第14章―3
ともかく、この世界では史実と違う事態が多発することになった。
その為に英仏海峡沿岸に英仏軍主力を追い込んで殲滅するというマンシュタインプランは、どうしてもメタい話になってしまうが、史実では最高の作戦等の名声を博すことになるのだが、この世界では英仏等の海軍力の優位を無視した無謀極まりない作戦だった、という悪評が後世に長く残る作戦になってしまった。
そして、グデーリアン将軍率いる装甲部隊は、英仏海軍の戦艦等による艦砲射撃により、英仏海峡沿岸沿いにおいて、多大な損害を被る事態が起きた。
更にグデーリアン将軍が、命令無視による突進を行っていたことが相まって、ドイツ軍の装甲部隊は歩兵部隊(更に言えば、この世界のドイツ軍歩兵部隊は、ほぼ徒歩歩兵部隊と言っても過言ではないことから、装甲部隊の速度は、徒歩歩兵の進軍速度に合わせざるを得ず、装甲部隊の速度が完全に殺されることになる)と共に進撃が強いられる事態が、この後は起きることになった。
ともかく、こうしたことから、(史実ではダンケルク撤退を行った)英仏白軍部隊の多くが、英仏海峡沿岸沿いの撤退を試みて成功することになり、ノルマンディー、ブルターニュ半島等を拠点として、何れは反攻作戦を展開しようとする準備に掛かる事態が起きることになった。
勿論、ドイツ軍もそれを阻止しようとしたのだが。
既述だが、(史実でも)英軍は完全自動車化を果たしていたし、仏軍もドイツ軍以上の自動車化を果たしていたのが現実だった。
そうしたことから、ドイツ陸軍の全般的な速力は、英仏白軍の速力より劣る事態が起きるのは、必然と言っても過言では無かった。
更に言えば、英仏海峡沿岸沿いにまで侵出を果たして、ドイツ陸軍が英仏白陸軍の撤退を本格的に阻止できるのか、というと。
英仏日海軍の戦艦の主砲等による艦砲射撃の脅威に、ドイツ陸軍は直面する現実がある。
勿論、
「兵隊等は畑で採れる」
「所詮、兵隊は一銭五厘の値段で幾らでも集められる」
と割り切って、何処かの国のように兵隊の命等は、
「御国を護る為ならば、鴻毛よりも軽い存在なのだ」
と行動すれば良いのかもしれないが。
この頃のドイツ軍、特に陸軍等は其処までの割り切りができなかったことから、英仏海峡沿岸沿いへと英仏白軍主力を追い込んでしまったことも相まって、容易に英仏白軍主力の多くが英仏海峡沿岸沿いに、仏本国への撤退に成功する事態を引き起こしてしまったのだ。
(この世界では、ダンケルクからの撤退作戦の代わりに、英仏白軍主力が、ノルマンディー、ブルターニュ半島への撤退を行い、それに成功する事態が起きることになりました)
こうしたことから、ドイツ空軍は、仏本国政府の抵抗の意思を挫こうと、仏の首都パリ等に対する無差別爆撃を行い、ルーブル宮殿(美術館)等が全焼する事態が引き起こされたのだが。
(尚、幸いなことに、こういった事態を懸念した仏政府によって、ルーブル美術館の所蔵品の殆どが仏国内外に既に避難させられており、貴重な美術作品の多くが戦禍を免れることになった)
これはこれで、却って仏本国の国民の多くが、
「祖国フランスを何としても守れ」
と愛国心を高める事態を引き起こしたのだ。
そして、仏本国政府は、パリからブルターニュ半島にあるブレストに遷都して、
「様々な戦争犯罪を行うドイツに、我がフランスが降伏することは無い。それこそフランスの領土全て、ニューカレドニアやミクロン等にドイツの国旗が翻るまで、我がフランスは抗戦する」
と宣言する事態が起きた。
これはヒトラー総統率いるドイツ政府にしてみれば、大きな誤算だった。
仏は決して降伏しないと判断せざるを得なかった。
この独仏陸軍の自動車化率の差ですが、史実を絡めて言えば、実際には仏軍の方が自動車化が進んでいましたが、独軍は積極的に自動車化部隊を集中していたのに対し、仏軍は自動車化部隊を余り集中していなかったことから、独軍の方が自動車化が進んでいたという錯覚を生じていた、と私は理解しています。
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