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俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


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220.旅行先での早寝早起き

 網を作りながらの夜食の後。

 俺は大勢が集まっているコテージを抜け出して、自分の使っているコテージに戻り、シャワーを浴びた。


 その上で眠る準備をして、自分のベッドに寝転がっていたら、


「あれ。アナタ、戻ってきていたんだね」


 ヘスティが瞼をこすりながらコテージに入ってきた。


「ああ、もう休もうと思ってな。向こうはまだ騒いでいるのか?」

「うん、今は、色々な人たちでお話タイムしている。まだまだ、続きそう」


 まあ、旅行先の夜だしな。

 テンションが上がって喋り続けたくなる気持ちもわかる。


「でも、我は途中退室。流石に、眠い」

「そういやさっきからずっと眠たそうだったな」

「ちょっと昨日今日と活動しすぎたみたい。――でも、今夜はアナタも寝るの早いね」

「ああ。俺の方は早めに寝て、日の出前に釣りに出てみようと思っているだけだよ」


 昨日は真夜中の夜釣りだったから、今回は朝の手前でやってみようと思った。だからこそ、早目な今寝ようと思ったんだよな。


「そうなんだ。……確かに、夜よりも朝になりかけている時間の方が、水棲生物たちの動きは良くなっているような気はするから、釣り時、かもね」

「へえ、そりゃ良いことを聞いたわ」


 朝マズメという奴だろうか。 

 釣り具も釣り場所も変えてみようと思っているので、どんな魚が引っ掛かるか今から楽しみだな。


「ん、我も、ここの湖の生態系は面白いから、好き。ただ、調べ過ぎて、眠気が来るのが、難点……ふああ」


 ヘスティはそう言って大きな欠伸をした。

 先ほどまでカレンやマナリルに付き合って食事をしていたけれども、さっさと戻ってきたのは睡眠欲が限界まで来ているからなんだろうな。


「ヘスティもお休みか?」

「ん……明日、マナリルの夜通し調査の結果を聞くから、朝早く起きなきゃいけないから」


 そういえば夜に潜るとかなんとかいっていたっけ。


「朝早くってどれくらいなんだ?」

「んー、三時前、くらいだから……多分、貴方が起きるのと、同じくらい?」

「みたいだな。俺もそのくらいには起きて、外に出ようと思っているんだ」


 その為に、枕元には既に釣りの道具が準備されている。

 今日はあまり酒も飲んでいないので、今から眠れば気持ちよく起きれるだろう。


「……ん、じゃあ、我もアナタに付いていっていい? 朝の湖がどんな感じか、見ておきたいから」

「ああ、構わないさ。むしろ湖の魚の生態とか、俺も聞きたいからな」


 ヘスティがいればその場で聞けるし有難いんだよな。

 魚についての知識は薄いといっても、この湖についての知識は沢山持っているようだし。


 昨日も、マナリルとヘスティによる解説付きの湖釣りはとても楽しかったし、明朝もやらせて貰おうかね。


「ん、了解。じゃあ、朝早く起きるね……」


 そう言いながら、ヘスティはうっすらとほほ笑んだ。


「あん? どうした、ヘスティ」

「ん……いや。なんというか、こうして朝起きる約束をしているのに、ラミュロスに比べてアナタは信頼度が高いから、とても助かるって思ったの」

「ああ……まあ、アイツは起きなさそうだもんな」


 ここに来る時も、昼間まで眠りきった剛のものだからな。


「アイツのルーズさは昔からなんだっけ?」

「そう。だから、偶に我たちや竜王全体に何か伝え忘れてないか確認してる。二割くらいの確率で伝え忘れがあるから、そういうのは大事。でないと、後々大変になるからね」


 こういう話を聞いているとヘスティの面倒見のよさを改めて認識するよ。

 これまでも、俺はその面倒見の良さに助けられているので、本当に有難い限りだと思う。


「んじゃまあ、俺も寝坊しないように、さっさと寝ちまうかね」

「ん、我も、もう寝る。明日はよろしくね。それと、――おやすみなさい」

「おう、おやすみ」


 俺はヘスティと二人だけがいるコテージの、明かりを落とした。

 そのまま静かに眠りに付いていった。


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