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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
聞いてほしいことがあるんだ
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告白された…… 再び!

新章開始&新キャラ登場!

章タイトルは仮です。

18/11/8:サブタイトルを変更しました。

 なんだかしまらない結末だったけど、一応二条君の騒動は終結した。そして、僕はいろいろとあって未悠さんへの恋心を自覚したのだけれど。

 だからといって何かを変えられるわけもなく、今日もいつも通り登校するのだった。

 あ、加乃先輩が騎馬戦の決戦を小説にしていいか聞いてきたのでポカポカしておいた。だって絶対不必要に脚色されるじゃん。




 ガシャン

「悠杜君、どうしたの?」

「い、いえ何でもないです」

 靴箱の扉を勢いよく占めた。何か入っていた。これは絶対不幸の手紙だ。中身がどうなのかはともかく、加乃先輩にからかわれるという点で。

 不振がられないように上履きだけを取り出した。あとでトイレ行くときにでも取りに来よう。




 その日の昼休み。昼ご飯を手早く済ませた僕は、図書館の裏手へと向かっていた。手紙でそこに呼び出されたから。明らかに女性の字で、かわいらしい封筒に昼休みに来てくださいと書かれていた。加乃先輩には隠し通せたんじゃないかなあと思う。

 無視するのも忍びないし一応行っておこうと思った。まあ、話は聞くだけだ。

「おお、来たやん。待ってたで」

 女子生徒だった。加乃先輩とちょっと似たような印象を受ける。あと、犬歯がちらっと見えていたのが特徴的だな。

「伏見悠杜やな、知ってんで。有名やからな」

「そうなんですか?」

「そや。騎馬戦の決闘見てたで」

「それは忘れてください……」

 関西弁だった。加乃先輩とは違う意味でペースに呑まれそうだ。というか声が大きい。

「それで、本題や。悠杜、うちと付き合わへんか?」

「はい?」

 とっさに聞き返す。いや、まあ何となく予想はしてたけど。

「だから、うちと恋人同士にならへんかって言ってるんや」

「いや、その、ごめんなさい。付き合えません」

「やっぱそーかー」

 やんわりと断る。あれ、予想通りだったのか?

「いやあ、まあ、ひょっとしたらなーって思てたんやけど、やっぱ無理か」

「あの、その、すいませんどういうことでしょう」

「え、自分未悠にぞっこんやろ? やっぱうちの入り込む隙ないわーってこと」

「まあ、そう言えばそうですけど」

 ようやく自覚した。まだ本人には伝えられないけど、別の人と付き合う気はないし。

「それより、どちら様でしょう? どこかで会いました?」

「初対面やで」

 ……初対面であれだけ図々しく行ってくるとは思わなかった。

「自己紹介すんの忘れてたわ。うちは枚方詩音。親衛隊№23、野球部の美人マネージャーって言ったらわかるか?」

 自分で美人って。


 ってああ!?

「ひょっとして未悠さんに告白したっていう!?」

「そや。うちや。まあ、にべもなく断られたけどな」

 そう言えばそんな噂があった。完全に忘れてたけど。

「マジでかわいい思たんや。ちゃうな。笑ったらすごいかわいいんや」

「それで、その、なんで僕なんでしょう?」

「そやから言うたやん。悠杜の恋人になったら上手いこと未悠と仲良くなれるて」

 ……京香さんの思考と言い、どうして僕の周りにはこう理解できない人が多いんだろう。あ、加乃先輩も理解できない。

「でも僕ですよ? あんまりさえないただの男子ですけど」

「自分のことそんな卑下するのはやめい」

 自己評価は低い自覚はあるけど、そこまで卑下している自覚はないんだけどな。

「うちが保証したる。あんたは価値のある人間や」

「そんなこと言われても」

「最初、未悠がなんて言われてたか知ってるか?」

 いきなりわけのわからない。というか、どうしてその話題に飛ぶんだ?

「氷の王女や。入学した時、まったく笑わへんかったしな。すっごいかわいいけどめっちゃ冷たいからそう呼ばれとった。なんや知らんかったんか?」

「知らなかったです……」

 笑顔がきれいだなとは思ってたけど。まったく知らなかった。でも、僕の前だとそんな印象なかったんだけど。

「まあ、あんたが知らんくてもおかしないわ。未悠、悠杜と出会ってからすごい笑うように変わったからな。あんたのおかげやで。加乃から聞いたけど、大分前からあんまり笑わんかったらしいからな」

「知らなかった」

 唐突に聞かされる未悠さんの過去。確かに僕の前だと笑顔をよく見かけるし、いつも笑っていて欲しいとは思うけど。

「それに、生徒会の仕事だってちゃんとやっとる。読書感想文なかなかのものやったで?」

「あ、ありがとうございます」

「文化祭も体育祭も特に問題なかったしな。難しいんやで、運営って。うちもマネージャーやってるからよくわかるわ。それを悠杜はようやっとる。しかも文化祭でペットカフェで大成功したっていうんやから」

「まあ、大変すぎるので来年は却下すると思いますけど」

 文化祭に関してはともかく忙しかった覚えしかない。まあ、頑張った思い出はあるけど。

「それから、最初の頃、ごっつ嫉妬されたやろ。うちもしてたからよう覚えてるわ」

「そう言えば……」

 確かに、そんな覚えがある。未悠さんと帰ろうとするだけでも射殺すような視線を向けられていた。それに辟易してたけど。だけど、最近は嫉妬はされるけど生暖かいというか、ただ羨ましい程度かもしれない。

「やけど最近は違う。そやろ?」

「確かに」

「みんな悠杜やったらしゃあない思てんで。未悠が取られるのは悔しいけど、あんたやったらお似合いやし納得できる。だから嫉妬はするけど憎みはしない。今はそんな感じや」

「そうなんですか」

 確かに、敵意を感じたのは二条君が久しぶりだった。前はすごく感じていた気がするのに。

「保証したるゆうたやろ。あんたはそんな簡単にできひんことをぎょうさん乗り越えてきた。それは誇っていい」

「……そうですね、肝に銘じます」

「そやろ。その上でもう一回聞くわ。うちと付き合わへんか?」

「残念ながらお断りします。僕にはもう、好きな人いるんで」

 賛辞は素直にうれしいと思う。だけど僕は未悠さんが好きだって気づいたし、だから別の人と付き合う気はない。それに、この人すごく打算的だし。

「こらあかんわ。もうぞっこんやな」

「そうですよ。あ、でも、未悠さんには内緒にしてくださいね」

「わかった。ほなまたな。どっかで会うことあるかも知らんし」

 そう言って詩音さんは去っていく。加乃先輩の次に要注意な人かもしれないなんて思って見る。だけど、自分に自信を持ってもいいかもしれないって思った。

 キーンコーンカーンコーン

 やばい、次の授業に遅刻する。

作者「今回から純レギュラーとして当て馬君が登場です」

当て馬「二条利頼です。よろしく」

作者「ちなみに竹田の活躍が最後って言ったのはこれから当て馬君がそのポジションに収まるからです」

当て馬「それより俺の表記どうにかならない?」

作者「ならない。却下。だって面白そうだから」

黒幕「私もどうにかならない?」


作者「やだ」


それから新作『幼馴染が落ちません!』を投稿しています。ぜひこちらもよろしくお願いします。

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