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俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


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85.さらなる成長と今後の予定

 朝、俺は成長した家の前に立っていた。


「我が家も、一日で随分とでかくなったな……」

「はい、主様と一緒に温泉に入ったことで一杯出来ちゃいました……」


 サクラは顔を赤らめて呟いた。

 昨夜、俺とサクラは普通に触れあいながら、普通に温泉に入っていただけなのだが、家の方は十階層も増えていた。


 ビックリする成長具合だ。

 というか、簡単に成長し過ぎである。


 とりあえず、最上階の安定を保つために、かなり地下に埋めたり、離れを作ったりしたけれども、


「あの温泉、子作りというか、家づくりにも効果あったんだな」

「そうですねっ。また、入りましょう、主様!」


 肌がつやつやなサクラは楽しそうに言ってくる。

 よっぽど温泉が気に入ったらしい。

 

「階層がもっとほしい時は、進んで温泉に入るようにしようか……」

「はい、その時の為にも、温泉のお掃除をしてきますね!」


 そう言いながら、サクラは温泉の方に走っていった。


 ……とりあえず温泉の管理は彼女に任せておけば大丈夫かな。


 なんて、思っていると、


「こんにちわ――って、うわあ……!?」


 ディアネイアが庭の方からやってきて、家を見るなり驚いていた。


「こ、これまた大きく増築したな。何かあったのか?」

「まあ、色々あってな……。というかディアネイア、今日から祭りなんだろ? 街に行ってなくていいのか?」


 そう、今日から四日の間、プロシアでは建都市記念日だかなんだかで、祭りに入る。

 様々な出店や催しが開かれると、ディアネイアからは聞いている。

 だから彼女だって色々と仕事があったりするだろうに。


 こっちに来て大丈夫なのか、と思ったりする。


「ああ、それは平気だ。準備をしたら、あとは商人や団長の仕事だからな。私は三日目から賓客に挨拶する必要はあるが、今日明日は自由に動けるのだ。……報告などは逐一受けて動かなければならんが、まあ何日も徹夜することに比べたら楽なものさ」


 そう言ってディアネイアは苦笑する。

 彼女が楽だというのならば、別にいいのだけれども。


「というか、今更なんだけど、プロシアの祭りって何をするんだ?」


 俺は簡単な概要しか聞いていないんだけれども。


「ううむ、ダイチ殿には説明していなかったが、私の治めるプロシアは魔法が盛んなんだ。よってこの記念日では魔法の研究の発表や売り出しをすることが多い。その為、客も強い力を求める冒険者や魔法騎士などの兵、また学者が多いな」

「へえ……治安とか、大丈夫なのか?」


 聞いた感じでは、物騒な人間ばっかり集まりそうな気がするが。


「その辺りは問題ない。何年か毎にやっている祭りだから、他の冒険者にも言い聞かせてあるし、遠方から来るものでも礼儀を守らせるくらいの警備はしてある。偉い立場の者とかも、結構来るしな」

「へえ、お偉いさんも来るのか。大変だな」


 と、俺が頷いていると、ディアネイアに目を丸くされた。


「いや、あの、私からすると、ダイチ殿もかなり偉い立場なのだが……」

「え? 普通だろ、俺は」


 立場なんて何もないぞ。

 ただの森で静かに暮らしているだけの男なんだから。


「……ま、まあ、その辺の認識は置いておくとして、だ。ダイチ殿は、今日は来られるのか?」


 うーん、行こうと思ってはいたんだけどさ。


「初日の昼間ってことは人も多いんだろ?」

「うむ、既に結構な人数がいるな」

「そうか、なら昼間はやめよう」

「ん? どうしてだ?」


 理由は二つある。ひとつは純粋に、人ごみの中を頑張って歩きたくない、ということ。人ごみで気疲れなんてしたくない。

 そしてもう一つは、


「俺は魔力を抑えるコーティングはできるけど、まだ上手くできるか分からん」


 そして、上手くいったとしても、何かの拍子でコーティングが解けると、惨事が発生する恐れがある。

 別の意味でカーニバルになる可能性があるんだ。

 

「……あー、うん。私とかは平気だが、祭りに来た強者が心折れる可能性もあるか。あと女性陣は全員パンツを変える羽目になるな」


 ディアネイアはゆっくりと頷いた。ただ、その後で数秒考えて、もう一度頷いた。


「でも、大丈夫だぞ、ダイチ殿。プロシアに来れる連中は多少の魔力耐性はあるから、好きな時に来てくれてオーケーだ」

「そうか? なら、普通に行かせてもらうけれどさ」

「うむ、そうしてくれ。ただ、昼間はどうしても人が多くなってしまうので、静かなのが好みであれば夜をお勧めする」


 なるほど。じゃあ、俺の参加は夜からだな。

 いつも通りと言えばいつも通りである。


「じゃあ、今日の夜からお邪魔するわ」

「ああ。それでは、私は自分の日程の調整をしなければな」

「調整?」


 何をするつもりなんだ。


「いや、その、――ダイチ殿に街の案内をしたいと思ってな」


 そういえば、俺はプロシアには数えるほどしかいってないから、地理は不慣れだったっけな。

 案内をしてくれるというなら、とても楽になる。まあ、自分の店から殆んど動かないと思うが、


「そっか。なら、頼むわディアネイア」

「うむ! では、また夜に」


 こうして俺の夜のスケジュールは決まった。


 とりあえず日が落ちるまで、やれることはやっておこうかな。

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