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第三章 十話 得体のしれない男

 アンジェリカは緊張した。


 やはり場違いなところに来てしまったのでは――

 僅かに抱いたそんな後悔の念によって緊張してしまった。


 ただいま、彼女はゾクリュの劇場、そのロビーに居た。

 開演前のロビーには、彼女を緊張させるに足る光景が広がっていた。


 見るからに上質な召し物を身に纏う人。

 金と銀で拵えたアクセサリで自身を飾る人。

 飴玉ほどの大きさの宝石がはめ込まれた指輪をしている人。


 とにかく、見るからに金を持っていそうな人々が沢山居た。

 アンジェリカが生まれた村では、絶対にお目にかかることが出来ない人々がごった返していた。

 

 考えてみれば今日の劇は、世界的な名声を手に入れたルネ・ファリエール主演の、これまた世界的知名度を誇る歌劇座演出によるものなのだ。

 そんなビックイベントを世界中の金持ちが見逃すはずもない。

 このゾクリュに彼らが集結するのは、必然と言えよう。


 そしてその必然が産み出した結果がこれである。

 思い思いに雑談を交わし、時折わざとらしい笑い声を上げているこの光景は、正真正銘、上流階級の社交場であった。


 生まれ、育ち共に寒村であるアンジェリカにはあまりに眩しすぎる光景である。

 だから、気後れしてしまうのも無理からぬこと。


 自分はやはり場違いではないか――

 妙に浮いた存在になってしまっているのではないか――


 ロビーに足を踏み入れてから、アンジェリカはずっとそんな後ろ向きなことを考え続けていた。


「大丈夫だぜ。全然不自然じゃないから」


 抱いた居心地の悪さが隠せていなかったのか。

 クロードがアンジェリカの心中を慮る台詞を口にした。


 アンジェリカはそんな言葉をかけてくれた、クロードを見る。


 彼が身につけている夜会服はとてもシンプルなもの。

 贅に尽くし、趣向を凝らした周りの紳士達に比べれば、大分地味に見える代物である。


 だがしかし、彼の服をじっと見つめていれば、質の高い生地をふんだんに使用していることがわかる。


 周囲とは方向性が違えども、彼もきちんと上流階級らしく、衣服に金をかけていた。

 巨大な宝石や、煌びやかな装飾品で喧伝するのではなく、質にてさりげなく財力を主張していることに、貴族らしさが感じられた。


「……本当に、衣装に着せられてしまっていません? 浮いた雰囲気、醸してません?」


「いいや。まったく。まるで貴族の令嬢みたいに、きちんとサマになってるぜ」


「それ、ウィリアムさんにも言われました」


「ほう。そうか」


 そう言うやクロードは呵々と笑った。

 その笑顔は貴族にありがちな、どこかすましたものではない。

 むしろ親しみが持てる笑い方だな、とアンジェリカは思った。


「なら、もっと自信を持った方がいいぜ。何せ元貴族と現貴族がいいとこの令嬢にしか見えねえって言ってるんだ。最近はたしかにウィリアムはどうにも親バカ気味だがな。モノを見る目は全然衰えてないから安心しな」


 見る目を持っている二人が太鼓判を押したのだ。

 そんな風に伏し目がちにするんじゃない、と言わんばかりにクロードは優しくアンジェリカの肩を叩いた。


 そこまで濃密な接点を持つわけではないクロードは兎も角、確かに言われた通り、ウィリアムのモノを見る目は優れているとアンジェリカは思った。


 街に出れば時折、食い入るようにリトグラフのポスターを見つめていたりする。

 ある日には、有名画家の真作と謳って販売していた絵を、遠目で見るなりあれは贋作と即断したこともあった。


 その時は、遠くから見ただけなのに真贋を判断できるものなのか、と疑っていた。


 が、後日その絵を販売していた店が、偽物の絵を高く売りつけたことが発覚。

 結果、摘発されたことを知って、彼の目の良さに舌を巻いたものであった。


 審美眼に、描画を楽しむ姿勢。

 それ以外にもウィリアムと一緒に生活していると、ところどころ彼の育ちの良さが見え隠れするシーンに多々出くわす。


 戦争の影響で彼の家が没落していなければ、とてもおっとりとした貴族になっていただろう――そう、思わざるを得なかった。


 だからこそアンジェリカは気になるのだ。


「あの、クロードさん」


「ん。どうした?」


「ウィリアムさんって……その。自分の家がなくなってしまったこと。やっぱり、今でも気にしているんですか?」


 あまりに唐突な質問だっだからだろう。

 クロードは二、三回目を瞬かせて。

 そして何やら苦々しげな表情を作り出す。

 正直なところ、あまり話したくはない内容らしい。


 そんなクロードを見てアンジェリカは後悔の念を抱いた。

 だが今、聞いたことは気になって気になって仕方が無いことだったのだ。


 彼の中にある価値観の幾つかは、自身の生まれに由来するもの。

 それはつまり、ウィリアムは無くなってしまった家のことを憎からぬものと考えている証拠。


 にも関わらず、かの爆発事件があった日、自分が不用意にも生家の話を聞いてしまった時に彼は、そのことは気にしていないと言っていた。 


 自分が生まれ、育ち、そして家族もろとも消えてしまった出来事を、そこまで気にしていないと言ったのだ。

 これが家から散々な境遇を受けていたのならばわかる。

 だが、どうにもそうではないようなのだ。


 とても愛着があったように思えるのに。

 そんな存在が消えて無くなってしまったというのに。

 どうして、気にしていないと言えたのか。

 アンジェリカにはとんとそれが理解できなかった。


「……そこまで引き摺ってはないはずだ。だからある面では、奴の言う通り、気にしてないと言えばその通りになる。だが……」


 歯切れの悪い言葉をクロードは紡ぐ。

 声色同様、顔付きもどこかすっきりしない様子だ。


 そんな彼を見て、アンジェリカはこの話題が一言で片付くようなものではないことを悟った。


「……だが、あの出来事が、奴の人格に深い影響を与えているのも確かだ。それも悪い影響をな。無理もない。ウィリアムの人生で初めて失ったものだからな」


「初めて失った?」


「ああ、そうだ。あいつはな。まだ二十二年しか生きてないのに、沢山のものを失ってきたんだよ。失い続けた人生、と言ってもいい。その皮切りが、実家の消滅という出来事だったんだ」


 失い続けた人生――


 クロードのその評はアンジェリカの腑に落ちるものがあった。

 

 ウィリアムは表情にこそは出さないが、時折とても寂しげな雰囲気を醸すことがある。


 アリスやヘッセニアと居るときは、そうではない。

 しかし、彼がひっそりと一人で佇んでいるときに、その影が落ちていることを、アンジェリカは何度か目撃していた。


 その姿は本当に寂しげであった。

 声をかけるのを躊躇うくらいに。


 一人でいると、どうしてそんな雰囲気を身に纏うのか。

 今までその見当がまったく立たなかったけれど、今のクロードの言でうっすらながら、その真相を推測することが出来た。


 あの姿は、あの雰囲気はつまり。

 彼が追憶をしていたからではないのか。

 これまで彼の人生の中で失ってしまったものに対する追憶だ。

 戻ることのない過去を思い返し、感傷に浸るための時間。


(そう言えば)


 ウィリアムは何かにつけてこう言っていた。


 追憶に過ぎては前に進めない、昔を思うのは程々に済ましていくことが肝要だ――


 ――と。


 あれはウィリアム自身に向けていた言葉ではなかろうか。


 ふとした瞬間に在りし日を思い返してしまう自分を戒めるために。


 もし、そうなら彼は今も必死にもがいているのだ。

 過去に囚われないように。


 ずっと年下ながらこう思うのは、失礼かもしれないけれど。

 アンジェリカはそんなウィリアムの姿が、とても痛々しく思えてならなかった。


「――そのせいでアイツは――」


 そのクロードの一言は本当に小さなものだった。

 誰かに向けたものではない。

 思わず思考が口から漏れ出てしまったような、そんな感じ。


 そんな過去のせいでウィリアムがどうなってしまったのか。

 そいつを詳らかにするために、アンジェリカはクロードに問おうとするも、しかしそれは叶わなかった。

 外的要因によって。


 如何にも悩ましげな先の一言を呟いていたクロードに、恰幅のいい男がぶつかってしまったのだ。


「おっと。これは失礼いたしました」


「いえ。こちらこそ、ぼうとしてしまいまして。申し訳ない」


 互いに互いを詫びる社交辞令を、男とクロードは交わした。

 そして次いで、男はさながら品定めするかのような目色で、クロードを見た。

 それは一瞬のことだったが、しかし、つま先から頭の天辺まで、しっかりと舐めるように眺めた。


 一連の動きは、獲物を見つけたヘビを連想させるものであった。

 それ故、初対面の人間に抱くものではないと重々承知はしていたけれど。

 アンジェリカは恰幅のいい男に得も言えぬ気味の悪さを抱いてしまった。


 何の眼鏡かはわからぬが。

 どうやらクロードは男のお眼鏡にかなったらしい。

 さながらヘビの冷徹な視線からは一転、人好きのする笑みを大げさに浮かべた。


「いやいや。不注意だったのは私の方で。さっきので、お召し物は汚れておりませんかね?」


「ご心配なく。どこも汚れてはいませんよ」


「ああ。それは良かった。汚してしまったら、どうしようかと思いましたよ。何せ、貴方のその夜会服。滅多にお目にかかれないくらいに上質なものですからなあ。わたくしめの身分では到底弁償できそうになかったので」


「何、そこまでの品では。悪いものでもないのは確かですが」


 一応の謙遜はするものの、自分の持ち物を褒められていくらか気分がいいらしい。

 アンジェリカ同様、一種の品定めに警戒していたクロードであるが、その雰囲気がいくらかほぐれた。


「いえいえ。わたくしの見たところ、北部の逸品ですかな。あそこは織物で有名ですから。同じ機械織りでも中南部の代物とは目の細かさが段違いですからね」


「そこまでお解りになりますか」


「ええ。わたくしは商いをしておりまして。まあ、目で食っているため、少しばかりは自信があるのですよ」


 さらに故郷を褒められたものだから、クロードの気分はさらに良くなったようである。


 元々強い故郷愛を持つクロードにとって、北部を褒め称えられるのは、正しく殺し文句であったのだろう。

 先ほどまでクロードが抱いていた警戒感は、外から見てこれっぽちも感じなくなっていた。

 それはつまり、恰幅のいい商人が、クロードの懐に潜り込むことに成功したことを意味していた。


 その鮮やかな手管足るや、未だ商人に気味の悪さを抱いているアンジェリカにして、大した物だ、と思わせるほどだった。


「ああ。申し遅れました。わたくし、ハドリー・ロングフェローというものでして。先ほどもちょろっと漏らしたとおり商い……つまり貿易ですな。そいつに携わっております」


「何と。ロングフェロー商会の。その会長殿でしたか。私はクロード・プリムローズと申します」


 どうやら目の前の男、いや、男が産み出した商会はかなり有名であるらしい。

 クロードの声には演技では出し得ぬ、強い驚愕の色を含んでいた。


「プリムローズと、言うと……確か北部の。いやいや、貴族様でいらっしゃいましたか」


「おや、ご存じで。今や飛ぶ鳥落とす勢いの商会に、私らのような一田舎貴族家を覚えて頂くとは、光栄です」


「いえいえ。こちらこそ、とんでもない。いや、実のところ北部の貴族様たちとご縁を結びたいと思っていたところでして。何分、わたくし、これまで北部とはとんと縁がなかったもので」


「左様ですか。ならば、北部に御用があるときは我がプリムローズ家に、是非とも足を運んで下さい。一族総出で歓迎いたしますよ」


「ははは。それは楽しみですな」


 ハドリーはプリムローズ家から金になるにおいを感じ取ったのか。

 話はぶつかった謝罪から、いつの間にかコネクションを結ぶためのものに変貌していた。

 どうにも、王国北部の方まで自らの商圏を広げたいようで、その橋頭堡としてプリムローズ家と誼を結びたいらしい。


 ハドリーの商魂たくましさ、ここに極まれり、といったところだろう。


 クロードが名を聞いて驚いたこと。

 そして商いのにおいに対する嗅覚の鋭さ。

 チャンスを絶対にものにせんとする貪欲な姿勢。


 それらから勘案するに、目の前の男が作り上げたロングフェロー商会なるものは、相当に規模の大きい商会であることがうかがえた。


 しかし、何分田舎育ちであったためか。

 ロングフェロー商会と言われても、アンジェリカはいまいちピンと来なかった。


「……最近勃興してきた商会でな。歌劇座が再始動する際に、多額の資金援助をしてその名を世に広めたんだ」


 そんなアンジェリカを見て、クロードは彼女に静かに耳打ち。

 ロングフェロー商会のあらましを教えてくれた。


 なるほど。


 こう表現していいものかはわからないが。

 どうやらこのハドリーという男は、近頃勢いのある成金ってやつかもしれない。


 アンジェリカはそう思った。


「今日はご兄妹で観劇ですか? 北部からお越しとなると、随分な遠出だ。お疲れでしょう」」


「いえ。実は私の今の勤務地がゾクリュなもので。さらに運良くチケットが二つも取れましたので、友人が預かっている子と劇を観よう、となりましてね」


「ほう。それはそれは」


 クロードに向けていたハドリーの目が、アンジェリカに向いた。

 そして先のクロードに向けていたものと、まったく同じ目でアンジェリカを眺めた。

 ヘビを連想させる、あの気持ち悪い視線だ。


 思わず逃げ出したくなりような視線を、アンジェリカは耐えて、耐えて。

 そしてさきほどとまたまるっきり同じ。

 わざとらしい笑みをハドリーは作り上げた。


「お嬢ちゃん。よろしければ、お名前を聞いてもよろしいかな?」


「あ……。す、すいません。申し遅れました。私、アンジェリカ・ジェファーソンと申します」


「ジェファーソン……はて」


 アンジェリカの姓を口ずさんで、はて、と、ハドリーはほとんど顎と一つとなっている首を傾げてみせた。


 そしてクロードをちらと見る。

 何かを聞こうとしているような、そんな目つきであった。


 そんなハドリーに対して、クロードはふるふるとかぶりを振りながら答える。


「……戦争で色々ありまして、ね。私の友人が引き取ることになりまして」


「おお……これは、デリケートなことを聞いてしまいましたな。申し訳ない」


 先の人好きのする笑顔同様、大げさな身振りでハドリーは、アンジェリカに頭を下げた。


「しかし、あまりにもそのドレスがサマになっているもので。どこかのご良家の令嬢様に違いないと思って、必死に家名を思い出そうとしてしまいましたよ。いや、商人の悪い癖ですな。ははは」


「あ、ありがとうございます」


 なるほど。

 クロードが上機嫌になる理由を、今更ながらアンジェリカは知った。

 確かに容姿を褒められるのは悪い気がしない。


 それも先ほどより気にしていた、自分は浮いていないか、という懸念に応えるものであったのだから、なおのこと心に染み入る言葉であった。


 どうにもこの男には相手がかけて欲しい言葉を推察できる、商売人にうってつけの能力が備わっているらしかった。

 お陰でアンジェリカもほんの少しだけ、ハドリーに対する気味の悪さを和らげることができた。


 そろそろホールへの扉が開く時間が近いのか。

 ハドリーはまっ金々の派手な懐中時計を取り出して。

 文字盤を見るべく蓋を――開けようとした、その時。


 にわかに辺りがざわめいた。


 はじめアンジェリカはホールへの扉が開いたのかと思った。

 が、そうではないと、すぐに気がつく。

 誰しもがその場から動こうとしないのだ。

 そもそも出入り口すら見ていない。

 皆一様に、とある一点をぼうと眺めていた。


 一体何を眺めているのか。

 アンジェリカも気になって焦点を、彼らと同じところに合わせてみると。


「レナさん?」


 小さな身体に、ヘッセニアとは似ているようで、また違う艶やかな灰色の髪。

 先日アンジェリカ知り合ったばかりの、レナ・アイカがそこに居た。

 衆目そのすべてを一身に集めていた。

 

 確かに彼女は人の目を奪うに足る美貌を持っている。

 が、この半ば社交場と化したロビー全ての目を奪ったその理由は、何も彼女の相貌のみの力だけではない。

 むしろ今日この場においては、それは添え物に近かった。


 ロビーの注目を集めたその最大の要因。

 それは今のレナの着衣にあった。

 一枚の長い布を巻いたかのような独特な衣服。 

 真っ赤な椛と写実的な鹿の刺繍が見事それは、恐らく皇国の民族衣装だろう。


 つまりは皆、物珍しさで彼女を見ているのであった。


 当然アンジェリカも目を奪われた。

 あの服はなんと言うのだろう、と気にもなった。


「あれは……"着物"か? それに小さな体躯に、魔族譲りの灰色髪。彼女は――」


 ぼそりと呟く声が、アンジェリカの耳に届いた。

 声はすぐ近くから聞こえた。


 主はロングフェロー商会の会長であった。

 流石貿易を生業としていると言うべきか。

 あの珍しい衣服について何か知っているらしい。


 だから好奇心故にアンジェリカは聞いてみようと思った。

 

 しかし――


「――皇国人。か」


 ――質問は口から出ることはなかった。


 ハドリーが皇国人か、と呟いたその声色がとてつもなく暗いものであったから。

 その時の顔があまりにも黒い感情に塗りつぶされていたから。

 出そうとしていた言葉が霧散してしまった。


 それほどまでの威力を誇る、男が抱いていた感情とは。


(これは……憎悪?)


 アンジェリカは直感的にそれを感じ取った。

 今、この男が見せていたあまりに強い憎しみの感情。


 その圧に押し返されるように、アンジェリカは一歩、二歩と ほとんど不随意の後ずさりをしてしまう。


 ――この男、普通ではない。


 もはやアンジェリカはハドリーに対して気味の悪さを抱いてはいなかった。

 代わりに持ったのは強い恐怖であった。


「しかし開場が待ちきれませんよ。どんな素晴らしい劇が待っているのか。それを想像すると年甲斐なくワクワクしてしまいますな」


 しかし次の瞬間にはハドリーは、あのわざとらしさが漂う、威勢のいい顔付きに戻っていた。


 クロードが気がつかなかったことからも、あの極めて暗い表情の変化は、きっと瞬きするほどの短い時間のことなのだろう。

 

 だが、だからこそ。

 あの表情を見てしまったアンジェリカは、だからこそ。


 その一瞬の感情の変節ぷりになお、より強い恐怖を抱かざるを得なかった。

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