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俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


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86.地下素材の力

 ディアネイアが帰ったあと、俺は庭の樹木をいじっていた。

 すると、そこに目元をこすりながらヘスティがやってきた。


「ふわ……おはよう」

「おう、おはようへスティ」

「ん……変わった魔力の波動を感じたから、起きた。なにを、しているの?」


 ヘスティの視線は俺の手元に集中していた。

 いつもと違うことをしていたから、魔力の波動とやらも変わったのだろうか。まあ、それはともかく、


「いや、ゴーレムを小さく改造しようと思ってな」

「ん、なんで?」

「街の方に店を作っただろ? あそこにデカいのが何体もいたら窮屈に見えると思ってな」

「あー……」


 そう、街の方にある店舗の広さは、我が家と違って限られている。

 なので、樹木の人形がドシドシ歩いているだけで、結構な場所をとってしまう。


 だから、俺はゴーレム店員を小型化しようと思ったんだ。

 そうすれば、スペースを広く確保できるからな。


「ああ、今、作ってるの、ゴーレムだったんだ」

「おう」


 小さくする方法は圧縮と、材料削減の二つを考えた。

 圧縮すると重くなって動きが鈍るのが分かりきっている。

 なので、まずは単純に、ゴーレムにする樹木の量を減らして作ってみた。

普通は一本分使う所を、今回は半分でいく。


 すると、ゴーレムの大きさも半分くらいになった。


「うん、大きさの面では成功だが……あとは性能だな」


 そう思って、俺はゴーレムに庭石を運ばせた。

 普通の大きさのゴーレムであれば、余裕で運んでくるのだが、


「……ちょっと馬力が弱いな」


 小型ゴーレムは自分よりも大きな岩を持ち上げる事は出来た。だが、重さに負けて、ほとんど動けていない。

 

「岩一つ運ぶだけでも無理か。材料を少なくすると弱くなるのか」

「……ん、その、ゴーレムとしては十分、強いと思うよ? あの大きさの岩、普通、持ち上がらないし」

「そうか?」


 まあ、店舗内でしか使わないんだとしたら、これでも十分かもしれない。持ち上げるものは精々リンゴの入った箱くらいだし。

 リンゴを絞るくらいの馬力だってある。

 

 ……ただ、なあ。


 もうちょっと性能も追求してみたくもある。


「どうせ小型化するなら、色々な場所で使えるようにしたいんだよな」

「そうなの? ……では、別の素材を混ぜてみたら?」

「別の素材? ゴーレムにか?」

「ん、杖作りとかではよくやる。魔力の充填量が足りない場合は、鉱石を混ぜる、とか」

「なるほどな。流石はモノづくりの熟練者だ」


 小型化ばかりに注目して、材料の方に目がいってなかった。

 たまには他の素材も使ってみるか。

 幸いにも地下のダンジョンから精製された魔石が、庭にいくらか転がっている。

 軽く入れてみよう。


「ええと、樹木に魔石を取り込ませて、と」

「……!? そのまま入れるの!?」

「え? 駄目なのか?」


 転がっている魔石をそのままゴーレムの体とか腕に押しこんでいたら、ヘスティに驚かれた。

 何故だ。鉱石を混ぜるのはヘスティもよくやるんじゃないのか。


「普通は粉末にしたり、小さくしたりしたのを使う。でないと、魔力のコントロールが難しくて正常に動かないから」

「そうなのか。早く行ってくれよ――って普通に動いてるぞ、ゴーレム」

「……ん?」


 ヘスティの視線の先を見れば、魔石を混ぜたゴーレムが、自分以上に大きな岩を高らかに持ち上げて走り回っていた。

 止まれ、と命令すれば止まるし、コントロールも万全だ。


「おお、持ち上げられるようになったし、意外といい調子じゃないか?」

「そうだね。……やっぱり我の常識、アテにならないかも……」


 ヘスティは肩を落としながら、庭石を上げ下げしているゴーレムを眺めている。

 ちょっと悲しそうだし、何か悪いことをした気分になるよ。


「まあ、気にしないで。アナタが気にすべきは、あのゴーレム」

「え? なにか気にかかる事でもあるのか?」


 聞くとヘスティはこっくりと頷いた。


「ん、魔石を入れただけで、馬力が上がり過ぎ。普通は、ああならない。例え、大きい魔石を入れたとしても、不可能」


 ううむ、不可能と言われても、俺は手元にあった材料を合わせただけなんだけどな。


「んー……もしかすると、この家の地下ダンジョンから採れた魔石だから、こんなに馬力が上がってるのかも」

「なるほどなあ。今まで温泉くらいしか利用法が無かったけれど、良い素材が採れるんだな、ウチのダンジョンは」


 ならば、ちょっと地下に潜って取ってこようかね。

 そうすれば、夜までには小型化できそうだしな。


 そう思った俺は、ヘスティと共に家の地下へ向かう事にした。

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