(事実上は日本海兵隊)中佐に昇進ですか」
「何か文句があるのか」
「いえ、全くありません」
そんな会話を、上官と米内洋六少佐はすることになり。
更には、米内少佐は色々と考え込まざるを得ない事態が引き起こされていた。
米内少佐にしてみれば、素直に喜ぶべき中佐への昇進の筈だが。
様々な思惑が、裏ではあるのが自明としか言いようが無く、どうにも素直に喜べない事態が、引き起こされていたのだ。
日本海軍というか、日本政府及び軍にしてみれば、様々な兵器を米国政府、軍から提供して欲しい、というしかないのが現実だった。
とはいえ、それこそ此れまでの様々な歴史的因縁からして、米国政府、軍から、日本政府及び軍に対して、様々な兵器の提供が容易に為される筈が無いのが、現実でもあった。
そういった様々な事情を絡めた末に、米国政府から日本軍に対して、様々なレンドリースが行われる事態が引き起こされる事態になったのだ。
更に細かに言えば、ということになるのだが。
そういったレンドリースの様々な物資等を、日本が素直に受け入れられない事態が起きるのは、止むを得ないではない済まない事態だったのだ。
何しろ、(散々に既述のことだが)日本と米国双方の海軍、政府は微妙な関係と一言では済まない間柄だったのだ。
そうしたことから、一筋縄では済まない関係が生じるのも、当然としか言いようが無かったのだ。
その為に様々な混乱が現場では生じているとしか、言いようが無い。
こうした現実に四苦八苦しているとしか、言いようが無い身に米内少佐はある以上。
素直に中佐への昇進辞令を受け入れ哉る事態が起きてしまったのだ。
とはいえ、この昇進辞令を断れる訳が無い。
その為に、米内少佐はそれなりの会話を交わさざるを得なかった。
「ところで昇進に伴う転任は無いのでしょうか」
そう、米内少佐は尋ねた。
実際問題として、昇進に伴って転任するのが当然、と言っても過言では無いのだが、この時の米内少佐に対して、転任辞令は存在しなかった。
これに対する上官の返答だが。
「本来からすれば、転任辞令が出るのが当然だが、昨今の現状から転任辞令は出なかった。この後、折を見て転任辞令が出るだろう。その際の奮闘を期待する」
「分かりました」
茶番と言えば茶番だ、そんな想いをしながら、米内少佐は上官とのやり取りをして、中佐に昇進することになったのだ、
ある意味では、陸軍から海兵隊に士官や下士官を派遣した余波によるモノとしか、言いようが無い事態ではあったが、そういった事情も絡んだ末に、海軍(海兵隊)の昇進に伴う転任が順調に進まない事態が起きてしまっていたのだ。
(尚、この辺りは止むを得ない一面がどうにもあった)
そういったことから、海兵隊士官等の転任が遅れて、陸軍から派遣された士官等の転任が、順調に進む事態が起きたのだ)
少なからず分かりにくい描写になっているので、少し補足説明を。
それこそ急きょ、新たに2個師団を編制することになり、更に陸軍から大量の士官、下士官の転任があっては、それこそ師団内部の部隊編制をどうするのか。
ある程度は標準化されているとはいえ、具体的な編制や配属について、混乱が起きていると言っても過言では無く、米内少佐は、取りあえず転任未定のままで昇進したのです。
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