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俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


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179.色づく予定

 庭で作ったゴーレムを片付けていると、ディアネイアがテレポートでやってきた。


「ダイチ殿。ビーチの日程を報告しに来させてもらって――……こ、この軍団は一体……」

「おう、ディアネイアか」


 彼女はなにやら、ゴーレムらを見て後ずさっていた。


「ま、またダイチ殿は、兵装を作ったのか?」

「いや、兵装じゃなくて、これは遠出する時に持っていく家具だぞ」

「か、家具か。そう、なのか……?」


 ディアネイアはおずおずと頷きながら、再び近づいてくる。

 いつもゴーレムに驚いているが、最近は慣れてきたようで立ち直りも早いな。


「ま、まあ、うん。そうだな。個性的な家具があってもいいものな」


 割と目の焦点があってない様な気もするが、


「おーい、大丈夫か」

「う、うむ! だ、大丈夫だ!」


 会話に問題なさそうだな。

 これなら良いだろう。


「んで、ビーチの許可を取ってくれたんだっけ? ありがとうよ」

「い、いや、気にしないでくれ。私も行きたいところだったから。……それで、これが今回の取ったスケジュールなので、好きな予定を立ててくれ」


 そうして、ディアネイアは一枚の紙を渡してきた。

 中には、プライベートビーチの使用可能日数が書かれているが、


「え……二週間って、こんなに長い間、いいのかよ?」


 かなりガッツリと長い期間を取られていた。


「俺達、そんなに長居する気はないんだけど」


 予定していたのは、せいぜい二日三日だったんだが。

 そう思って言うと、ディアネイアは首を縦に振った。


「気楽に、使いたいだけ使ってくれればいい。これまで、貴方には相当な世話になったのだ。これくらいはさせてくれ。あ、他の利用者にも迷惑も掛けていないから、その辺も大丈夫だぞ」

「そうかー。まあ、うん。気楽に使わせて貰うわ」


 折角、プライベートビーチを使わせてくれるっていうんだからな。

  

 どんなものか軽く探検したくもあるし。

 飽きたり疲れたりしたら、帰る位でちょうどいいだろう。


 ともあれ、軽く動く予定は決めておこう、と紙をポケットにしまっていると、


「あ、あの、ダイチ殿。少し聞きたいのだが、ダイチ殿は何色が好きかな?」


 ディアネイアが口をもごもごさせながら尋ねてきた。


「色? 色って、赤とか白とか、そういうのか?」

「う、うむ。そうだ。気に入っている色とかはあるのかな、と」

「いやあ……特には無いんだけど」


 色にそこまでのこだわりは持っていない。

 

「つーか、なんでそんな事を聞くんだ?」

「あ、ああ、いや、個人的な興味でしかないんだが。その、たとえば、黒とかオレンジとかも嫌いだったりしないか?」

「割と限定的な興味と問いかけだな。――でもまあ、そういった好き嫌いはないぞ」


 そう答えるとディアネイアはパアッと表情を明るくした。


「よ、よかった。……ありがとう!」

「うん? 何の礼だよ」

「いやまあ、個人的な質問に答えてくれたし、色々と決めるのに役立つからな。それで、ダイチ殿も湖で泳ぐのだよな?」

「まあ、波が高くなかったらな」


 武装都市の湖は地図上でしか見たことがないが、割とデカい湖だった。

 だから多少なりとも波があるだろう。


 その時は、泳ぐのは割と大変になる。


 ……カトラクタのいる平原の湖とも感覚が違うだろうしな。


 泳ぐかどうかは、気分次第だろうな。


「でもまあ、浜辺に出るから水着姿になってるだろうし、泳ぎたくなったら泳ぐだろうさ」

「そ、そうか。うん、それも分かった! 分かったぞ」


 俺の答えに、ディアネイアは物凄くにこにこしていた。


「さっきから楽しそうだな……?」

「アテナから湖での様子を聞いて、とてもうらやましかったのでな。私も貴方と泳ぎたかったのだ」

「おう、そうだったのか。じゃあ、いい感じの波だったら一緒に泳ぐかね」

「あ、ああ、よろしく頼む!」


 ただでさえ楽しそうな顔をしていたディアネイアが更に嬉しそうな表情になった。

 そうしてしばらく話した後、元気の良いまま、ディアネイアは帰っていった。

 とりあえず、楽しい慰安旅行にはなりそうだな。


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