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学年一の美少女が僕に惚れてるなんて信じたくない!  作者: 蒼原凉
あっちこっち忙しすぎるんだ!
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青春してるって気がする!

大変遅くなってすいません。

 いつの間にか、文化祭が3日後に迫ってしまっていた。

 

 あれ、おかしいな。いつの間にこんなことになってたんだろう? おかしいよね。いつも通り仕事をこなしてたら、日にちの感覚がなくなっちゃってる。あ、ちなみに仕事は少し減らしてもらいました。あの非常識3人組とは脳のスペックが最初から違うし。

 幸いなことに、僕らのクラスのセットはほとんど完成している。僕ほとんど仕事してないけど。だって忙しかったんだもん。仕方ないじゃないか。あ、頼まれていたマニュアル作成くらいはやりましたよ。

 それと、彩里さん任せだけど、写真部のデータも渡しました。園芸部の方は文化祭でやることはほぼないらしい。料理部と共同で作った野菜で料理するらしいけど、僕は干渉してないし。

 当然のことながら、僕だってさぼってたわけじゃない。ほとんど生徒会の雑務に追われてました。時間割はほとんど決まってたんだけど、不満を持つ抗議という名のクレーマーに追われてました。だって、時間は有限なんだよ。優先順位をつけてできるだけ不満が出ないように割り振ったけど、それでも不満が出るのは仕方ないことだと思う。だからといって僕に当たられても困る。それに、色ぼけてるとはいえ生徒会長とか、加乃先輩とかが割り振ったんだよ。そうそう、間違いなんて起こらない。

 それから、もう一つ。生徒会にはまだ役割がありました。加乃先輩の生徒会企画。詳細はシークレットらしいんだけど、生徒会室で何か上映するらしい。映画でも撮ってたんだろうか。それの案内。それから、舞台の司会進行も生徒会の役割です。今年は6人だから結構楽らしいんだけど。それでも、僕の自由時間は結構少なくて、30分の空きがちらほらあるくらい。最終日は少し時間取れたけど、一応これでも文化祭実行委員長だし、厨房のリーダーだし。

 

「これで、こっちは一応出来上がりっと」

 クラスメイトが借りてきたガスコンロを運び込む。会議室の机の上に置いただけなんだけど、火には注意しないといけないからね。まあ、作り置きができるものは、家庭科室にいる人たちに任せているんだけど。

「おつかれ、それより伏見、こっち手伝ってくれない!」

「わかった、ちょっと待って」

 汗をぬぐう暇もなく呼ばれる。ペットたちのカタログ製作だ。写真をプレートに張り付けて、紹介文をマジックで書く。結構な数がいるから、大変だ。しかも、それを一人でやってたみたい。

「こんな感じになるようにしてもらえる?」

「わかった」

 汗が落ちないように気をつけながら、ノリで写真を貼っていく。でも、そこまで字がきれいというわけでもないんだよね。まあ、丁寧に書きますけど。

「伏見ありがとうな。助かった」

「こっちこそ」

 一応規定数出来上がったところで礼を言われる。どうやら、もう少し作っておくようだ。僕は、ちょっと水を飲んでこよう。流石に疲れた。

「伏見、手が空いてるんだったら、看板作るの手伝ってくれない!」

「ごめん、流石に疲れてるから水飲んでからでいい?」

「ああ、後で来てくれ」

 断って、水筒を取りに向かう。ああ、忙しい。

 でも、それと同時に、ちょっと少し、充実感も感じてるんだ。なんだろう、この感覚。想像していたのとはちょっと違うけど、でも、青春してるって気がする!

 

 

 

「結構疲れましたね」

「でも、文化祭ってそういうものじゃない? 中学の時も結構疲れたし」

「それって、終わると楽しかったなーに変わるんですけどね」

「確かに」

 放課後、未悠さんと京香さんと加乃先輩の4人で帰り道を歩く。結構疲労感は残ってるんだけど、でも、ちょっと楽しかった。出来れば、ここに男子がいてくれればなお居心地いいのだが。仕方ないので、加乃先輩で我慢することにする。

「そう言えば、文化祭、悠杜君は誰と回るとか決めてるの?」

「いや、まだ特に。いろいろと忙しいので」

 そうなのだ、そういうことを考える余裕がないくらいに、いろいろと切羽詰まってるから。でも、誰かと一緒に回る相談をするなんて言うのも楽しいものだよね。

「あ、でも、最終日の午後は大きく時間が空きそうです。その日くらいは余裕ができそうなので」

「それじゃあ、たっぷり、生徒会企画の案内を頼めるね」

「えええ!?」

 加乃先輩、やめて! 僕楽しむ時間が無くなっちゃうんですけど! 先輩の出し物とかもちょっと興味あるし。行きたかったのに。

「そんなに驚かなくても。冗談だって、冗談。私がやっといてあげるから、2人でデートを楽しんでくるといいよ」

「で、デートじゃないから!」

 へ、変なことを口走らないで! 意識してしまうじゃないか! べ、別に仲のいい友達同士、これくらい普通だし!

「でも、ちょっとくらいは一緒に回らない?」

「いいですね、兄さんも含めた4人で回りましょうか。シフトはもう決まってますし」

 京香さんが提案する。友達と一緒にこういう相談をするっていうのも、なかなかいいものだね。

「時間帯としては、1日目が全滅、2日目の10時から10時半と3日目くらいですね」

「私、まだシフト決まってないから、ちょっと、寄せてもらってくる。それじゃあ、4人で回ろうね」

「加乃先輩、問題起こさないでくださいよ」

 ただ、唯一心配があるとすればこの先輩が暴走しないかだけだ。

「えっと、考えとく。……って嘘嘘。流石にしないって」

 どうだか、不安要素しかない。

 でも、こんな何でもないことで盛り上がれるのは、すごく素敵なことなんだろうな。心地いい疲労感を感じながら、そう思った。

作者「出た、ツンデレ! でも、ここからどんどん甘く……」

悠杜「ツンデレちゃうから!」

加乃「うんうん、悠杜君はツンデレじゃないって否定するもんね。そういうところかわいいし、つい悪戯したくなっちゃうんだよね。文化祭も楽しみにしといて」

悠杜「やっぱり問題起こす気だろ!」

作者「いたた、やっぱりツンデレじゃん」

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