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【ネタ】外伝「頑張れ法王代理!」

設定の見直しのためになんとなくギャグENDの『外伝「奴隷主の憂鬱」』を読んでたら、奴が脳内で具現化してしまったので、勢いそのままに書いてみた。

そのままHDの肥やしになるのも勿体無いので投稿。

まあ、これが本採用案になるとしてもかなーり後の話になるでしょうね。


彼女のイメージはとある小説の変態淑女から来てる気がする。

白髪ツインテールに、頭から白い猫耳が生えて、腰から白い尻尾が生えてるイメージ?

そのうち語尾に「ですの」とか言いだしそう(笑


「エルレイナからの手紙ですか。何が書いてるのでしょうか」


 母親譲りの白い髪を指先で弄びながら、エンジェから渡された手紙が入った封筒を眺める。

 開封済みだったので暗殺の類の仕込みが無いことは確認済みなのだろう。

 私の友人であるエルレイナがそんなことをするわけが無いのに、エンジェの心配性には困ったものです。

 エンジェは私の教育係兼護衛なので、仕方がないのかもしれませんがね。


「フフフ、彼女とはまたお姉様の素晴らしさについて語り合いたいものですわね」


 私は、先日のお姉様が我が国に遊びに来たことを思いだす。

 お姉様が、まさか女装癖のある変態男の奴隷になってたと言う事実には驚きましたが、それ以上にエルレイナとの出会いは素晴らしいものでした。

 私がお姉様の素晴らしさを語れば、最後まで「あいあいあー!」と奇声を上げながら熱心に頷き、耳を傾けてくれたのが彼女でした。

 夜通し語り合える程の話し相手に出会えたのは、エルレイナが初めてでした。

 他の者に話せば「シズニア様の性癖にはついていけません」と訳の分からないことを言うのに。


 あの時の素晴らしき一夜を思い出しながら、エルレイナの手紙を封筒から取りだす。

 手紙を開けば幼児が書いたような、お世辞にも綺麗とは言えない文面が目に入る。

 私は手紙に目を通し、そこに書かれた文面に戦慄する。


『エルレイナ アクゥア おはなばたけ いった』

「お姉様とお花畑に行ったですって!」


 お姉様を誘って二人きりでお花畑に行くなんて、可愛い顔して何て大胆な女なんでしょうか。

 お花を摘む振りをして、背後からお姉様を押し倒してお姉様のあんな所やこんな所を摘むのですね?

 いやらしい!

 

 私の脳内で、お花畑の中でにゃんにゃんする二人の女性。

 本にすれば、即座に禁書指定されるような素晴らしき光景が展開されていく。

 

「ふんぬらばぁ!」

 

 うらやまけしからん光景に、おもわず鼻から熱い何かが吹き出るのを押さえるため、神速の如き速さで机の上にあった筆を取って鼻に詰め込む。

 

「ふががっ!? ……あぶないところでした。狐如きがこの未来の法王に楯突くとはいい度胸ですわね」

 

 手紙を介して、これほど強力な精神攻撃をするとわ。

 私としたことが油断しましたわ。

 以前会った時に、私と仲良くなる振りをして私の懐を探っておき、お姉様を独り占めにするために護衛がいないこの時期を狙っての邪魔者の排除。

 何という卑劣で姑息な裏切り行為。

 まさに女狐としかいえない、恐るべき所業ですわ。

 おのれエルレイナ。打ち首じゃぁあああ!

 

 怒りに震えた私は書斎の隠し扉を開け、隠し部屋から悪を滅ぼすための魔導書の数々を持ち出す。

 

「お姉様、待っていて下さい。すぐに私があなたを悪の手先からお救いに馳せ参じます」

 

 そもそも、あの女装癖のある変態鬼畜王にお姉様を預けてるというのが間違いなのですわ。

 なぜ、皆は奴隷になった可哀相なお姉様をあの鬼畜王から取り返そうとしないのですか?

 今頃、もしかしたらあの鬼畜王にご主人様命令で押し倒され、手足を鎖で縛られて嫌がるお姉様にあんなことやこんなことを!?

 

「ほにゃぁああ!?」

 

 私は脳内で展開された、本に出せば即座に私が買い占めるようなうらやまけしからん光景に、慌てて消し去ろうと頭上に手を伸ばして猫掻きをする。

 その際に、勢い余って後ろ向きに倒れてしまう。

 後頭部を床に強打し、激痛に悶絶しながら床の上をゴロゴロと転がる。

 

「ぬぐぉおお……おのれぇ、揃いも揃って愚か者どもが私に歯向かいおって」

 

 私がお姉様にいつかやりたいことの裏願望の堂々1位に輝くことをやるなんて……。

 ハヤト=サクラザカ……うらやま、いや、ゆるすまじ!

 

 床に散らばった魔導書をフラフラとした足取りで拾い集めてると、女狐からの手紙が視界に入る。

 よく見ると先程の文面の少し下に、続きの内容が書かれていた。

 

『アクゥア かいた』

「お姉様をかいた? どう意味でしょう」

 

 後頭部にできた大きなこぶをさすりながら謎の文言に頭を傾げる。

 尻尾がカサリと床に落ちてる物に触れたので、視線をそちらに移すと封筒が視界に入ったのでそれを拾う。

 

「んにゃ? 封筒の中にもう一枚紙が」

 

 封筒から取り出した紙を広げた瞬間、私は固まってしまう。

 

「これは……」

 

 私は親友であるエルレイナに、何てことをしようとしたのでしょう。

 その紙を見た瞬間に私は己の内にある邪まな心がすべて浄化されたような感覚を覚え、気付けば目許から涙が零れてた。

 

 私は机の上に置いている呼び鈴を鳴らし、彼女を書斎に呼ぶ。

 黒い侍女服を着たエンジェが書斎に入ってくる。

 

「お呼びでしょうか。シズニアさ……ま?」

 

 部屋に入って一礼をし、頭を上げたエンジェが私を見て固まる。

 

「なぜ、シズニア様は鼻に筆を突っ込んで、泣いてるのですか?」

「あなたは、このエルレイナから届いた手紙を読んでないのですか?」

「文面に目を通したのは女王様です。すぐにシズニア様に見せるように言われましたので、私は中味を見ずにお渡ししました」

「ならば、これを見なさいエンジェ。これを見れば私がなぜこのような過程になったかは理解できるはずです」

 

 エンジェは私が持っていた手紙を受け取ると一枚目を見て、一度頷く。

 

「なるほど、これでいつもの妄想をして鼻血が出たから筆で鼻を塞いだのですね」

 

 さすがですね。エンジェ。

 幼い頃からの私を知ってるだけに、その短い文面からそこまで的確に分析するとは。

 

 エンジェが二枚目の紙に目を移した瞬間に固まる。


「これは……どちらの画家がお描きになった物でしょうか? まるでアクゥアがここにいるかのような絵ですね」

「フフフ、残念ながら画家ではありませんよ。それを描いたのはエルレイナです」

 

 私の台詞を聞いた瞬間、エンジェのいつもは細い目が零れ落ちそうな程に見開かれる。

 目、でかっ!? きもっ!

 

「御冗談を。これほど御上手で有れば、しばらく有名な画家の元で修行さえすれば、すぐにでも国の専属の画家として取り立てられる人物になりますよ」

「それは良い事を聞きました。エルレイナの将来が楽しみですわね」

 

 普段は人を褒めないエンジェに、これ程までに褒められるとは。

 エルレイナ、やはり貴方はただ者ではなかったということかしら?

 

「さすがは我が親友。つまりは、私の目に狂いはなかったということですわね」

「変態は変態を呼ぶと言いますし、天才と変態は紙一重とも言います。シズニア様が認められたかたとなると、あるいは……」

 

 エンジェがエルレイナが描いた絵を真剣に見つめながら、ぼそぼそと訳の分からないことを呟く。

 それはどういう意味ですか?

 

「エンジェ。エルレイナにお礼の手紙を書こうと思います。その手紙と一緒に新しい万年筆を送ってあげて下さい。これ程の絵を描いたとすれば、以前渡した私の使い古しの万年筆を使い切ってる恐れがあります」

「承知しました。すぐにご用意致します」

「それとこの絵を国宝指定の作品として最高級の額縁に入れておきなさい」

「承知しました。これを国宝指定としておきます。最高級の額縁ですか……」

 

 エンジェが目を細め、何かを探るような視線を宙に向ける。

 

「でしたら、エシュバルツ帝国の第二王子の肖像画がとても良い額縁に入ってた気がします。おそらくシズニア様とのお見合い用に送って来たものですが、シズニア様が即座に気持ち悪いので捨ててと言われたので地下倉庫に眠っているはずです」

「なるほど。その案を採用しましょう。即座にそのごみを捨て、この絵画と差し替えなさい」

「承知しました。すぐに額縁を持ってまいります」

 

 エンジェが私に一礼をし、書斎を足早に出て行く。

 

 私はエルレイナから送られた紙を机の上に広げ、頬杖を突きながらうっとりとその絵を眺める。

 そこには、花で作った花飾りを頭に載せ、はにかむような笑顔でこちらを向くお姉様が描かれている。

 この絵を見れば、お姉様がエルレイナと楽しく過ごしてるのが手に取るように分かってしまう。

 私の前では、なぜか汚物を見るような冷え切った目をしてただけに、この笑顔は私にとってはかなり貴重な物ですわ。

 まるで、その場にお姉様がいるかのような芸術的な絵に、私はため息をついてしまう。

 

「お姉様がいなくなってつらい日々を送ってましたが、この絵があれば千年は戦えるわ! むちゅう!」

 

 微笑むお姉様に熱烈な接吻をした後、私は片膝をついて彼女達にこれからも幸せな日々が訪れることを願って、祈りを捧げる。

 特にお姉様と親友であるエルレイナには法王直伝の祝福の祈りを捧げ、鬼畜王にはじわじわと苦しむように邪念を送っておいた。

 

登場人物キャラクター……この設定は採用しなきゃ駄目?(笑)


◆シズニア:サクラ聖教国次期法王(法王代理)

 アクゥアを誰よりも愛する幼じみ。

 ツインテールでロリ体系の残念系美少女。14歳。

 

 常にアクゥアと合体したいと思ってる変態。性癖に超難有り。

 黒系のアクゥアと正反対の白い瞳に白い髪。白猫耳と白尻尾。

 アクゥアとの夜の合戦の為に、白い法衣服の下に、裸同然の勝負下着を常に装備している。

 愛があれば女同士でも子供ができると半ば本気で思ってるだけに、性質が悪い。

 むしろ、成人を迎えてお姉様へのプロポーズが成功すれば、国の予算を使って女同士でも子供ができる魔法を開発しようと本気で思ってる駄目猫人。

 ていうか、周りに宣言している。(傍目から見ても成功する見込みは0%なので、誰も本気で止めたりしない)


 魔力に関しては歴代の中でもずば抜けており、いずれは歴代最強と魔法使いになるのではと予想されている。

 次期法王に期待されて教育中ではあるが、アクゥアがいなくなってから、かなりやる気が減退している。

 頭の回転が速く、真面目に仕事をしてれば天才児と言われるような能力を発揮するが、基本はアクゥアのことで頭がいっぱい桃色お花畑な残念系ロリ美少女。


 エルレイナに会ってからは、アクゥアへの愛を理解してくれる唯一の友として認めており、勝手に親友と呼んでいる。


 アクゥアを奴隷にした経緯から、ハヤトのことを鬼畜王と呼んでおり。

 もし、自分がアクゥアを奴隷にしてご主人様になった時の妄想をして、毎晩ハァハァ言ってる。

 そして、むらやまけしからん状態のハヤトに勝手にむかついて、嫌がらせの邪念を送っている。





◆エンジェ:次期法王の教育係兼護衛

 豹人のお姉さん。

 深緑の髪と瞳が特徴的。耳と尻尾は灰色。

 いつも黒い侍女服を着ている。

 シズニアが真面目に勉強をしてくれないから、教育に手を焼いている。

 最近は、エルレイナから送られてきたアクゥアを描いた絵付きの手紙を餌に、シズニアを勉強するように誘導できて機嫌が良い。


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