248 意外と大所帯
朝の澄んだ空気が漂う中、旅立ちの準備を終えた俺は、自宅の前にいた。
「じゃあ、竜の国までよろしく頼むわ、ディアネイア」
「お願いしますね、ディアネイアさん」
「押忍。お世話になるっす!」
「うむ、頼まれた!」
近くにはサクラやナギニ、ディアネイアがいるが、それ以外にも俺の周りには色々なヒトが集まっていて、
「姉上様との旅の機会がまた訪れるなんて……ああ、僥倖です……! 幸せで胸が膨らみます」
「ふくまらせるのは良いが、我に抱き着くのそろそろ禁止」
「全く。初めての所に行くんだから、もう少し皆、しゃんとしなさいな……」
なんというか、知り合いの竜王数名が集合していた。
ヘスティはアンネに抱きしめられていて、マナリルはそれを苦笑しながら見つめているし、いつも通りの光景とも言えるが。
昨日の夕飯後、庭でディアネイアと竜の国への旅程を相談している時に、数名の竜王――彼女たちが顔を出してきた。
そして、竜の国の存在を知っていた物の、行った事がなかったから自分達も付いて行く、と言い出したのだ。
俺としては一緒に行くヒトが増えても負担にならないし、賑やかになって楽しくなると思った。
ディアネイア的にも『この位の人数なら移動に支障はないから、問題ない』とのことで。ここにいる皆で行くことになったのである。
「まあ、揃った事だし出発したい所だが、皆、準備はいいかー」
俺の声に庭の面々は各々でOKの返事を返してくる。
問題はなさそうだ。
「んじゃ、ディアネイア、頼む」
「了解だ。では、テレポート!!」
そうして俺達はディアネイアのテレポートで一気に竜の国まで出発した。





