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俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


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246.着実に成長中


 ウッドアーマー用の杵の予備を作ってから翌日の昼間。


「はあ……はあ……。ど、どうにか、倒した……っす……」


 ナギニがゴーレムを倒す事に成功した。

 いや、正確に言えば、ゴーレムと相打ちになって、両者ノックダウンしているのだけれども。

 そしてゴーレムはすぐに立ち上がりファイティングポーズを構えてノーダウンを訴えているけれど、

 

「まあ一応、倒してはいる事になるかね」


 今回の修行ルールは、魔法を使ってゴーレム一度倒すまで頑張る、だ。そのルールは適応される訳で


「うん。これなら、課題クリア、でいい、かな? 大事なのは戦闘中の魔法の素早い発動で、ゴーレムと肉弾戦しているうちにモノになったし。我とも短時間なら互角に戦える位にはなっているように見える」

「そうですねえ。最初期に比べたら、ナギニちゃん、魔力の使い方、上手くなりましたよ」


 ヘスティやサクラと協議した結果、とりあえず今回の課題はクリアだろうという事になった。


「自分でも、ある程度、タフになれた気がするっす……。いや、本当にある程度なんすけど」


 ナギニはヘロヘロな口調ながらも、立ち上がりつつ言ってくる。

 最初、ここに来た時に比べたら比べたら体力も上がったのだろう。朝から今までゴーレムとずっと組手をしていたわけだが、息切れだけで済んでいるし。

 

「ダイチのモノづくりを見たことで、魔法動作が改善された、みたい。咄嗟の防御やカウンターがとても、上手になっている」

「へえ、だってさ、ナギニ」

「うう、本当に皆さんのお陰です。あとゴーレムさんも付き合って貰ってありがとうっす……」


 ナギニの言葉にゴーレムが拳を挙げて答えた。

 またやろうぜ、的なポーズだろう。仲良くなったようで何よりだ。


「うん。とりあえず、これで修行は終了でいいんだよな?」

「そう。ナギニも、強くなった実感、あるでしょ?」


 ヘスティの問いかけにナギニは自分の両手を見つめ、ぎゅっと握る。


「はいっす。これなら……試練も乗り越えられそうっす! ここまで面倒を見て頂いて本当に助かりまし――……っと……?」

 

 そして勢いよく顔を上げてこちらを見ようとしたのだが、勢いに体が流されてふらついた。


「おいおい、無理するな」

 

 転びそうになっている彼女の体を支えると、ナギニは照れくさそうなな顔をした。


「あうう……すみませんっす、師匠。バッチリ決めたつもりだったのに……」

「修行とは言え、何戦もやった後だからなあ。休憩して体力をしっかり回復させた後に、試練を受けに行った方がいいんじゃないか」

「うん、それをお勧め。もう、暗くなるし、朝を待った方が良い」

「そうですねえ。ここにいれば、ナギニちゃんの回復も早くなるでしょうし。一晩もすれば元気になるでしょう」


 そんな言葉に対し、ナギニは俺たちの顔を順々に見て、そして僅かに潤んだ目になる。


「あ、有り難いっす。で、では、お言葉に甘えて、休ませて貰おうかと……」

「おうよ。疲れが原因で失敗してもなんだ。しっかり休んでいってくれ」


 などと、俺達がナギニと話をしていた時だ。


「ダイチ殿ー」


 背後からディアネイアの声が響いた

 見れば庭の向こう、大きな袋を魔法で浮かばしながらやってきている彼女の姿があった。


「この前の収穫祭で得られた農作物や水産物の加工品が出来上がったので持ってきたのだが……タイミング的に大丈夫だったか?」

「問題ない……というかむしろ、良い所に来たな、ディアネイア。ちょうどいいし、それで、夕飯にするか。サクラ、お願いできるか」

「はい! お任せください!」


 修行で体を動かしまくったから腹も減っているだろうし。

 何より、これでナギニは試練とやらを受けに行くのだろうし、全力を出せるように、しっかり食べさせて見送ろう。そう思いながら、俺は食卓の準備を進めて行くのだった。


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