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第153話 白と黒、そして灰色ー2

 俺は突然のことだったので、まずは日本の地下施設に転移した。

 田中さん達も地上にあがってきて、全員で空を見上げた。


 どこからでも不思議と見える空の裂け目。

 

「あれは……あのときの裂け目」


 田中さんが呟くように言った。

 今から20年以上前、空が突然裂けて、そこから世界中にキューブが降りそそいだ。

 そして今の現象は、その当時の状況と全く同じように見えると言う。


「一体なんなんでしょう……――!?」


 見たこともない巨大なキューブが、まるで白雪のような純白色に輝きながらゆっくりと顔を出した。

 通常のキューブは数メートル四方の立方体だ。だがそのキューブは、東京ドーム? いや、それよりももっと大きい。

 俺が見た建造物の中でも、これほど大きなものはないだろう。


 デカい。

 ただそれだけで圧倒される。


 俺達は全員身構えた。

 キューブ、封印の箱。

 そこには、魔物が封じられており、今まで碌な想いではない。

 特に黄金のキューブは今思い出してもトラウマものだ。


 それがあんな巨大なキューブ。

 一体なにが封印されているかわからないが……。


「そうか……そういうことか」

「ミラージュさん。あれが何か知ってるんですか?」

「ふふ、神の眼で見てごらん」


「灰君! どうすればいい! 戦闘準備か! なにかわかるか!」


 田中さんが叫ぶ。

 俺はミラージュさんが言う通り、神の眼でその純白のキューブを見る。

 そして、気づいた。


「そうか……そういうことですか……アテナさん。大丈夫です!! みんな、大丈夫!!」


 そうか……そうだったんだ。

 アテナさんは俺にも、ランスロットさんにも秘密にしていた。

 てっきりみんな死んでしまったと思った。でも違った。そりゃそうだ。みんな死ぬならアテナさんが封印という手を使うわけがない。

  

 みんなが死なない様に、封印を使ったのだから。


 そして俺達の目の前に純白のキューブが降りてきた。

 ゆっくりと開いたその中にはアテナさんと同じ、純白の翼を広げた女性達。

 そして、ランスロットさんやミラージュさんと同じ白い甲冑を着た騎士達と、おそらく戦闘員ではない民たちだ。


 つまり彼らは、白の国の国民たちだ。

 久遠の時を超えて、彼らは現代へとやってきたんだ。


 すると一人の騎士が前に出てくる。 

 無精ひげで、30代後半。渋くて、そしてかっこいい人。

 俺はその人を知っている。


「久しぶりだな。ふっ……しかし、君と言葉を交わすのは初めてかな? 剣なら交わしたが」

「はい……天地灰としては一度だけ。そしてランスロットとしては何度も」


 俺は泣きながらその人を見た。

 ランスロットさんの師匠であり、俺の最も強い光をくれた人。


 その人はニコッと笑い、跪いた。

 併せて後ろにいる騎士達全員が跪いた。


「封印のこと、世界のこと。アテナ様よりあの日起きた出来事と、そして今に至るまでの時の流れ。すべてを光として受け継いでいる。今より、我ら神の騎士団!! アテナ様とランスロットの光、受け継ぎし今代の騎士と共にもう一度戦おう!!」


 そしてその人の体は帯電する。

 バチバチという音と共に魔力が雷となって纏われる。

 

「神の騎士団、騎士団長――ライトニング・ラインハルトだ。よろしく頼む」

 




 地下施設。

 俺達は今、ライトニングさん、ミラージュさん含め何人かの神の騎士団の幹部と話している。

 こちらは田中さんと会長と俺、彩とレイナだ。


「ライトニングさんは封印の箱になったんじゃないんですか?」

「あれは、我らの魔力と肉体を使って、姫様が作った箱だ。しかし、灰が全て解放してくれたことを鍵として、封印の箱は役目を終えて解放。中に封印されていたものは世界にでてしまったが、キューブとなっていた我々も役目を終え、開放された。ということだ」


 実はあの後、世界中でモンスターが大量発生。

 というかキューブが無くなって全部出てきてしまった。

 しかし完全攻略を行い、ボスもエクストラも倒しているので脅威はそれほどはなく、次々と討伐されている。


 今は天道さんが人類解放軍のリーダーとして、戦い、神の騎士団が援護してくれて余裕だそうだ。

 神の騎士団――その強さは、一騎当千。

 一番弱い新米でも、魔力量だけでいえば天道さんを上回るほどの強さ。


 一人一人が超越者かと思うほどの強さで、俺達を助けてくれている。


 現に俺の目の前のライトニングさんは。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

名前:ライトニング・ラインハルト

状態:良好

職業:ライトニング【真・覚醒】

スキル:ライトニング、神速、サンダーボルト

魔 力:7500000

攻撃力:反映率▶75% =5625000

防御力:反映率▶25% =1875000

素早さ:反映率▶100%=7500000

知 力:反映率▶50% =3750000


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


 いや、強すぎだろ。なんだこの化け物。


「強すぎません? 知ってましたけど……」

「これでも世界最強だった……まぁ結果は不甲斐ないがな」


 ライトニングさん一人で、黒の帝国を滅ぼしそうな勢いだった。 

 だが、アーサーに敗北したと本人は言う。

 しかし、俺の記憶ではあれほどの連戦のあとに、あのアーサーだ。負けるのだって仕方ない。


「最初からいてくれれば……なんか一人で全部倒しそうですね」

「いいや、無理だ。実際我々は帝国に敗れている。だがこの時代は君がいる。そうだろ、灰」

「…………はい!」


 だからアテナさんは、すべてのキューブが完全攻略されたら。なんて条件を付けたのだろう。

 そして俺がこの時代で神の眼を手に入れて、すべてを攻略。ライトニングさんの役目も終わり、封印は完全にとけた。ということだ。


「ビビアン、それにマーリン。あれは姫様と同じ、スキルではなく魔術を使う。ゆえに姫様の封印の魔術が弱められた」

「前から思ってたんですが、魔術? ってなんですか?」

「魔術とは、スキルを再現しようとした技術だ。我々は生まれ持ったスキルを星によって与えられている。だが、魔術は星の力を使ってスキルを再現しようとしたものだ。姫様が言うには、すべてのスキルは魔術で再現可能だと。ただ複雑怪奇でそう簡単ではないとも言っておられた」

「なるほど……星の力?」

「あるいは魔力、あるいは運命、あるいは神。この世界を漂う魔力を指すことが多いがな」


 わかったような、わからないような。

 そして俺はライトニングさんなら何かわかるかもとハデスの目的を聞いてみる。


「いや、わからない。神の眼を手に入れようとしていることぐらいしかな。しかし、神の眼は我らが秘宝だ。かの皇帝に渡せば世界がどうなるか」

「秘宝? スキルではなくて?」

「ん? 神の眼は、アーティファクトだぞ」

「…………」


 ライトニングさんが何気に言った言葉。

 会議室が一瞬で静まり返った。

 そして少し間をおいて。


「「ええぇええええええええ!?」」


 俺達は、特に彩は立ち上がった。


「そうだ。先代の白の神、ゼウス様の母君がその身を犠牲に作り出し、白の国を統一させたアーティファクト。それが神の眼だ」

「え!? う、うそ……」

「嘘だと思うなら、その眼で神の眼のステータスを見てはどうだ?」

「え? そんなことできるんですか?」


 確かに一度もそんなことしようとも思っていなかった。

 俺はてっきり、ただスキルが与えられただけだと思っていたから。

 そして彩に手鏡を借りて、俺は自分の眼の詳細を見る。


−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

属性:アイテム(アーティファクト)

名称:神の眼

効果:星へのアクセス

説明

この星が司るすべてにアクセスすることができる。

アクセス権限のレベルによって、制限あり。

現在レベル2


適合者:天地灰

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「うわぁ……」


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