3.5世代
「クッソ!!此処にもゾンビが居るぞ!!」
「ああああ!!!もう!!全然進めない!!」
「糞ったれ!!またルート変更かよ!!なまじ都会の癖して下手にゾンビが多い!!地図も無いからどうしようもねぇ!!」
現在絶賛イライラ中です。
ヘリの墜落跡から急いで退避した後取り敢えずの避難場所を見つけたんだが、そこに居てもいつかは、敵勢力に拉致される可能性も有るので、取り敢えずこれからどうやって島に戻るか話し合った結果自力で戻ることになってしまった。
しかもゾンビが多いせいで、身動きが殆ど取れておらず、未だこの県から抜けることすらできていない。
「銃を撃つわけにもいかねぇしなぁ...」
「奴らが集まるとどうしようも出来ませんからね...」
「どこか車を鹵獲しようにも、道が塞がれている所が多いし下手に乗って敵勢力に見つけられるのも堪んねぇしな」
そんな話をしながら道をあてなくすすむ。
右に行ったり左に行ったり...
そんな事をしていると国道一号線にぶち当たる。
「やっとここまで来たか...」
「足痛いよ...」
「走ったり飛び降りたり色々しましたからね...」
「しかし、なんで敵は、イグラなんぞ持ってんだ?」
「普通に可怪しいですよね?」
「案外大災害に乗じて日本を奪取するつもりかもしれねぇな」
「そんな事されたらたまりませんね」
「でもロシア国内も災害に見舞われているんじゃないか?」
「いや、最低限の人だけ逃して後は...ってな」
「それ本当に堪んないですよ」
そんな話をしながら警戒をしつつ歩く。
広い所に出たおかげか、結構気が楽だ。
「左手を海に向けながら歩くと意外と大阪まで帰れたりするんじゃないんですか?」
「ニート、お前がやれよ...」
そんな話をしながら進む....
時折ゾンビの大群に出くわしたりしたが、結構進めた。
夕方近くまで歩いたり、自転車に乗って銀輪部隊や!!とか言いながら進む。
山の中に入り、竜崎さんが、「コッチから近道の臭いがするぞぉ!!」という訳の分からない言葉を信じ、進むと寒村を見つけた。
「ほら!!行っただろぉ!!コッチから飯の匂いがするって!!」
そんな事を聞いていないが、着いて行く。
村まで近づくが、人気は全くなく、しかも争った形跡すらない。
「廃村か?」
「もし人が住んでいたら悪口にしかならないですよ」
明らかに最近まで人が生活していた形跡が見える。
「お!自販機あるぞ!!ここは都会なのか!?」
「街頭があるぞ!!此処は都会だ!!」
「いい加減にして下さい!!もし人がいt...」
姫華ちゃんが言い留まって急いで向いている方を銃を構えながら見る。
見ると、猟銃を構えた中年二人と、いかにも日本に似つかわない緑色した上着に、青と白のボーダーを着た白人がこちらに向かって拳銃を構えている。
「Привет!」
「.....」
「Привет!!」
「....」
ダメだ、意思疎通が出来ない。
「じ、銃を捨てろ!!」
「そうだ!!人間の敵め!!」
「に、人間だ!!撃たないでくれ!!今喋っていただろ!!」
ダン!!!
その音と共にロシア人の頭に穴が開く。
竜崎さんが撃ったようで、急いで隣の日本人を撃つ。
ダダン!!
「ひ、ヒィ!!」
ダダダン!!!ダダン!!
「糞!!撃ち漏らした!!」
幸い中年の一人は銃を落としたので、それに一発撃って使えなくした。
「逃げるぞ!!」
「了解!!」
「分かりました!!」
踵を返し、急いで走る。
するとグォォォオンと言う音と共に乗り物が動く音がした。
竜崎さんが、ガードレールを飛び越え一瞬居なくなる。
続いて姫華ちゃんも飛び降り、ドンケツの俺も飛び降りた。
ズザザザザザザ!!!!
「アダダダダダ!!!!」
どうやら軽い崖だったようで尻を打ち付けるように落ちた。
姫華や、竜崎さんの飛び降りた位置は、やらかい腐葉土が多かったが、汚くなるのが嫌なので、少しズレた綺麗な位置から飛ぶと砂利肌だったようで尻がもげそうになる。
「行くぞ!!早く走れ!!」
「はい!!」
「まって!!尻取れた!!絶対取れた!!」
「うるせぇ!!そんなギャグやってる暇ねぇんだ!!」
そしてまた走る。
メチャクチャに、しかしまっすぐ走り、結構離れた所まで来る。
車輌の音も小さくなり少し安心する。
「し、しんどい...心臓...爆発する...オエ....」
「ハァハァ....ハァハァ...」
「こんな事でバテてたら死ぬぞ!!基地に帰ったら、暫く特訓だな」
そんな声を聞き、泣きそうになるのを我慢する。
また、暫く走り、次は軽い崖を登る。
「こんな所登れません!!デブをなめんなよ!!」
そう言いながら浅そうな所を探す。
根っこが見えている所があったので、先に姫華ちゃんを登らせて尻を楽しむ。
散々見続け楽しみながら登ると直ぐに登り終わった。
もう一回登りたいなと思いながら姫華ちゃんを見ると、上気した顔で何ですか?とか聞いてきたもんだ!!
くぅ~たまりませんな!!しかも何をしても良いってきてる!!
そんな事を考えながら、竜崎さんの尻を追う。
「なんも楽しくねぇんだよな...」
「俺も楽しくねぇよ...なんでロシア軍がこんな所にいるんだ?」
「木で隠れれるんで、意外とホーカムとか、ハインドとか居るんじゃないんですか?」
「止めろよ!!居たらどうするんだ!!」
「たしか、サーモとか付いているんですよね」
「ああ、俺達は余裕で見えるだろうな....もしかしたら視認範囲外からチェーンガン飛んでくるかもしれねぇな...」
「それは最悪ですね」
そんな会話をしつつ進む。
暫く進むと山頂らしき所に着いた。見晴らしが良く、さっき居た所も望遠鏡を覗けば見える。
「とりあえず敵勢力の確認をしたら逃げましょう」
そう言いながら望遠鏡を覗く。
双眼鏡でもゴマ粒に見えるものを見ていると、さっきの音の正体が分かった。
「び、BMP...あそこには、T80か?...T90も居るぞ!!....近くに電波塔が有る所を見ると、なにかやり取りをしているのかもしれないな...」
「レーザー飛ばせるんでT80に当ててみます?」
「絶対止めろよ!!位置バレするぞ!!」
T90は、レーザー誘導をすると、レーザーを色々な所に飛ばし、しかも砲塔が自動でレーザーを当てている所に照準を合わす、優れ物だ。
するとBMPが動き回りながら道を走って行った。
ババババ!!!
「インカミン・チョッパー!!」
「方位!!」
「270°!!」
急いでその方向を見ると、ヒップが飛んでいた。
「増援か?」
そう思いながら見ていると、物資が投下されるのが見えた。
風に揺られながらこちらに飛んでくるのが見える。
「伏せて稜線裏まで隠れろ!!」
その声とともに匍匐前進しながら稜線裏まで下がった。




