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俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


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31.改造を更にたやすく


 昼間、俺は、リンゴ畑で家のリフォームを続けていた。


 結局、あの後、ピラミッド状態は一日で解除して、塔に戻した。


 住むこと自体に問題は無かったが、どうにも見てくれが良くない。

 なので、今は元々の塔を中心に、形を整えていた。


 リフォームする時とは異なり、塔の形に戻すのは一瞬で行えた。


「私の方で元の形は記憶しておりますので、魔力を流し込むだけで、戻す事が可能です」


 ということらしい。


 サクラが基本の形を覚えているから、いくらでもリフォームの練習は出来そうである。


「こういうのは場数を踏まないと上手くいかないからなあ」


 ウッドゴーレムの造形と一緒だ。作り慣れないと、形を整える事も難しい。


「主様、毎日のようにウッドゴーレムを作っていますからね」

「おう、お陰で、ウッドゴーレムもアーマーも、多少は格好よくなってきたぞ」


 最初はもっさり状態だったゴーレムも、今では仁王の顔を彫ることができるまで至った。

 習作のゴーレムはリンゴ畑に置いてあるが、中々いい感じにできていると思う。

 

「ただ、ゴーレムと違って、でも、元に戻すだけでも、結構な魔力を使うな」


 同期してサクラの魔力を使っているものの、消耗は激しい。

 家をブロック単位で動かすのは、どうしても俺の力が必要になるからだ。


 それがバカにならない。

 数回やると休憩が必要になってくるレベルだ。


「はい……それは、申し訳ないです。私の力が至らず」

「いや、別に謝られることじゃない」


 これはこれで、中々面白いものだ。

 組み替えて、休憩するタイミングで見直す事も出来るしな。


 なんてことを思っていると、


「……また、変な魔力の使い方してる」


 リンゴ畑の小屋から、ヘスティが出てきた。

 目をこすっているということは、寝起きだろうか。


「おはよう、ヘスティ」

「ん、おはよう。昨日から、魔力の変動を感じると思ったら……こんな使い方をしているとは、思わなかった」


 これは驚かれているのだろうか。

 呆れられているのだろうか。

 

 ヘスティは新しく組み立てられた我が家をじっと見つめている。


「すごい。けど、湯水のように、魔力を使ってる。いくらアナタでも、消耗、激しい筈」

「おう、やっぱり分かるか。そういうのは」

「ん……普通は、一回やるだけでも、倒れるくらいの魔力を、使ってる。――だから、これ。使うと、楽」


 そう言って彼女が渡してきたのは、いつかの白い杖。

 しかし、今度は以前よりも太く、更にがっしりした形状になっていた。


「もしかして、昨日からずっとこれを作っていたのか?」

「そう。ちょっと時間が掛かったけど、前よりも、もっともっと、頑丈に作った。前よりも更に、壊れにくい」

「おお、ありがとうよ、へスティ。でも、これを使うって、魔法鍵ってことか?」


 家の組み替えに使えるんだろうか?


「多分、魔法鍵に形状を記憶させておけば、変えられると思う。どう? 合ってる?」


 ヘスティは俺とサクラに首を傾げて尋ねた。


「俺は分からないが、出来るか、サクラ」

「ええと……はい。私と同期は必要かもしれませんが、決まった形をセッティングしてあれば、一瞬で組み替えられると思います。私が元の形を覚えていて、一瞬で戻せるような感じになるかと」


 おお、凄いな。

 それじゃあ、作った形態をそれぞれで記憶させておけばいいか。

 そしてキーワードで変形できるようにしておけばいい。


「でもまあ、本当に出来るか分からないし。試しにやってみるか」


 今の形態は《通常塔》として、魔法鍵に登録しておくとして、


「サクラ。同期してくれ。ちょっとだけ組みかえる」

「はい。よろしくお願いします」


 俺は白い杖をもち、サクラに触れる。

 そして、組みかえるのは、今日の朝まで在った形。

 それを頭でイメージしながら、言語と組み合わせて、


「モード・《金字塔》!」


 言葉を発した。

 瞬間、我が家は四角錐へと変化した。


「へえ、本当に、一瞬で変わったよ」

「お見事です、主様!」


 これならいつでも、一度作った形を再現できる。

 いちいち組みかえて、前のをどう作ったか思い出す必要がなくなるので、とても楽だ。


「……ん、今回は、壊れてない。杖の出来も、完璧」


 ヘスティがこちらの顔と杖を見比べながら言ってきた。

 確かに、杖も無事だ。これは、かなり使える。

 

 サクラとの同期は必要だけど、省エネで、消耗もしてないしな。


「これならいずれ、主様だけでも、一度変化した形であれば、変更できるかもしれませんね」


 おお、それはそれで楽だな。

 練習の度に、サクラの手を煩わせることもなくなるし。

 

「この杖、ありがとな、ヘスティ。すげえ楽になったよ」

「ん……我も良かった。ちゃんとしたものを作れた。壊れたら、また直すから、いつでも言って」

「おう、その時は、また頼むわ」


 こうして、俺のリフォーム効率は更に上がった。

 

 様々な形を試しては、魔法鍵に登録して、元に戻してを繰り返しまくったら、我が家が変形ロボみたいになってきたけれど。


 でもまあ、最後は住みやすい形に落ち着くのだし、今は色々やってみよう。


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