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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
あっちこっち忙しすぎるんだ!
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文化祭ってこういうものだよね

 二日目。

「それじゃあ、僕は行ってくるから」

「いってらっしゃい。私も後で行くね」

 葵に挨拶をして、家を出る。クーラーボックスは重い。面倒なので、アルテミスとアポロンの様子を見たら直接未悠さんのお父さんに送ってもらうことにした。インターフォンを押す。押したのは京香さんだけど。

「おはよう。待ってたよ」

「おはようございます」

「おはよう。それじゃあ、早速だけど中に入りますね」

 挨拶だけをして、フクロウたちの部屋に入る。ちょっとでもおかしそうだったらドクターストップ掛けないといけないしね。

「アポロンの方が212グラム昨日より少ない……」

「あれ、だめそう?」

「そうだね、普段だったら気にしなくてよくても、環境が環境だし、ここは安全を取って2人とも休ませようか」

「アルテミスも?」

「だね、2人一緒の方が落ち着くだろうし。明日調子がよさそうなら連れていこう」

「病気にならないといいしね」

 看板のアルテミスとアポロンがいないのは残念だが、そういうところは仕方ない。




「てんちょー、サンドイッチの注文です」

「そこ、右から二番目のクーラーボックスの中に作ったやつがあるからそれのラップ取って出して。というか、言わなくてもいいんじゃないの!?」

「てへ」

「あ、てんちょーカフェラテ、パンダ希望だそうです」

「僕はそういうのは無理!」

 絵心はあんまりないの。というか、別の料理も作りつつそんなことする余裕もないし! 忙しすぎ!

「そういや、てんちょー、今日はフクロウたちは?」

「おやすみって言ったよね。というか、そこの看板にも書いてあるはずだけど!」

 てんてこ舞いである。何でもかんでも僕に頼るのはやめて欲しい。昨日よりはましだけど、僕が抜けたらどういうことになるのか。午後の一番遅い時間のシフト抜けさせてもらうことになったけど、やめとけばよかったかな? ちなみに、『てんちょー』という間抜けな呼び名は諦めました。ただし、竹田。お前だけはだめだぞ。




「てんちょー、お客さんがてんちょーのこと呼んでます。って!」

「竹田、そう呼ぶなと言ったはずだぞ」

 こづきながらバックヤードからカフェスペースへと出ると、そこでは京香さんにつかまった葵が待ち受けていた。

「お兄ちゃん、店長やってるんだね」

「一応、これでも実行委員長だしね」

 そう言って、従妹の前で微笑む。お昼時は少し減る。まあ、軽食も出してはいるけどお昼時を少し過ぎたくらいだからちらほらとすき始めた。

「何か注文するか? それくらいなら奢るぞ?」

「えっと、ちょっと待ってね」

「じゃあ俺ビーフシチュー」

「竹田には聞いてない」

 というか、奢るのは葵の分だけだ。主に僕の財布と精神が圧迫されるから。

「じゃあ、ビーフシチューにしよっかな。お兄ちゃんの料理はおいしいんだぞ」

「これ、そこまでこってないんだけどなあ」

 ぼやきつつ、厨房へ引っ込む。ビーフシチューは鍋で常に温めているからな。結構早く出せる。オムライスとかは大変だし。僕の分は……、サンドイッチにしとくか。

「お待たせ。京香さんも竹田も、今のうちに食べときなよ?」

「それならこちらに」

 京香さんは用意周到みたいだ。竹田は否だけど。しっし、あっちいってしまえ。

「でも、フクロウいないのはちょっと残念」

「それは、仕方ないよ。体調第一だし。それに、葵なら未悠さんに頼んだら合わせてもらえるんじゃないかな?」

「まあ、そうなんだけどね」

 葵は紙コップに入った水を口に含む。まあ、しっくりこないか。

「それより、後で未悠さんたちと一緒に回るんだけど、葵も来る?」

「それって、ひょっとして加乃ちゃんもいる?」

「いるけど……」

「行く!」

 おい、バカノ先輩! うちの葵に何を吹き込んだ! 名前を持ち出した途端顔つきが変わったんだけど!

「あれ、お兄ちゃんどうしたの?」

「いや、何でもない」

 あとで問いただそうと思ったことは黙っておく。情操教育によくないもんね。




 そして、未悠さんたち3人と、教室で加乃先輩を待つ。ああ、葵がどんどん加乃色に染められている気がするよ。

「それで、みんなどこ行く?」

「あ、ちょっと演劇部に興味ある」

「あと、料理部にもいきたいです! かなり興味ある」

 これは僕。おいしいものを食べたいと思うのは悪いことじゃないよね。

「私、クイズ大会にちょっと興味あります」

「おお、葵ちゃんもか」

 葵と加乃先輩が言う。

「ふっ、私にクイズで勝てるとでも?」

 いえ、勝てる気がしません。なので、1人で参加して優勝してください。

「あとは」

「ね」

 未悠さんと顔を合わせる。京香さんもそうみたいだ。

「加乃先輩の教室にもいきたいです」

「え!?」

 加乃先輩が素で驚いた顔をする。いや、そこは行きたくなるでしょ。

「いや、それは来ないで。ちょっと、その、完成度みーちゃんところに比べたらクオリティ低いし」

「何言ってるんですか、行きますからね。1人だけ行かないなんてなしです」

 追い打ちをかける。だけど、僕は知らなかった。これが、まんじゅう怖い方式の罠だなんて。加乃先輩のところはお化け屋敷で、そこで大変な目に合うなんて。そこは割愛させてもらいます。いや、別に怖かったとかじゃないんだからね!

「あ、それと、後で生徒会ブースにもいきましょう。じゃあ、まず食べ歩きでもしにレッツゴー」

 加乃先輩に連れられて行く。でも、友達とどこに行くか話し合って決めて、食べ歩きとかする。文化祭ってこういうものだよね。周りが全員女子なのは気にしないんだから!

次回、文化祭編最終話を予定しています。


それと、改行少ないとやっぱり読み辛いでしょうか? このままでいいか、改行すべし、か、意見お待ちしております。

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