表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の家が魔力スポットだった件~住んでいるだけで世界最強~  作者: あまうい白一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

216/309

178.新作発表会


 太陽が昇り、朝露が乾いたころ。

 朝飯を食べ終えた俺は庭に出て、昨夜からの試作品を並べていた。


「はい、こっちに並んでくれ―」


 俺の掛け声に従い、ゴーレム達がざっざっと歩いてくる。

 出来ているのは、ゴーレムの椅子、ウォーターゴーレムのベッド、ウォーターゴーレムの椅子の三つだ。


 見た目は普通のゴーレムだが、


「《変形》」


 この言葉だけで、ゴーレム達は椅子になったりベッドになったりと、設定した通りの変形を見せてくれる。

 とても楽だし、変形するのに音も少なめだ。

 

 見た目的にもそこそこ格好よくできていると思う。戻す時は、


「解除」


 これで元通りになるしな。

 二言喋るだけで片付けと運搬が出来るのは、とても扱いやすくて良いんじゃないか、と少しだけ自賛していると、


「……なんだか、とんでもないものを、見ている、気分」


 その様子を見ていたヘスティは驚き半分、達観半分の表情になっていた。


「とんでもないってどの辺が?」

「ん、いや、これが行列を作って歩いていたら、色々と、大変そう」

「そうかね? 運搬性を重視して、結構細身にしたんだぞ」


 いつもの分厚いゴーレムでも作れなくは無かった。

 けれど、やはり持ち運ぶものは軽くしておくべきだしな。

 

 割と細身のゴーレムになっている。


「んー、そう、だね。……座り心地も寝心地も良いから、我、何も言えない……」


 ウォーターゴーレムベッドに寝転がりながらヘスティは軽く落ち込んでいた。

 ぽよぽよとした反発力が外から見ても分かる。


「ああ、その水ベッド気持ちいいよなあ。上手く樹木の膜を作れば、冷たい温度だけ伝わってくるし。中々いい出来だと思ったんだよ」


 肌触りも良いし。

 なにより全身が程良く冷やされるので、かなり優しく体の温度を下げてくれたりする。


「ん、あと、ちょっと肌寒くなったら、ゴーレムが水を調整してくれるのも、いいね。我、少しビックリしたけど、全く敵意無い動きだから、安心できるし」


 そう、ゴーレム家具のいい所は、使用者の健康を多少は考慮してくれる所だ。

 まあ、そのシステムをセッティングをしているのは俺なのだが、


 ……自分の体に合わせてくれる道具ってのはいいよな。


 体に合わない椅子やベッドで休んでも、疲れるだけだしな。


 その辺りはゴーレムが非常に役立ってくれていると思う。


 そんな事を考えていると、


「ん? あれ、そっちのは、なに? 昨日はいなかったけど」


 不意に、ヘスティが俺の間近にある一体に視線を向けてきた。

 椅子の形をしているが、背もたれからゴーレムの両手が生えているものだ。


「ああ、こいつは朝方に軽く作ってみた、マッサージチェア型のゴーレムだよ」

「マッサージチェア……? 肩を、揉んでくれるの?」

「おう、この両手でぎゅっとしてくれるんだ。ただな……ゴーレムのパワーの調整が難しいからまだまだ未完成でな。――まあ、実例を見せるか」


 俺は自分で座りながら、ヘスティに説明する。


 座った瞬間、ゴーレムの両手が俺の肩に回されてぎゅぎゅっと揉んでくれる。

 柔らかい力だ。


 これはかなり効果があるだろう、とは思うのだけど、


「……ゴーレムのパワーで揉まれると、強すぎな時がありそう」

「ああ、それなんだよなあ」


 力加減は出来るけど、ゴーレムがめっちゃ恐る恐る揉んでいるのが分かる。

 

 ……割と手がぷるっぷるしているんだよな。


 使用者と、ゴーレムの事を考えると、もうちょっと改良すべきだろうな。

 傍から見ているヘスティも眉をひそめているし。


「なんというか、今の状態。万力で煮豆をつまむような力のコントロールしてる、感じだね……。とても、すごいことだけど」

「ああ、凄いかもだが、これっきりにするわ」


 この状態で揉んでもらっても、逆に肩が凝りそうだし。

 あくまで実験作としておこうか。


 ……とりあえず、三種のゴーレムの盛り合わせが出来たんだしな。


 この数があれば十分、上出来と言えるだろう。それに、

 

「さ、まだ時間はあるんだ。次は魔石とか使って改良するぞー」

「ん、了解ー」


 まだまだ工作する時間はある。

 それをゆっくり楽しんで行こう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
●コミックス最新3巻発売のお知らせ
4/19(金)に『俺の家が魔力スポットだった件』のコミックス3巻が発売されます!
 面白いので是非お手に取って頂ければ嬉しいです! 
↓の画像はコミックス3巻の表紙です。クリックでコミックス3巻の公式サイトに飛べます。
avsf2uwqhujmfl939pohhpkl2j8k_1255_e6_k5_5sbz.jpg
  ●同時連載作品のご紹介
こちらの連載も応援して頂けると嬉しいです!
最強の預言者な男が、世界中にいる英雄の弟子に慕われながら、世界を回る冒険者をやる話です。
 100人の英雄を育てた最強預言者は、冒険者になっても世界中の弟子から慕われてます
https://book1.adouzi.eu.org/n2477fb/

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ